• 公開日: 2019/12/23
  • 更新日: 2020/1/15

看護師の「仕事に行きたくない」は心のSOS!症状が出たときはどうすればいい?

「明日も仕事か・・・」と、仕事のことを考えると憂鬱な気持ちになる、というのは珍しいことではありません。しかし、それがどんどん悪化してしまうと、身体的に、そして精神的にも大変な状況になりかねません。そこで今回は、看護師の「仕事に行きたくない」がもつ意味について、考えていきたいと思います。

 

こんな症状が出たら要注意!

「仕事に行きたくない」と思うと同時に、こんな症状は出ていませんか?症状別に軽度・中等度・重度に分けてご紹介します。

出現しやすい軽度の症状

以下の症状は仕事に対するストレスを強く感じることで出現しやすい症状です。「これくらいなら誰だってある」「症状が出るのは、自分の頑張りが足りないからだ」と症状に対して対処しないでいると、中等度・重度へ移行してしまう可能性があるため、注意が必要です。

  1. 仕事前日から「明日もまた仕事だ」と考え、憂鬱になる
  2. 仕事のことを考えると、胃痛や腹痛を感じる
  3. 最近、肌が荒れやすくなった・・・など

中等度の症状

軽度の症状が出現しているにもかかわらず、特に治療や対策をせずに放置してしまうと、以下のような症状が出現してしまいます。

  1. 休みの日はすぐに起き上がれるのに、仕事の日はなかなか起きることができない
  2. 休みの日に頭痛や腹痛など体調不良が出現する
  3. 便秘と下痢を繰り返している・・・など

中等度の場合は、楽しみにしていたはずの休日に症状が出現してしまい、休日も満足に過ごせない状態となってしまいます。そしてそれがまた新たなストレスとなり、より重度の症状が出現しやすくなっています。

重度の症状

症状が重度となると、以下のような症状が出現しやすくなります。

  1. 仕事、休みどちらにも関わらず、やる気が起きずぼーっとしてしまう
  2. ダイエットをしているつもりはないのに、1ヶ月あたり1キロ以上自然に痩せている
  3. 突然動機や息切れを感じることがある・・・など

これらの症状は、これからご紹介する病気の中でも重度に分類されるものとなるため、すぐに適切な治療が必要な状況といえます。

なお、今回ご紹介したこれらの症状はすべての方に当てはまるわけではありません。 軽度に分類されていても実際には重度となっているケースもありますので、これらの症状が出たら、どの分類であっても要注意として捉えていただけたらと思います。

 

これらの症状は、こんな病気かも・・・

これらの症状が出た場合、以下のような病気が考えられます。

自律神経の乱れ

仕事へのストレスから来る症状が出たとき、まず疑いたいのが「自律神経の乱れ」です。 看護師として働く方の中には「そもそも自律神経失調症は公式な病名ではないし、病名がつかない場合に言われるもの」「高齢者がなりやすい病気であり、若いうちは関係ない」と思っている方がいるかもしれません。

しかし、長時間労働や夜勤も珍しくない看護師は、気がつかないうちにストレスをためこんでしまい、「心身症自律神経失調症」や「抗うつ型自律神経失調症」を発症してしまうことがあります。自律神経が乱れやすい方の特徴はこのようなものがあります。

  1. 日常生活のストレスを無理に抑える方
  2. 几帳面で完璧主義の方
  3. 自分の身体の不調に敏感な方
  4. 周囲のことへ過敏に反応してしまう方

もしこれらの特徴に当てはまる場合は、「自分は自律神経が乱れやすいタイプだ」と自覚していただき、これらの症状が出た場合には意識して身体を休めたり、ストレス軽減に努めたりして、対策を講じてください。

うつ状態・うつ病

自分では全く気がついていないけれど、周囲から見ると正常な状態ではないこと。それがうつ状態・うつ病の状態です。休日にもかかわらず気分が晴れず、ぼーっとしてしまったり、趣味や好きなことも楽しめなかったりという状況は、うつ病の主な症状である「憂うつ」状態であるといえます。うつ病は休息が何よりの治療法となる他、早期に治療を始めることが早い回復に欠かせません。

厚生労働省では、サイトで3~5分程度で行える職場でのストレスチェックを公開しています。自分の心の疲労度を測れるため、ぜひ一度お試しください。

3分でできるストレスチェック
5分でできるストレスチェック

 

まずは自分自身を大切にしよう

心のSOSが強い人ほど、逆に「周りの人に迷惑をかけられないから」と無理して働き続けてしまうケースが多いようです。でも、無理をすればするほど後々周囲に、そして何より自分自身に負担となってしまいます。今回ご紹介したような症状が出た場合は、自分がなぜそういった状況になってしまっているのかを振り返り、浮き彫りになった問題を解決することが大切だと考えます。自分自身を大切にできない人が、他者である患者さんや周囲の人を大切にはできません。ぜひご自身を大切にするという意味でも、心のSOSに対しては敏感に捉えていただけたらと思います。

 

参考文献

自律神経失調症を乗り切ろう|一般財団法人 脳神経疾患研究所 所属 総合南東北病院
わかりやすい病気のはなしシリーズ19 自律神経失調症|一般社団法人 日本臨床内科医会
うつ病とは|心の耳|厚生労働省

この記事を書いたのは

山村 真子 看護師として働きながら、ライターの仕事もしている、アラフォーママナース。看護系以外にも、育児や病気、介護など幅広い分野の執筆を行っています。時短勤務中だが、毎日定時に帰れるはずもなく、保育園の送迎はいつもギリギリなのが最近の悩み。

イラスト・k.nakano

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