• 公開日: 2019/10/26
  • 更新日: 2020/1/14

看護師の採用面接でよく聞かれる質問と回答例

看護師は人手不足のため、売り手市場と言われてはいますが、どの職場であっても就職するためには採用試験を突破しなくてはいけません。中でも特に重視されているのが「面接」です。そこで今回は、看護師の採用面接でよく聞かれる質問と回答例について、ご紹介しましょう。

 

よくある質問&良い回答例・NGな回答例

では早速、よくある質問と、それに対する良い回答例・NGな回答例をご紹介しましょう。

なぜこの病院を選んだのですか?

NGな回答例

「インターネットの口コミが良かったからです」
「家から徒歩圏内と近かったからです」

良い回答例

「貴院は2次救急であり、断らない救急を掲げられています。以前父が倒れた時、何件も断られた経験があるため、断らない救急を看護師として支えたいと思い、今回希望いたしました。」

ほとんどの採用試験にてまず聞かれること、それが「なぜこの病院を選んだのか」です。ここで大切なのは、「その病院の特徴を捉えること」。

いくら本心はNG回答のようなものであったとしても、その病院の理念や「売り」に惹かれたことをアピールすることで、採用担当者に良い印象をもってもらうことができます。

なぜ転職しようと思ったのですか?(転職理由)

NGな回答例

「前の病院の福利厚生が不満だったからです」
「残業が多く、定時でほとんど帰れなかったからです」

良い回答例

「看護師として、自分をより成長させたいと思ったからです」
「貴院では24時間の院内保育があり、子育てと仕事を両立できると思ったからです」

転職理由について、「前の職場が不満だったから」と言ってしまうと、「じゃあ採用しても何か不満があったらすぐにまた転職してしまうのではないか」と不信感を生んでしまいます。

そのため、前の職場の批判はせずに「自分をより成長させるため」「病院にあるこの制度を利用して、長く働きたいと思ったから」など、「この病院では長く働いてくれそうだな」と採用担当者に思ってもらうことが大切です。

転職歴が何回かありますが、その理由を教えてもらえますか?

NGな回答例

「私がやりたい救急看護をさせてもらえなかったからです」
「前の職場がブラックで、体調を崩してしまったからです」

良い回答例

「透析看護師として成長するために、クリニックや病院など違った種類の職場で経験を積みたいと思ったからです」
「以前は体調を崩してしまい、やむを得ず退職しました。治療に専念し、今は医師からも看護師として働いて良いと言われています」

転職回数が多いというのは、「またすぐに転職してしまうかもしれない」「ひとつの職場で長く仕事ができず、忍耐力のない人だ」というマイナスのイメージを与えています。NGな回答では、そのマイナスのイメージにさらに追加して「前の職場が悪かったから転職した=職場が悪く、私は悪くない」という印象を与えてしまうため、良い印象を与えることがより難しくなってしまいます。

そこで良い回答例のように、転職を繰り返した理由は、やむを得ないものであるが仕事をするための準備をしたことや将来の目標のためであることを伝えることで、長く働いてくれそう、仕事に意欲があるという良い印象を与えることができます。転職回数に関して質問があった場合も、やむを得ない状況や前向きな理由をもとに説明し、これまでの経験を活かして働けるということ、経験から得たものをアピールできるとよいでしょう。

どの診療科を希望していますか?

NGな回答例

「救急外来です。その診療科以外は考えていません」

良い回答例

「救急について学びたいので、救急外来を希望します」

これは新卒時の採用面接でも同様のことがいえるのですが、いくら希望を出しても、病院では他にもたくさんの看護師が働いているため、希望通りの診療科へ配属できるかどうかは難しいのが現状です。

例えば救急に特化した病院の場合は、多くの看護師が救急を希望して入職しますが、実際に救急へ配属される看護師はわずかで、多くの方は他の診療科で働くことになります。そのため、「希望します」という伝え方は良いですが、「そこ以外は考えていません」というような言い方をしてしまうと、病院側のことを考慮していない自己中心的な人物という悪い印象を与えてしまいかねないため、避けたほうがよいでしょう。

将来、看護師としてどのようなキャリアを考えていますか?

NGな回答例

「今はまだ明確なビジョンがないので、働きながら考えたいです」

良い回答例

「貴院の支援制度を利用して認定看護師の資格を取得し、スペシャリストとして活躍したいです」
「貴院の保育支援制度を利用しながら、子育てと仕事を両立させたいです」

新卒とは違い、転職ではある程度看護師としての経験を積んだ上で面接を受けているはずです。そのため、将来の看護師像についても具体的に伝えることができないと、「この人は本当に大丈夫なのかな?」という不安を与えてしまいます。

目指す看護師像を、就職したい病院の特徴を捉えながら、その病院でなければならない理由を伝えることができれば、「この人は安心して採用できるな」と思ってもらえるはずです。

どのような看護観をお持ちですか?

NGな回答例

「特にありません」

良い回答例

「患者さんに寄り添い、患者さんの痛みや精神的な辛さを理解できるようサポートすることを心がけています。」
「終末期医療での経験から、患者さんらしさを尊重した看護をしたいと考えています。」

「看護観」というと漠然としていて難しく聞こえますが、普段どのようなことを心がけて仕事に臨んでいるか、どのような看護師を目指しているか、ということがわかればよいのです。そのため、NGな回答例のように「ありません」という答えはよくありません。これまでの経験や体験を交えて自分の思いを話すと、どのような人物であるかもアピールできます。

 

次の職場が最後の転職という気持ちで

パートナーの転勤などで引っ越しを繰り返しているケースを除き、転職回数が多いということは、それだけ採用に際して「またこの人は転職してしまうのではないか」という不安を与えています。

この病院で長く働きたい、という意欲や成長したいという前向きな姿勢をアピールし、「次が最後の転職だ」という意識で転職活動してみてください。採用担当者の方にもきっとその熱意が伝わるはずです。

この記事を書いたのは

山村 真子 看護師として働きながら、ライターの仕事もしている、アラフォーママナース。看護系以外にも、育児や病気、介護など幅広い分野の執筆を行っています。時短勤務中だが、毎日定時に帰れるはずもなく、保育園の送迎はいつもギリギリなのが最近の悩み。

イラスト・k.nakano

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