無事国家試験を終えてついに春から看護師になる皆さん。入職前は緊張や不安が高まるものですよね。自信をもって新生活をスタートさせるために、事前にしっかりと準備しましょう。今回は新人看護師さん向けに、病院入職までの期間で準備しておきたいことを解説します。
目次
入職までに準備することリスト
入職までに準備することは、以下の3点です。
仕事で使う道具や提出書類を揃えるには時間がかかります。必要なものは早めに準備しましょう。また、入職後はまず自己紹介することがほとんどです。事前に何を話すか考えておくと良いでしょう。それぞれどのような準備が必要か以下で詳しく解説します。
看護師の必需品&便利グッズ
ここでは看護師の必需品と便利グッズを紹介します。看護師が仕事で使うものを選ぶ際のポイントも解説するので参考にしてください。
看護師の必需品
まずは看護師の必需品を9つ紹介します。必需品の中には病院の共有物品として準備されているものもありますが、自分で購入したほうが使い勝手がよく、職場が変わっても使い続けられるのでおすすめです。必需品は看護師専用の通販サイトで販売されているので、ぜひ活用してみてください。
1:聴診器
聴診器は性能やメーカーの違いによって、価格がさまざまです。看護師には欠かせないアイテムなので、安さではなくしっかり聴診できるもの、自分の耳にフィットしたものを優先して選んでくださいね。また仕事のモチベーションを上げるために、好きな色を選んだりネームを入れたりするのも良いでしょう。
2:はさみ
はさみはテープやガーゼを切るのに使います。患者さんのベッドサイドで使うことが多いため、安全に使えるよう刃先ガードと紛失防止用ストラップが付いているものを選びましょう。テープが付着しにくいフッ素加工のものや、伸縮性のストラップがついているものがおすすめです。
3:ナースウォッチ
時間管理に欠かせないナースウォッチは、バイタル測定や点滴の滴下数をあわせる際に使うため、秒針タイプのものを選びましょう。腕時計は衛生上禁止されている病院が多いため、ポケットにクリップで留められるナースウォッチが無難です。暗い場所でも見やすい蓄光タイプのものや、水に濡れても壊れにくい防水タイプのものも良いでしょう。
4:タイマー付き電卓
電卓は点滴量や滴下速度の計算に、タイマーは検査出しや血糖測定など忘れてはいけない業務のお知らせに使います。看護師は持ち物が多いため、タイマーと電卓が一体型のかさばらないタイプがおすすめです。夜勤時でも使いやすいように、タイマー音が消せてバイブでお知らせしてくれるものや、文字盤が光るタイプもあります。
5:ペンライト
ペンライトは瞳孔や口腔内の観察に使います。片手で取り出してすぐに使えるノック式のものや、瞳孔計付きのタイプが便利です。落として壊れてしまうことも多いので、クリップ付きでできるだけ落としづらいもののほうが良いでしょう。
6:駆血帯
駆血帯は採血やルートキープに使います。バンドタイプとチューブタイプがあり、どちらが使いやすいかは人それぞれです。すぐに使うものではないので、入社後先輩の意見を聞いたり、共用のものを使ってみたりしたうえで購入しても良いでしょう。
7:筆記用具
筆記用具として必要なのは、油性ボールペン、油性マジック、メモ帳です。タスク管理やメモを色分けして書けるので3色ボールペンがおすすめです。マジックは、点滴のマーキングやメモに使います。ペン類は消えないように油性のもの、メモ帳はポケットに入れて持ち運べるサイズのものを選びましょう。
8:印鑑
印鑑(認印)は、書類への押印に使います。すぐ使えるようにスタンプ台が不要で、キャップレスのものがおすすめです。インクが補充できるタイプだと長く使えます。
9:バインダー
バインダーは情報収集のメモや書類の持ち運びに使います。看護師は個人情報を書いたメモや書類を取り扱う機会が多いため、カバー付きで個人情報に配慮できるものがおすすめです。付せんポケットやペンホルダー付きのバインダーも便利です。
