医療機関は待ち時間が長かったり、病気による不安や不調によって患者さんやその家族から些細なことでもクレームが出ることが少なくない。
特に看護師は患者の1番身近な存在だから、クレームを直接受けることも多く、看護師をしていれば1度はクレームを経験するだろう。
そんなクレーム対応の経験を活かし、これから起こりうるクレームを未然に防いだり、早期解決するために看護師はどんな対策をしている?
患者さんやその家族などから病院や看護師に対して、
クレームが入らないように日頃対策していますか?
ナース専科調べ(2024年4月27日/有効回答数:602)
約60%のナースが日頃からクレーム対策を行いながら仕事をしており、具体的な対策はしていなくてもクレームを意識しているナースが多いことが分かった。
今や患者さんやその家族からのクレームは、看護師と切っても切り離せないことであり、対応方法も身に付けておきたいスキルの1つかも。
実際に現場のナースはどんな対応でクレームを乗り切っているのだろうか。
「平等」or「特別待遇」どちらが正解?
すべての患者さんと平等に関わる
患者によって態度をかえず接することを心がけること
スタッフ間で情報共有して、漏れのないようにして、人により対応が変わらないようにする。
過剰サービスは絶対にせず、最低限の業務以外は受けない
平等性を重んじながらも個々に注意事項がある患者さんにはスタッフ全員で共有し、優劣がつかないようにする
要注意人物には特別待遇
患者の様子を見ながら患者ごとに話し方接し方を変え理解していただくよう介入しております
患者のタイプによって、声掛けの仕方を変えたり、知らないことは正直に知らないと答え、調べて返事をするなど
クレームの患者さんもしくはその家族に対しては、出来るだけ気に障らないように、言葉を選んで対応してます。
カルテを見ればクレーマーが分かる
すべての患者さんに対して丁寧な接遇を心掛けてはいますが、トラブルになりそうな患者さんの紙カルテ表紙に、赤や黄色のシールを貼ってスタッフ間で注意喚起をしています。
事前にクレーマーの感覚があればチームに情報共有する。カスハラ・モラハラ発言はカルテに付箋を貼ったり、電子カルテ記載しておく。
カルテに、要注意人物であることがわかるよう、記号を付けています。
実際のクレーム対策
ちょっとした気遣いや礼儀が大切
待つ時間が長いようなら気にかけて声をかけます。
どんなに慣れた患者さんでも敬語は崩さない
基本的な礼儀(挨拶や日頃の言葉遣い)、働く姿勢は緩んでないか振り返りながら、気をつけるようにしています。
常に患者さん目線で 親切丁寧 時には厳しく 自ら声掛け
患者さんとの会話で気を付けていること
注意するときには、お願いベースで話して上から目線にならないようにしています
相手の話は最後まで聞いて、一旦受け入れる。
何か言われたとしても感情的にならないように深呼吸してから対応する
説明後もどの程度理解されたか確認し、追加で分かりやすく説明を加える。
ご家族への対応も慎重に
誠実に日々の業務に取り組むようにしてます。面会時など、ご家族にもお会いするときには特に気をつけます
日頃の接遇は患者さんの家族が同席していることを意識して実施している
なるべく些細な事でも家族への説明は行うよう心がけている
老人ホームの為、家族からのクレームに気を使います。ナースコールの対応が遅いだけで直ぐに家族に電話されるので、家族からは常に『何もやってくれない』という苦情に変換されてしまいます。日常のコミニュケーションを良くして、家族に電話をされないように努めています。
円滑な人間関係が気付けていれば問題なし
普段から良い人間関係を築くようにしています。
まずは良好なコミュニケーションときちんと説明することが大切。クレームになる前に解決していく。
リーダーとして、患者全員に挨拶をする。スタッフから患者から訴えがあれば聞くようにする。しっかりと解決できるように話し合いを行う。何よりも相手を寄り添うような態度でせっする。
謝り方の正解は?
何かあれば上司に報告、相手が悪くてもひたすら謝る
何かあったときは時間をおかずに謝罪に出向く
明らかにこちらの非でなければ、謝罪はしないようにしている。
一人で解決しようとしない
小さなことでも気になることがあったら上司に報告する
なんでも即答しない。確認します、と統一する
気難しそうな人がいたら二人で訪室するようにする。
クレームがありそうな患者、その家族には、外来担当看護師やMSWと情報を共有し師長など管理者か担当者を決めて対応している。
過去から学ぶ
これまでのクレームを共有、対策することで同じクレームが出ないようにする。
訴訟事例集はまめに読んでます!
うるさそうな患者は事前に前記録を読み込んでおく
イラスト・まえかわしお