看護師が対象とする患者さんは大きく急性期・慢性期・回復期に分類されることが多い。
病棟もそれに応じて分けられていて、患者さんの状態が違ってくればもちろん看護も変わってくる。
では、急性期・慢性期・回復期で看護師の働き方はどんな違いが出てくるのだろう?そして、自分に合った看護とは?
急性期・慢性期で働くメリット・デメリット
ナース専科調べ(有効回答数:199)
これまでの自分の看護師歴から、急性期or慢性期(回復期も含む)どちらを専門としているかと問われると、若干急性期が多いよう。
両方を経験しているナースもいれば、自分に合った看護を見つけて長年どちらか一筋で働くナースも。
長いナース人生だから、自分に合った看護や職場を見つけてみては?
急性期のメリット
急性期ならではな喜び
急性期は回復が目に見えたり出来るのでやりがいがあります。
ケアしたことがよかったのか、改善が必要なのかが比較的すぐに患者さんに現れるので、ケアのしがいがあります。
急性期で命の危険から回避できるような関わりが出来ることが嬉しい。
患者さんとじっくりかかわる時間はわずかですが、急性期だからこそ患者さんの思いに寄り添えるよう努力して、それが実った時の喜びは、急性期でしか味わえないと思います。
知識や技術が身に付く
救急で働くと急変対応やアセスメント能力が身につくので楽しい
クリティカル領域でしか学べないことも多く、常に自己研鑽に励むことができる
素早い判断とか、自分の力量が試されるのが楽しい
こんなナースには急性期がピッタリ!
性格的にせっかちなので、急性期の方があっている。展開が速い方がやりやすい。
変化があり入院から退院まで短期間なのが自分には合っていたと思う。
リスクもありますが緊張感がありピリッとして合っていました
急性期のデメリット
ワークライフバランスを保つのが大変
残業が多く、ワークライフバランスを保つ難しさはある。
急変が多く、処置も多い。定時に帰れない。
ずっと緊張した状態で勤務するため仕事後もなかなかオフにできない
メンタルが強くないと…
重症度が高い患者さんを担当するのが怖いです。
日々回復される姿を見られるのは励みになりました。反面、無力さを痛感することも多かったです。
緊急入院が多く忙しかったり臨機応変な対応を求められることが多々あり、大変だった。
慢性期のメリット
余裕を持って看護できる
自分はゆっくり丁寧に関わりたいから
急かされたり、正確な手技を要求されることが少ないので、自分のペースで自分に合ったやり方でできることが多い。
時間に余裕がありインシデントがおこりにくい
患者さんへの関わりが豊富
1対1で関わることができ患者様側もこちらも満足のできる充実した時間を過ごしていると感じております。
コミュニケーションを取りながら、個別性のある援助・指導ができるので。
在宅看護では利用者さんとリハビリや病状観察、処置などをご本人と話しながら行え、また他職種とも情報交換ができとてもやりがいがあると思う
難病患者がほとんどを占めているので、リピーターが多く、看護を通してその人の人生に関わらせて貰っている気がする。
患者さんとの付き合いが長くなることが多く、家族も含めた看護ができると感じることが多いため。
プライベートも充実できる
ある程度決まった仕事内容と勤務シフトでプライベートと線引きできるのが慢性期のメリット
急な入院がないので時間で帰れて仕事と家庭の両立ができるのがメリットだと思います。
こんな人には慢性期がピッタリ!
自分のペースがゆっくりなので、慢性期のベースが合っていると思います。
急性期病棟からの異動だった為、ゆったりした環境、刺激のない業務が合わない。
患者の生活に結び付いた看護を考える事の方が自分には向いている。
慢性期のデメリット
経験や技術習得には限界があるかも
状態変化もあまり無い為採血やルートキープなどの基本的な看護技術は上がるどころか低下した
新人から慢性期にいくと、経験が積めないから急変の時に困る。
関わる疾患や処置は限られるので長く務めると、急性期には戻れない。
イラスト・まえかわしお