実習生と新人ナースの大きな違いの一つ、それは医師とのコミュニケーションが発生するかどうか!親しみやすい先生がいる一方で、「どうやってコミュニケーションをとればいいのだろう?」と悩んでしまうような先生もいるのではないでしょうか。
今回は、医師とのコミュニケーションで嫌な思いをしないための方法について、考えていきます。
コミュニケーションをとりづらい先生は、こんな人!
先生とのコミュニケーションにおいて嫌な思いをしやすいシーンをいくつか紹介します。 皆さんの職場にも、こんな先生はいらっしゃいませんか?
ケース1 特定の看護師としか話をしない
お気に入りの看護師が複数名いて、その看護師以外とはコミュニケーションをとりたくない、という先生。お気に入りの看護師には自分から積極的に話しかけ、そうでない看護師に対してはたとえ挨拶をされても無視。そんな先生も、残念ながらいらっしゃいます・・・
ケース2 すぐに怒る先生
ちょっと質問しただけなのに「そんなこと、俺に聞くな!」と怒られてしまうと、それだけで落ち込んでしますよね。それと同時に、次に話しかける時「また怒られるかもしれない」という考えが頭をよぎり、話しかけにくくなってしまう先生もいますよね。
ケース3 そもそもほとんど病棟にいない
外科の場合は特に、手術や外来対応に忙しく、ほとんど病棟にいないという先生もいます。病棟へ来てくれたとしても、滞在時間がわずか数分なので、話を聞きたくてもタイミングが合わないとあっという間にいなくなってしまい、電話で聞こうとしても、先輩から「今は忙しいから、後にしたほうがいい」と言われてしまい・・・一体いつコミュニケーションをとればよいか、悩んでしまうこともあります。
先生たちとは、こうやってコミュニケーションを図ろう!
さまざまなタイプの患者さんがいるように、医師もさまざまなタイプの方がいらっしゃいます。では実際にそういった先生方とは、どういったコミュニケーションをとっていけばよいのでしょうか?そのヒントをご紹介していきましょう。
まずは先輩がどうやってコミュニケーションをとっているか、観察する
その病棟での勤務が長ければ長いほど、先輩は診療科の先生方とのコミュニケーション術に長けています。そこで、その先輩がどうやって医師たちとコミュニケーションをとっているか、まずはじっくり確認してみましょう。
そうすることで、「あの先生は、パソコン作業中に話かけても大丈夫なんだ」「あの先生は、実は意外とフランクなんだな」といった、一人では見いだせなかった先生の特徴が見つかるでしょう。 そして、それらを参考にすることで、先生から理不尽に怒られる、ということは自然となくなっていくはずです。
実際に筆者はこの方法で、先輩を見習って、ある先生に対しては言葉ではなくすべてメールで残しておくようにしたところ、きちんとコミュニケーションがとれるようになったことがありました。
あえて自分から伝えず、先輩へお願いする
これは「お気に入りの看護師としか話さない先生」に対しての方法なのですが、あえて自分から積極的にコミュニケーションをとろうとせず、まずはそのお気に入りの先輩ナースへコミュニケーションを依頼する、という手段があります。(もちろん、自分から挨拶するなど社会人として最低限のマナーを守った上で、です!)
そして、それから「なぜその看護師がお気に入りなのか」を観察すると、「先生が知りたいと思っている情報を的確に伝えている」「その診療科に対する知識と経験が豊富」など、必ずあなたにとって有益なスキルとなることが見つかるはずです。
職場以外でのコミュニケーションの場に参加してみる
多くの病棟では、歓送迎会や納涼会など、業務以外でのコミュニケーションの場があります。勤務以外の時間ですので、必ずしも参加しなければならないわけではありませんが、そういう業務以外のコミュニケーションの場に顔を出してみると、医師の意外な素顔を知ることができる場合があります。
実際に筆者には、それまで「寡黙で静か」という印象だった先生が、実はとてもおしゃべり好きだったことが分かった、という経験があります。看護師ともっと積極的にコミュニケーションをとりたいと思っていても、元々の性格が人見知り(!)のため、話しかけられなかった、という事実が判明したのです。 業務外でお会いすると、職場でのイメージとは全く違うタイプの方だった、と気づくこともあるんだと思った出来事でした。
コミュニケーションで、先生も「同僚」に
看護師同士でのコミュニケーションだけでも大変なのに、先生にまで・・・と思ってしまうかもしれませんが、一度先生と良好な関係を築けると、先生から直接その診療科についてより詳しく指導してもらえることもあります。
先生も同じ職場で働く、いわゆる「同僚」です。ぜひ先輩たちのコミュニケーション方法を学び、先生方と良好なコミュニケーションをとれるようになっていただければと思います。
この記事を書いたのは
山村 真子
看護師として働きながら、ライターの仕事もしている、アラフォーママナース。看護系以外にも、育児や病気、介護など幅広い分野の執筆を行っています。時短勤務中だが、毎日定時に帰れるはずもなく、保育園の送迎はいつもギリギリなのが最近の悩み。
イラスト・Ayumi-chan