精神科の医療や訪問看護というとどんなイメージでしょうか。危ない?怖い?
「っていうか正直・・・よく分からない!」
そんな方が多いのではないでしょうか?
今回は、看護師+ライターの著者が「参加したらめちゃくちゃ面白かった勉強会」から、精神科訪問看護のエピソードをお届けしたいと思います。
精神科訪問看護の事例① 看護目標は「かっこいい田中さんになる!!」身だしなみを整えたら元気になった利用者さんの話
統合失調症で精神症状があり、自信・自尊心を失っている田中さん(仮名)の事例
「カッコイイ田中さんになる」・・・こんな看護目標、アリ?!
「看護目標:カッコイイ田中さんになる」
一見ふざけた目標に見えるかもしれません。
でもみなさんも「デートに合う服がない」「おしゃれな服屋さんに行くために着ていく服がない」なんて経験、したことありませんか?髪型や服装について他人から否定され、「その場から逃げ出したい・帰りたい」と思ったこと、ありませんか?
"身だしなみ"は思っている以上に思考・行動に影響します。
セルフイメージが低下している田中さんに行った看護援助は、肯定的な言葉をかけ続けて信頼関係を築き自己肯定感を高めていくこと。徐々に信頼関係が深まった田中さんと訪問看護師さんは、一緒に買い物に行きGパンや眼鏡を購入。
田中さんは訪問前に整容や掃除をして待っていてくれるようになり、外出の頻度も少しずつあがってきたそうです。
あらためて、精神科訪問看護って?ふつうの訪問看護との違いは?
精神科訪問看護は、精神疾患のある方に対して、症状をコントロールしながら「そのひとらしい生活を維持」し「社会参加が促進」できるように支援する看護のことです。地域で生活する精神障害者に継続的なケアを提供するために、対象者の自宅やグループホームなどを訪問します。
自ら進んで利用申請する人は少なく、行政からの依頼で介入が開始されることが多いようです。
精神科訪問看護の目標
・病状悪化の早期発見、再発防止
・生活能力の維持と向上
・社会参加の促進
・自信、自尊心の回復
目的・目標は基本的には病棟看護と同様です。利用者さんができる限り自分のチカラで生きていけるように、セルフケア能力を高めていくための支援を行います。
続・精神科訪問看護!勉強会は、普段知らない領域を知るチャンス
ナースも知らない精神科訪問看護の世界・・・エピソードは、まだまだ続く?!
次回のキーワードは・・・「手紙」です!
●エピソード提供●
西南部在宅医療研究会
今回こちらのエピソードを紹介してくれたのは、東京・世田谷区を中心に行われる地域の勉強会。難しい話を楽しくわかりやすく語る医師・看護師が毎回登場。近隣地域の医療従事者に限らず、どなたでも無料参加できます。
●この記事を書いた人●
看護師ライター・マイマイ
元会社員、社会人経由ナース。
ウェブメディア『ミライナース』編集長。「人をつなぐ看護師ライター」として、社会に貢献する活動をしている人を取材し紹介記事を執筆している。