• 公開日: 2019/6/21
  • 更新日: 2019/7/16

モンスターペイシェントが怖い!患者さんとうまくコミュニケーションをとるために

モンスターペイシェント。あなたは会ったことがありますか?私は新人の頃、ナースステーションに来て杖を振り回すご高齢の患者さんに遭遇したことがあります。入職したばかりでその状況にびっくりし、ただ唖然と事態を見守るしかできなかったことをよく覚えています。

いざそんな患者さんに出会ったとき、どのように対応すればいいのでしょうか?

 

よくある患者さんとのトラブル

まずは、よくあるケースを考えてみます。

ケース1:待ち時間が長いとクレーム

最もよくある患者さんとのトラブル。それは「待ち時間が長い」という患者さんからのクレームではないでしょうか?待ち時間の長さにしびれを切らした患者さんが、何度も受付にクレームをつけたり、スタッフに文句を言ったりするケースです。

確かに診察時間の待ち時間の長さについては、患者さんに同情したくなることがありますが、だからと言って、暴力をふるったり、脅しをかけたりする行為は、やはりモンスターペイシェントですよね。

ケース2:酔っ払いの患者さん

酔った患者さんへの対応、これも難しいですよね。お酒で酔っ払った状態で外来に来て、大暴れをするというケースです。酔っぱらっていて正常に受け答えができないだけでなく、暴力まで振るう患者さんも・・・これも対応に困るケースです。

ケース3:治療に不満を持った患者さん

入院中の患者さんが、看護師を土下座させたり、恐喝行為を行ったりして、警察が介入するという事件が日本国内でも起きています。患者さんが治療に不満を感じていたり、ナースコールの対応が問題になったりして、トラブルになるケースです。そのときの経験が原因で、医療スタッフがうつ病を発症する報告もあるといいます。

 

患者さんとのトラブル対応、必要なのは・・・

一昔前は「医師=偉い人、患者=黙って医師の言う通りにする」という関係性がありましたが・・・現在は、医師も患者さんも対等です。また、インターネットの普及によって、患者さんも病気の知識を簡単に得ることができ、詳しい説明を求めることも少なくありません。

このような状況で心がけるべきことは、何でしょうか?

まずは普段のコミュニケーションを大事にする

医療者にとって、病気の人と接するのは日常ですが、患者さんにとっては、病気を患ったことは一大事。一人ひとり置かれている環境は違うので、病状だけで判断してはいけません。自分の価値観で接することは避け、常に患者さんの立場にたって、コミュニケーションを取ることが大切です。

クレーマーに出会ったら、まずは傾聴

実際にクレーマーに出会ったときには、まず傾聴することが大切だといわれています。クレームをつけるときというのは、多くの人は感情的になっています。感情的になっている人に対して反論をしたり、説得をしたりしようとするのは、火に油を注ぐようなもの。感情がエスカレートする可能性があります。

まずは相手の言いたいことをしっかりと受け止めてあげることが大事です。話を聞いてもらったということで、怒りが落ち着く人も少なくありません。

曖昧な言動はしない/会話の記録を残す

クレームを受けたとき、「患者さん本人が不快な思いをした」という点については謝罪の言葉を述べることは悪いことではありません。しかし、細かい事実関係についての言及は避けるべきです。

「上司に報告をして対応します。」「担当者に連絡させます。」今の自分ができることを述べて、後は上司に対応をお願いすればよいでしょう。念のために、あなたが患者さんとした会話の内容はできるだけ詳しくメモに残しておくようにします。

マニュアルの確認をしておく

患者さんにとって、医療側の対応に不満があれば、口に出して改善を求めるのは当たり前のことです。しかし、そのやり方に問題がある場合もあります。暴力を振るったり、暴言を吐いたりする、というケースです。身の危険を感じるときには自分の身はもちろんのこと、他の患者さんやスタッフの安全を一番に考えるべきです。

そのようなときのために、職場でのマニュアルを確認しておきましょう。セキュリティーに連絡をすればよいのか、警察をよべばよいのか、事前に知っておくと、いざという時に慌てません。

 

最悪のケースに備えて頭でシミュレーションをしておこう

対応に不満があれば患者さんはそれを口にするべきですし、医療者側はその不満を真摯に受け止め、改善できることは改善していくべきです。しかし、なかには不満を間違った形であらわす人がいます。

どのような理由があるにしても、暴力や暴言は許されるものではありません。新人看護師が、そのような患者さんに1人で立ち向かう必要は絶対にないので、職場のマニュアルを確認しておき、自分の身を守る行動がとれるようにしておきましょう。

 

この記事を書いたのは

mathy

日本でナースとして働き、長年の夢であったオーストラリア移住を夫婦で果たしました。オーストラリアで3人の子供を出産し、今はライターとして、健康記事や美容記事を中心に執筆活動しています。

 

イラスト・Ayumi-chan

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