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  • 公開日: 2024/3/18

新人看護師が知っておきたい職場でよい人間関係を築くコツ

看護師は多くの人と関わる職種であり、よい人間関係を築くことが大切です。しかし、新人看護師のなかには、先輩や同僚との人間関係がうまくいかず悩む人も少なくありません。今回は、新人看護師が知っておきたい人間関係を築くためのコツや、人間関係で悩んだときの対処法を解説します。


人間関係で悩む看護師は多い?

人間関係で悩んでいる看護師は、実際にどのくらいいるのでしょうか?日常業務においてどんなことにストレスを感じるか、現役看護師にアンケート調査を行いました。

Q.日々の業務で感じるストレスの理由を教えてください

アンケートでは、ストレスを感じる理由の2〜4位が人間関係に関することという結果でした。人間関係には上司や同僚だけでなく患者さんも含まれますが、合計で30%以上の看護師が人間関係に何らかのストレスを抱えているようです。人間関係に悩む看護師は少なくないのです。

新人看護師の人間関係でよくある悩み

新人看護師も、入職後は新たな環境に変わるため、人間関係に悩みやすいタイミングといえます。新人看護師の人間関係でよくある悩みを、対象となる人別にまとめてみました。

新人看護師の人間関係でよくある悩み
上司
先輩
  • 先輩が怖い
  • プリセプターとの相性が合わない
  • 職場の人間関係がドロドロしていて大変
  • 上司によって指導内容が違うので戸惑う
同期
  • 同期と比べて落ち込んでしまう
  • 気が合わない同期がいる
他職種
  • 医師への報告や指示受けに気を遣う
  • 他部署の人が怖くて連携がとりにくい
患者さん
  • コミュニケーションがとりにくい患者さんがいる
  • 好きになれない患者さんがいる

新人看護師は多くの人から指導を受けます。ですから、先輩や上司との関係を上手に築けないと、わからないことを質問できない、素直に指導を受け入れられないということも起こってくるでしょう。

また、上司や同僚、他職種との人間関係がうまくいっていないと、患者さんの看護に影響する可能性もあります。そのほか、患者さんと良好な人間関係を築けないことで、看護師に向いていないのではと悩む人もいるようです。

人間関係で悩む看護師が多い理由

看護師が人間関係で悩みやすいのには、看護師ならではの仕事の特徴が関係しているようです。ここでは人間関係で悩む看護師が多くなる理由を解説します。入職後に人間関係による悩みでつらい思いをしないために、看護師という職業が人間関係で悩みやすい傾向にあることを知っておくとよいでしょう。

責任ある仕事だから

人間関係で悩む看護師が多い理由は、患者さんの命に関わる責任を担っているという看護師の役割の大きさにあります。

患者さんの安全を守り、質の高いケア、個別性に合わせたケアを行うためには、責任感とほかのスタッフとの協力が必要です。しかし、責任感の強さから意見が対立したり、コミュニケーション不足から連携がとれなかったりする場合もあります。

これらが原因でお互いに不満が溜まり、それが人間関係の悩みへと発展してしまうのです。

また、看護師の仕事は患者さんの命に関わるため、あいまいな指導によるミスを避けなければならない場面もあり、指導が厳しくなる先輩もいます。新人看護師のなかにはそんな先輩が怖いと悩む人もいるようです。

チームワークが必要だから

看護師の仕事は、チームワークが求められるからこそ、人間関係で悩むことも多くなるようです。特に看護師は、同僚や先輩だけでなく、医師、リハビリ担当者など多くの職種と協力して患者さんにケアを提供する必要があります。

しかし、チームの連携不足によって患者さんに効果的なケアができないと、ストレスを感じたり、コミュニケーションがうまくとれないことに悩みを抱えたりする人もいるでしょう。

どうしても相性が合わない人がいるのは仕方のないことです。しかし、看護師にはチームワークが必要な場面は多く、苦手な人とも関わらなければならないことはあります。人間関係に関わるストレスを感じる人は少なくありません。

ストレスを抱えやすい仕事だから

人間関係の悩みが多い理由には、看護師が人間関係以外にもストレスを抱えやすい仕事であることが関係しています。不規則な生活や人手不足による忙しさ、長時間の勤務など、看護師の職場環境は心身ともにストレスを抱えやすいといえるでしょう。

ストレスが高まると、感情のコントロールが難しくなり、周りの人にも悪い影響を与えかねません。その結果、対立が生まれ、職場の雰囲気が悪くなる原因をつくってしまうこともあるようです。

新人看護師が職場でよい関係を築くためのコツ5選

ここでは新人看護師が職場でよい人間関係を築くためのコツを紹介します。これらは病棟スタッフだけでなく、他部署や患者さんとの関係にも活用できるものです。入職後によい人間関係を築くために、自分ができることを頭に入れておきましょう。