あるといい便利グッズ
ここでは看護師が持っておくと便利なグッズを5つ紹介します。絶対必要というわけではありませんが、あると役に立つ瞬間が多いので、ぜひこちらも購入を検討してみてくださいね。
ペンケース・収納ポーチ
ペンケースや収納ポーチは必要物品を整理するのに便利です。看護師は持ち歩く物品が多く、そのままポケットに入れると散らかってしまい、必要なものが見つけづらくなります。必要物品を一式まとめるだけでポケットの中がすっきりするだけでなく、白衣を洗濯するときにも物品の入れ替えがらくになるのでおすすめです。
ナースシューズ
ナースシューズは病院から支給される場合もありますが、指定がなければ自分が履きやすいものを準備するほうがおすすめです。病棟を歩き回ったり、靴を脱いでベッドに上がったりすることもあるため、疲れにくく脱ぎ履きしやすいものを選びましょう。
カーディガン
看護師は半袖の白衣を着ることが多いため、寒い時期にはカーディガンがあると便利です。ただし病院によって色に規定があることも多いため、購入前に確認が必要です。必要な時期までに先輩看護師に聞いたうえで購入しても良いでしょう。
着圧ソックス
着圧ソックスは履くだけで足のむくみが軽減できる便利アイテムです。看護師は立ち仕事が多いため、着圧ソックスがあればむくみ防止になります。とくに足がむくみやすい人は使ってみてください。
保湿ケア用品
看護師は何度も手を洗うため、手が荒れやすくなります。また病院は空調の関係でとくに乾燥しやすいため、ハンドクリームやリップクリームなどの保湿ケアアイテムがあると重宝します。保湿ケアアイテムを選ぶときは、患者さんへの配慮を忘れずに匂いの強すぎるものは控えましょう。
必需品や便利グッズを選ぶときのポイント
仕事道具を選ぶときには、看護師ならではの視点が必要です。ここでは看護師が必需品や便利グッズを選ぶときの3つのポイントを解説します。
安全性が高いもの
安全性の高さは仕事道具を選ぶときに最優先すべきポイントです。患者さんに危険をおよぼすことがないように、落とさない、紛失しない、怪我させないものを選ぶ必要があります。刃先や先端に安全ガードがついているか、落下防止の工夫がされているか、紛失や誤嚥しそうな部品がついていないかなどをチェックしてみてください。
清潔さが保てるもの
看護師は感染症のリスクを最小限にすることが必要なので、日々の業務で使う道具を清潔に保てるかもとても大切です。消毒しやすいもの、汚れたら洗える素材のものを選びましょう。
使い勝手が良いもの
仕事の効率を上げるために、使い勝手の良い道具を選ぶのもポイントです。軽量で持ち運びしやすいものやシンプルに操作できるもの、2つの機能が一体型になっているものなど、ナースグッズはさまざまなものが販売されているため、働きながら自分が使いやすいものを見つけてみてください。
提出書類の準備
職場への提出書類は、保証人のサインが必要なものや、発行に時間がかかるものもあります。入職前にあわてないよう、早めに準備しておきましょう。
一般的に入職時に提出を求められる書類は、以下のとおりです。ただし病院によって異なるため、病院からの指示を確認し、準備してください。一般的に提出書類は入職前に案内されます。
- 内定承諾書
- 雇用契約書
- 社会保険の手続き書類
- マイナンバーの確認書類
- 誓約書
- 身元保証書
- 住民票
- 給与に関する書類(銀行口座の写しなど)
- 健康診断書
記入が必要な箇所は、黒のボールペンを使用します。書類への捺印は実印を使用する必要はありませんが、シャチハタは避けましょう。
自己紹介・面談準備
初めての職場では自己紹介をする機会が多くなります。第一印象はその後の人間関係にも影響するため、緊張せずに好印象へつながる自己紹介ができるように事前に考えておきましょう。また、病院によっては、入職後に面談が実施される場合は、配属の希望や質問事項を考えておきましょう。
