看護師が転職する際、病院の面接でよく聞かれるのが、看護師になった理由・前職の退職理由・志望理由。この3つの質問を明確に答えることができれば、自分の希望する職場に一歩近づくはずです。しかし、転職をするにあたって、まだ若いと面接の経験が少なく、質問に答えられるか不安な方も沢山いらっしゃるのではないでしょうか?
この記事では、転職を決意したものの、転職に対して不安を抱える若手看護師に向けて、面接で聞かれるであろう3つの理由に対しどう答えればいいのか、各質問に答える際に必要になる大前提の意識からちょっとしたテクニックまでを紹介していきます!
実際に求職者と面接官の会話でよくあるGOODの例とBADの例を比較して、どう答えれば良いのかを明確にしていきましょう。
1.どう答える?看護師になった理由
若手の看護師であれば必ずと言っていいほど聞かれるのが看護師になった理由。
どのような内容で、どのような答え方を意識すれば良いのでしょうか?
パターン1 お金の場合
- 面接官:看護師になった理由を教えてください。
- 看護師:お金が沢山もらえるからです。
皆さんもお分かりかもしれませんが、お金がもらえることが理由だとストレートに伝える事は、面接官に対して良い印象を与えません。そうすると、お金が目的で看護師を目指した方はどのように答えれば良いのでしょう?
- 面接官:看護師になった理由を教えてください。
- 看護師:手に職をつけて長く働きたいと考えていたからです。
こういう答え方にする事でストレートにお金と答える場合に比べて、悪い印象が少し和らぎます。この後病院によっては、それってお金って事?と質問が飛んでくることがありますが、その場合は、生活するためにはお金が必要だと考えていますという温度感で答え/れば良いでしょう。
パターン2 過去の経験が影響している場合
- 面接官:看護師になった理由を教えてください。
- 看護師:昔から看護師さんを見る機会が多くて良いなと思っていたからです。
看護師に憧れていたのならば、もっと憧れていた理由を具体的に話せるようにしましょう。
何が良いのかが分からないと、面接官からするとあなたが就職後に頑張っている姿を想像できません。
- 面接官:看護師になった理由を教えてください。
- 看護師:辛い思いをしている患者さんを笑顔にしたいと思っていたからです。子供の頃に、入院していた祖父が、いつも担当の看護師さんに勇気づけられているのを見て、私もあの看護師さんのように患者さんを笑顔にしたいと思いました。
経験から感じたことを具体的に伝えることが出来た場合、あなたは看護師として頑張れる人だなという印象を面接官が抱きやすくなります。
2. どう答える?前職の退職理由
新卒の場合と違って、転職だとよく聞かれるのが前職の退職理由。中々答えにくい理由の方も多いのではないでしょうか?正直に答えてしまうのは先ほどのお金の話と同様NGです。どんな答え方が面接官から評価してもらえるのか、二つのパターンに分けて一緒に見ていきましょう。
パターン1 前の職場が嫌で辞めた場合
- 面接官:前の職場を辞めた理由を教えてください。
- 看護師:先輩や同僚が嫌いだったからです。
思ったことを正直に答えて、面接官に対して悪印象を与えてしまう典型例です。この理由をオブラートに包みながら、うまく面接官に伝える必要があります。果たしてどのような伝え方が良いのでしょう?GOODを見てみましょう。
- 面接官:前の職場を辞めた理由を教えてください。
- 看護師:前の職場では看護師同士のコミュニケーションの機会が少なく、業務に関しては個人に委ねられることが多い傾向にありました。しかし、私は元々チームとして医療に取り組みたいという想いがあったため、その理想を叶えられる職場で働くために辞める事にしました。
相手を批判するのではなく、合わなかった理由を明確にして、それを論理的に伝える事を意識しましょう。上の例であれば、自分の理想がチームであるのに対し、前職は個人に委ねる環境であったため、チームとして医療が出来る職場を求めて前職を辞めたという事が伝わります。周囲に対する批判はなく、かつ筋の通った説明ができています。
パターン2 体調を崩してしまった場合
- 面接官:前の職場を辞めた理由を教えてください。
- 看護師:ハードワークに耐えられず、体調を崩してしまったからです。
この伝え方だと、前職の環境が体調を崩してしまった原因であると考えているように受け取られてしまう懸念があります。また、体調不良はどうしても業務に支障をきたしてしまうのではないかという印象を持たれてしまいます。うまく伝えるためにはどういった伝え方をすれば良いのでしょう。GOODを見てみましょう。
- 面接官:前の職場を辞めた理由を教えてください。
- 看護師:体調を崩してしまい、このままでは職場に迷惑を掛けてしまうという懸念があったため辞める事にしました。
この伝え方であれば、前職に対して敬意を示した形になるため、他者への気遣いが出来る人だという印象を与える事が出来るでしょう。体調不良に関しては、もし現在の状態が良好なのであれば、この回答の後に、「しかし、現在は体調も良くなりまして、業務に支障をきたすことはありません」と付け加えておくと良いでしょう。
3. どう答える?志望理由
最後の理由は志望理由です。まず前提として志望している職場によって伝えるべき内容が異なります。自分の中で、志望している職場のどこに魅力を感じたのかを明確にして、それを伝える事が志望理由を伝える上での第一歩になります。具体的に見ていきましょう。
パターン1 自宅からの距離が近い場合
- 面接官:志望理由を教えてください。
- 看護師:自宅からの距離が近く通いやすいからです。
この理由では、近くにある他の施設に行っても変わらないのではと思われてしまい、落ちる可能性が出てきます。もし自宅から近いことが1番の要因だったとしても、その職場を選ぶ理由は他にもあるはずです。他の職場と差別化を図る事が出来る理由を話しましょう。もし話すとしても他の理由に加える形で、「貴院は通勤しやすいので、長期的に働けると考えました」程度に留めておきましょう。
- 面接官:志望理由を教えてください。
- 看護師:地域の中で最も医療設備が整っており、重症患者であっても受け入れることが出来る貴院で働くことで、少しでも多くの患者様の命を救い、地域に貢献したいという想いが強いからです。
自宅から近いこと以外で、医療設備が整っていることで、重症患者でも救うことが出来るという点が他の職場との差別化ポイントであった場合の回答です。自身の成し遂げたいことが、ここでなければできないという事が伝えられています。このように伝えることが出来れば、面接官も疑問を抱きにくくなるでしょう。
パターン2 理念に共感している場合
- 面接官:志望理由を教えてください。
- 看護師:貴院の理念に共感したからです
これでは取ってつけたような理由になってしまい、理念のどこに魅力を感じたのかが全く分かりません。理念に惹かれた具体的な理由を伝えましょう。
先日貴院に通院した際、私に対するスタッフの接し方に感銘を受け、自身の理想とする、「患者様がここを選んで良かったなと思ってもらえるような看護」に近づくことが出来る環境ではないかと考え、志望しました。
理念が患者中心の医療というものだった場合の例です。理念への共感を、経験談を交えて説明しているため、面接官からすると共感に関する説得力が増します。
4. 最後に
これまで、面接で聞かれる3つの理由に関して対策方法をまとめてきました。特に大事な事は、3つの理由にあなたの共通した価値観や考えが存在している事です。自分の中で大事な価値観・考えが見つけられれば、理想の働き方を実現するのに一歩近づくことが出来るでしょう。
ここまで、自分自身をしっかりと伝える方法を見てきましたが、そもそも自分に合った職場が見つけられなければ、自分に合った職場への就職は実現しません。
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