• 公開日: 2019/10/30
  • 更新日: 2020/1/14

看護師の面接 長所と短所の正しい伝え方

「あなたと長所と短所を教えてください」という質問は、採用面接でよくある質問の一つです。

この質問へ、看護師としてどのように対応すれば、面接官へ良い印象を与えることができるでしょうか?今回は、面接で自分のよい部分を効果的にアピールする方法について、ご紹介します。

 

長所と短所を面接で聞くのはなぜ?

面接で求職者の長所と短所を聞くのはどんな理由からでしょうか?それには以下のような面接官側の「狙い」があるからなんです。

自分を客観視・分析できているか

自分自身のことになると、よくわからないという人もいるかもしれませんが、仕事へ取り組むときやトラブルへ対処するときに、どのような傾向があるかを考えると見えてきます。そのようにして客観的に自分を分析することは、物事の課題や本質を冷静に判断できる人であると評価できます。また、短所も素直に認めて努力できる人かどうかを見極めたいという意図もあります。

自分の短所は、嫌な部分、ダメな部分であるため、目をそむけたくなるかもしれません。しかし、長所や短所として挙げた点そのものではなく、その自分の性格にどう対処しているかを見ることで、求職者の性格を確認したいという狙いもあり、面接官はあえてこういった質問を行っているのです。

職場と合うかどうか

看護師の職場は、働く人や診療科によって雰囲気は全く違います。そのため、求職者の長所と短所を尋ねることで、その人の強みや得意なことが職場に合う人かどうかを見極めたいと思っています。

例えば「明るくだれとでも話せます」という長所があった場合、「じゃあ、うちの開放的な雰囲気にも溶け込むことができるな」と面接官にも好印象を与えることもありますが、落ち着いた雰囲気の職場の場合は、「うちの職場には合わない」と判断されるかもしれません。このように、「この人は職場に合う人かどうか」ということをイメージし、長所・短所を聞く理由のひとつとなります。

長所はこんなふうにアピールしよう!

職場に合う人材かどうかを判断する材料として重要視される、長所と短所。では、長所はどのようにアピールするのが効果的でしょうか?その例を2つご紹介します。

人と接することが好き→協調性がある

看護師は、常に様々な人と接します。だからこそ、「人と接することが好き」というのは、看護師に向いている性格であるともいえます。

だからこそ、その性格を長所として「協調性がある」としてアピールしましょう。患者さんや看護師同士はもちろんのこと、医師や看護助手などの他職種とも協調性があるということは、「職場に来ても周囲と協力しながら仕事ができるな」と思ってもらえるため、面接官にとっても魅力的に写るでしょう。

時間はきっちり守る→時間内に仕事を終えることができる

常に時間を気にして、時間通りに仕事を終わらせることができるということは、採用者としても、とても心強い長所といえます。

最近は特に残業時間を減らし、スタッフが働きやすい環境を整備することが求められているため、「時間はきっちり守る」という長所のある方は、ぜひそこをアピールするとよいと思います。

 

短所はどのように伝える?

長所だけでなく、短所についても同様に伝えなくてはいけません。ここでは、短所を伝える方法としておさえた方がいいポイントについて紹介します。

面接官が不安を覚えるような短所は避ける

いくら自分にとって短所だと思っていても、それを包み隠さず正直に伝えることは避けましょう。

例えば、「時間を守れない」「協調性がない」というような職場で確実にNGである短所を伝えてしまうと、「就職後、無断欠勤などをしてしまうのではないか」「周囲とコミュニケーションがとれず、病棟全体へ悪い影響を与えてしまうのではないか」と面接官が不安を覚えてしまう可能性があります。そのため、たとえ自分の短所だと思っていても、それを正直に伝えるということは避けましょう。

短所を改善するために、どのような努力をしているか

短所を伝える時にもう一つ気をつけたいこと、それは「改善するためにしている努力」を伝えることです。例えば、「焦りやすい」という短所がある場合、自分の中で「なぜ焦るのか」を振り返り、「焦る原因を無くす」ようにするなど、努力している点についても伝えられるようにします。

面接時には「私はすぐ焦ってしまうという短所があります。そのため、なぜ焦ってしまうのかをその都度自分で振り返り、焦る原因を無くしていくことで、焦るという短所を克服していけたらと思っています」というように同時に解決策も伝えるようにすると良いでしょう。

短所と長所は表裏一体

自分では短所であると思っていることも、別の面からみるとアピールできるよい点である場合もあります。例えば、神経質という短所に対し、それは几帳面である、と言い換えることもできます。また、計画性がないということは行動力があるとも言えます。

このように、長所と短所は表裏一体であることも多いので、短所を言い換えてみてください。職場で求められている人物像をふまえた上で、特に職場で生かせる性格であることを面接官にアピールできるとよいでしょう。

 

面接官に「期待」してもらおう

面接で不安を与えるような性格をアピールすることは採用そのものにも影響を及ぼしかねません。そのため、長所、短所ともに職場に合いそうなポイントを一つずつ挙げるといいと思います。

大切なのは「この人を採用したい」「うちの職場で長く活躍してくれそうだ」と期待してもらうことです。ぜひ皆さんも自分の短所は「最低限」に、自分の長所は「期待してもらえるアピールのひとつ」として多いに活用していただけたらと思います。

この記事を書いたのは

山村 真子 看護師として働きながら、ライターの仕事もしている、アラフォーママナース。看護系以外にも、育児や病気、介護など幅広い分野の執筆を行っています。時短勤務中だが、毎日定時に帰れるはずもなく、保育園の送迎はいつもギリギリなのが最近の悩み。

イラスト・k.nakano

他の記事も読む

関連記事