インタビュー伊藤玲子
東名厚木病院 看護部長
互いに思いやりをもつことが心のこもった看護につながる
──看護部の理念が新しくなったそうですが。
伊藤 看護部長就任時に「心のこもった看護」を理念に掲げました。これを実現するためには何が必要か──それは「思いやり」です。
患者さんはもちろん、同僚、先輩、後輩、上司、部下……他職種も含めた周囲の人々に対し、思いやりをもつことが大切。それがお互いを理解し合うことにつながります。
私が当院に来たとき一番に感じたのは、職種の壁を超たえチームワークの良さ。ナースがベッドサイドケアをしっかり行えるよう、リハスタッフや薬剤師など各職種がフォローする様子に驚きを覚えました。
このように、当院にはすでにお互いを思いやる土台がある。これをさらに意識することで、もっともっと支え合うことができると確信しています。
──新人教育でも「思いやり」はキーワードになりますか?
伊藤 新人に限りませんが、スタッフには優しさをもったナースになってほしい。忙しく、精神的にも葛藤を抱えがちな仕事だからこそ、人間関係はカギになってきます。
思いやりのない関係は、看護そのものまでつらいものにしてしまう。そうならないよう、看護課長や主任など、上司や先輩が、個々のスタッフと会話を持ち、理解を深める機会を多く設けています。
新人の場合には、入職後定期的に面談を行い、プリセプター以外にも教育担当や看護課長が目を配れる体制を作っています。
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