採用試験で、「何か質問ありますか?」と逆質問を受けたことはありませんか?この逆質問には採用側の意図もあり、面接の中でも重要なポイントとなります。「逆質問」について、どのような質問をするとよいのかを考えていきましょう。
「何か質問ありますか?」という逆質問をするわけ
面接では、面接官からの質問をこちらが回答するというのが一般的です。ではなぜあえて、面接官から逆に質問をするのでしょうか?それには、こんな狙いがあるからなんです。
この面接にどれくらい意欲があるかをみるため
転職活動するにあたり、多くの方が複数の職場の面接を受けると思います。そのことは面接官も把握しているからこそ、「どれくらい意欲があるか」を図るために、逆質問をします。
そして、逆質問の内容によっては「この人は全然準備していないな」「この病院はあくまで滑り止めとして受験したんだろうな」と悪い印象を与えてしまいかねないため、逆質問は特に注意が必要です。
コミュニケーション能力があるかを確認するため
逆質問では、面接を受ける側が質問内容を考え、初対面である面接官に質問をしなければいけません。面接の一貫ですから、もちろん相手が不快になるような質問をしてはいけません。
また、社会人として最低限のマナーができているかどうか、言葉遣いにも注意しなければいけません。このように逆質問は、求職者がきちんとした応対ができるかどうか、意思疎通がスムーズに行える人物であるかどうかを測る意図でも行われます。
どれだけその職場について事前に知っているかを把握するため
逆質問をする際には、「すでにパンフレット等に書かれていること」「説明会で説明したこと」などを質問することは最も避けたいことです。
そのため、逆質問をすることで、どれだけその職場について事前に調べて準備してきたかをはかり、職場に合う人かどうか見極めるためにも行われています。逆質問の内容に、求職者の考えや職場を選ぶポイントなどが表れるため、入職後のミスマッチを防ぐ意味でも重要な質問なのです。
こんな質問は好印象!
ではここからは、好印象を与える質問について、いくつかの例をご紹介しましょう。
良い例「地域包括ケアについて、力を入れていると伺いました。病棟ではどのような取り組みをされているのでしょうか?」
この質問は、「その病院が地域包括ケアに力を入れている」ことを知っている上で、「病棟での具体的な取り組み」について尋ねています。
この質問によって「病院について事前に知っているよ」というアピールをすることができます。特に近年は地域包括ケアについて取り組みを強化している職場が多いため、より詳細にケア内容について触れられると、より良い評価が得られるでしょう。
良い例「将来的に結婚を考えているのですが、育休・産休後の復帰率はどれくらいですか?」
女性にとって気になるのが「育休・産休」です。育休後に育児と仕事の両立が難しく退職してしまう方もいる中、どれくらいの復帰率かを尋ねることで、「長くこの職場で働きたい」というアピールをし、「この人は育休後も働こうという意志があるんだ」と面接官へ好印象を持ってもらえます。
良い例「将来〇〇の資格を取得したいと考えているのですが、〇〇の資格を持っている職員はどれくらいいらっしゃいますか?」
看護師にプラスして資格の取得を検討していることをアピールするとともに、「その資格を職場で生かして働きたい」という前向きな気持ちや向上心を評価してもらうことができます。
資格取得について支援する制度を設けている職場の場合は、特にこういった資格を前面に出した逆質問をすると、良い印象を持たれるでしょう。
こんな内容の質問はNG!
「特にありません」は印象が悪い
逆質問に対し「なにもありません」という答えも、転職への意欲が感じられません。また、準備しておいても、逆質問に至る前に面接のやりとりの中で答えがでてしまうことも考えられるため、3~5つの質問を準備しておくとよいでしょう。
休日や残業、福利厚生のことばかりを聞く
面接の時点ですでに「休みたい」という思いを全面に押し出してしまっています。そのため、面接官に「もう休むことを聞くの?」というマイナスな印象を与えてしまいます。
またこういったお休みのこと以外にも、「残業はどれくらいあるのですか?」「この遊園地も割引になるんですか?」といった待遇に関する質問ばかりするのも待遇にしか興味のない人という印象を与え、良い評価につながらない恐れがあります。休日や福利厚生は転職時に気になるポイントではありますが、逆質問では避けたほうが良いでしょう。
YES,NOで答えられる質問は避けよう
YesやNoで答えることができる質問では、その質問の後に話が広がりません。面接では会話のキャッチボールでコミュニケーション力などを見ていることもあるため、話が終わってしまうような質問は避けた方が良いでしょう。
またそのほかにも、「病院の将来性はどうですか?」といった漠然とした質問も面接官が答えに困るため、面接時の逆質問としてはふさわしくありません。
面接のための準備は確実に!
看護師さんの中には「私は話すのが得意だから、別に面接の用意なんてしなくて良い」と考えている方がいると思います。しかし、面接官はたくさんの面接をしている、いわば面接のプロです。そのため、準備をせずに本番を迎えている場合はこういった質問から、すぐに準備不足が露呈してしまいます。
逆質問は、面接において自分のアピールができる最後のチャンスです。就職したいという気持ちが強い転職先であればあるほど、ぜひ今回ご紹介した内容を踏まえた上で、面接の準備をしっかりして、本番に臨んでいただけたらと思います。
この記事を書いたのは
山村 真子 看護師として働きながら、ライターの仕事もしている、アラフォーママナース。看護系以外にも、育児や病気、介護など幅広い分野の執筆を行っています。時短勤務中だが、毎日定時に帰れるはずもなく、保育園の送迎はいつもギリギリなのが最近の悩み。
イラスト・k.nakano