ここでは自己紹介で話すこと、自己紹介するときのポイントと例文を紹介します。
自己紹介で話すこと
一般的に自己紹介で話す内容は以下のとおりです。
- 氏名
- 出身校
- 今後の抱負
- 締めの挨拶
自己紹介で話してほしい内容を提示される場合もありますが、上の4つは伝えるべき内容なので、これだけでも用意しておきましょう。
自己紹介のポイント
自己紹介で意識したいポイントは以下のとおりです。
- 大きな声でゆっくりはっきりと話す
- 顔を上げて明るい表情を意識する
- 1分以内で話せる内容にする
相手に与える印象は、話し方によっても変わります。印象良く伝えるために、上記のポイントを意識してみてください。自己紹介は長すぎず短すぎず、30秒〜1分程度で話せる内容にまとめておきましょう。
自己紹介の例文
本日より◯◯病棟に配属になりました。△△(フルネーム)と申します。◯◯看護学校出身です。
知識と技術を磨き、患者さんに信頼してもらえる看護師を目指したいと思っております。
初めてのことばかりでご迷惑をおかけすることも多いと思いますが、ご指導のほどよろしくお願いいたします。
【入職準備】よくある質問
ここからは新人看護師さんの入職準備に関するよくある質問を紹介します。
Q.必需品は入職までに必ずそろえるべき?
入職後すぐに使う筆記用具や印鑑、ナースウォッチ、バインダーは入職までにそろえておくべきです。ナースシューズも病院から支給されない場合は、入職までに必ず準備しておきましょう。
聴診器や駆血帯などが病院の共有物品として置いてある場合は、入職後に準備しても問題ありません。不安な人は、入職前に準備が必要なものを病院に確認しておきましょう。また働く病棟によって使う物品に偏りがあるため、迷う人は入職後先輩看護師に相談してみてください。
Q.白衣は自分で用意するの?
白衣はユニフォームとして病院から貸与されるところが多いようです。ただし一部の病院では、自分で白衣を準備しなければいけないところや、洗い替えが必要な人は自分で追加購入しなければいけないところもあります。
白衣を自分で準備しなければいけない場合でも、色やデザインの規定が決まっている病院もあるため、入職前に病院に確認してください。
Q.通勤ってどんな服装で行くの?
通勤時であっても、患者さんや家族に会う可能性があります。通勤スタイルは派手でなく清潔感のある服装を心がけましょう。病院によってサンダルは禁止など、ルールが決まっているところもあります。
なお初出勤の日は、多くの人との初対面の機会となるためスーツのほうが無難です。病院から私服で構わないといわれた場合でも、デニムやジャージは避けましょう。
Q.初出勤の日は昼食を持参するべき?
病院に職員食堂や売店がある場合でも、病院のことがよくわからないうちは昼食を持参したほうが安心です。お昼休憩は、職場の同期や先輩と交流できる機会でもあるため、お昼ご飯を食べながら交流を深めてみてください。
しっかり準備して入職当日を迎えよう
新人看護師に必要な入職準備は、仕事で使う必需品、提出書類、自己紹介の準備の3つです。入職後の状況は病院により違いますが、解説した3つを準備しておけば安心でしょう。しっかりと事前準備して、春から新人看護師さんとしてがんばってくださいね。
【こちらもチェック!】基礎看護技術を学ぼう
新人看護師は覚えることだらけで、ときには自己学習や復習も必要です。しかし、働きながらとなると学生のときよりも勉強時間を確保するのは難しいですよね。ナース専科では、看護技術や手技など、必要な看護知識についてわかりやすくまとめています。わからない点を効率よく調べることができるので、ぜひ活用してみてください。以下は新人看護師が知っておきたい基礎看護技術の根拠やコツなどを解説しています。ぜひチェックしてみてくださいね。