自分から挨拶することを心がける

挨拶はコミュニケーションの第一歩です。同僚や患者さんには自分から挨拶しましょう。ポイントは元気に笑顔で挨拶することです。相手に伝わらないと意味がないため、少し大きな声で挨拶するとよいでしょう。

時には挨拶を返してくれない人がいるかもしれません。それでも「機嫌が悪いときはあるものだ」と気にせずに、自分から気持ちのよい挨拶することを続けてみてください。

苦手意識を持たない

苦手意識は相手に伝わるため、良好な人間関係を築く妨げになります。苦手な人がいることは仕方のないことですが、必要以上に相手に対して苦手意識を持たないようにしましょう

そして、職場の同僚や患者さんのなかに苦手だと感じる人がいるときは、できる限り相手を知ろうと心がけてみてください。話しているうちに苦手意識が薄れたり、共通点がみつかったりすることもありますよ。

価値観の違いを受け入れる

同僚でも患者さんでも、年齢や性別、育った環境などにより価値観は異なります。自分の価値観を押し付けてしまうと相手と対立しかねないので、価値観の違いを受け入れることも大切です。

また、自分の価値観に固執しすぎると、小さな出来事でもストレスを感じやすくなります。相手の価値観に合わせるべきというわけではありませんが、自分の価値観も相手の価値観も大切にしながら、その違いを受け入れてみてください。

報連相を徹底する

円滑なチームワークと良好な人間関係を築くためには、報連相の徹底が重要です。特に、自分で判断できないことが多い新人のうちは、こまめな報連相を心がけると相手からの信頼が得られやすくなります。頻繁な報連相はコミュニケーションの機会にもなるため、先輩看護師との絆を深めることにもつながります

また、患者さんと良好な関係を築くためにも報連相は大切です。ケアや検査のスケジュールなどを正確に伝えることが患者さんの安心や信頼につながり、よい関係性をつくります。意識して行っていきましょう。

はっきりと意思表示をする

職場でよい人間関係を築くためには、はっきりと意思表示することも大切です。相手を思いやる気持ちは大切ですが、相手の顔色を気にして自分の考えや思いを伝えないままでいると、お互いを尊重し、信頼し合える関係性にはなれません。

指導を受ける立場なので、新人看護師には難しいと思うかもしれませんが、指導する側としては意思表示を求めていることも多いのです。指導内容を理解できている、あるいはわからない、患者さんにどのような看護をしたいなど、自分が考えていることを言葉にして伝えるよう意識してみましょう。

人間関係に悩んだときのアドバイス

ここからは人間関係に悩んだときのアドバイスを紹介します。人間関係に悩んだら試してみてください。事前に対処法を知っておけば、人間関係のトラブルにも冷静に対処でき、悩みが大きくなるのを防げるはずです。

新人時代は特にオンオフの切り替えを意識する

精神的にリフレッシュできるよう、仕事とプライベートの切り替えを大切にしましょう。新人時代は、課題や翌日の予習に追われ、家に帰ってからもオフモードになれないかもしれません。しかし、忙しい新人時代だからこそゆっくり休む時間も大切です。

やるべきことは午前中に終わらせて午後は思い切り遊ぶなど、メリハリをつけてリフレッシュできる時間を確保しましょう

相談できる身近な人をみつけておこう

ひとりで悩んでいるとネガティブな思考になりがちです。できれば信頼できる職場の先輩や仲のよい同期など、職場内で相談できる人をみつけましょう。状況がわかっている人に相談すると、より的確なアドバイスがもらえるはずです。

悩みは人に話すだけでも心が軽くなるので、もし職場の人に相談しにくい場合は、学生時代の友だちや家族でも十分心強い味方になってくれるでしょう。

常に中立の立場でいることを心がけて

職場では常に中立の立場でいることを心がけると、人間関係のトラブルに巻き込まれることが少なくなります。特定の人の意見に流されたり、悪口への同意を求められて返事をしてしまったりすると、人間関係のトラブルの原因になりかねません。

職場の人と仲良くなることは大切ですが、ネガティブな場面では、ほかの人の意見に流されずに中立の立場でいることをおすすめします。

時には仕事と割り切ることも大切!

仕事をしていると、どうしても性格が合わない人がいるかもしれません。そのときは、相手から影響を受けすぎないようにして、仕事を的確に進めるためと割り切ることも大切です。そんなときは、自分が看護師として果たすべき役割や働く目的を思い出すと、気持ちが冷静になり、いま自分が何をすればよいかがみえてくるでしょう。

よい人間関係を築くためには自らの行動も大切!

新人看護師として新しい環境での生活がスタートすると、新たに人間関係の悩みが生まれるかもしれません。しかし、それは新人時期だけに限らず、多くの現役看護師が少なからず人間関係の悩みを抱えているものです。悩んでいるのは自分だけと思わず、他人や環境のせいだけにしないで、自らよい人間関係を築くことを意識してみましょう。
ただし、努力しても合わない人がいるときや、どうしてもつらいときは、自分を責めたりせずに、まずはそのときにできる対処法に取り組んでみてくださいね。

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