• 公開日: 2019/10/16

看護師のストレス原因とは?健康な看護師でいるためのストレス対策!

看護師は、様々な場面でやりがいを感じられる反面、ストレスの多い仕事です。過剰なストレスは万病の元であり、離職の大きな原因となりますが、せっかく志した看護の仕事ですから、健康で長く続けていきたいですよね。

そのためには、ストレスから自分の身を守ることが大切です。今回は、看護師が抱えるストレスの内容と対策について考えてみたいと思います。

 

看護師に多いストレスとは?

看護師が抱えやすいストレスとはどのようなものでしょうか。筆者も経験しましたが、複雑な人間関係の中で多忙な日常業務に追われ、それによって余暇時間が十分にとれないという状況に苦しむことが多いようです。

業務量が多く、予定通りに進まない

看護師の業務は、患者さんのケアだけではなく、必要書類の作成・他職種との調整・カンファレンスなど、多岐にわたります。さらに、委員会・研究・新人指導なども課せられると、残業なしで勤務を終えるのは難しいのが現実です。

このような業務量の多さに加えて、患者さんの病状が変化する・緊急入院があるなど、予定通りに仕事を進められない(コントロールができない)ということも、ストレスを高める要因だといえます。

ミスが許されない緊張感

看護師は人命を預かるため、仕事中は常に緊張を強いられます。特に夜勤では、受け持ち患者さんの数が増え、人手が足りない状況の中で、何かあったときにきちんと対応できるのかという不安も大きくなります。

業務量の多さや交代勤務によって疲れた体に、ミスが許されないという大きなプレッシャーがかかるのですから、そのストレスは相当なものです。

幅広く複雑な人間関係

看護師は、患者さんとその家族をはじめとして他の看護師、医師や薬剤師などの他職種と、幅広くやりとりする必要があります。

それだけでも労力のいることですが、中には対応が難しい相手がいて、ストレスが倍増することもあるでしょう。要求が多い患者さん、威圧的な上司、いつも不機嫌な先輩、教えても響かない後輩、対等に話し合えない医師など。苦手な相手とも距離を置きにくいのが辛いところです。

ワークライフバランスがとれない

残業が多く勤務後は直帰して寝るだけ、多忙な業務に疲れ果てて休日は寝て終わり、委員会や病棟会のために休日出勤…。

このような状況でプライベートも充実している看護師は、どの位いるのでしょうか。結婚や出産などでライフスタイルが変化した場合にも、夜勤の免除や時短勤務を選ぶと仕事の内容や給与の面で満足できない、という状況に陥ることがあります。「この働き方でいいのか?いつまで続けるのか?」と自問していませんか?

 

看護師がストレスを軽減するための方法

看護師が抱えるストレスの原因には、人命を預かる責任やどうしても必要な人間関係など、完全に除去することはできないものもあります。ですが、ストレスと上手くつきあえば、心身の健康を維持できます。主なストレス対策をご紹介しますので、実践できそうなものを試してみてください。

働き方を見直す

多忙でコントロールが効かない業務を改善し、ストレッサーに直接アプローチする方法です。まずは、勤務中の行動計画を立てましょう。それによって業務の中でどこが改善ポイントなのかが明らかになります。

また、行動計画を立てるときにおすすめなのは、患者さんとも相談することです。患者さんに自分の行動計画を伝えることは、無理のない範囲でスケジュール調整に協力してもらえることにつながります。そして、自分一人では手に負えない業務量になっている場合には、他の看護師に応援を依頼しましょう。「大変だから」ではなく「患者さんの安全を守れないかもしれないから」という理由なのですから、遠慮なく伝え合うことが大切です。

このような工夫をしても業務量が多すぎる、ワークライフバランスが取れないという場合は、異動や転職を検討するのも一案です。環境が変わることでストレスが軽減することは珍しくありません。

誰かに話す

「話す」は「離す・放す」ことだといわれるように、誰かに話をきいてもらうことはストレスを軽くします。このときに大切なのは、話す相手の選び方です。自分の話を否定したり意見を述べたりせずにただきいてくれる人、話したことをその場限りにしてくれる口の堅い人を選びましょう。

またそれとは別に、苦手な相手と話す機会をあえて増やすことで、関係性がよくなる場合もあります。

とにかく体を休ませる

疲労はストレスを増大させます。疲労を解消する唯一の方法は、睡眠です。なるべく長く質のよい睡眠を確保しましょう。

これは、夜勤をしている看護師ではなかなか難しいことかもしれません。ですが、夜勤中に15分程度仮眠する、夜勤明けはサングラスや帽子を使ってできるだけ日光を浴びないようにする、夜勤明けはなるべく早く寝て15時までには起きる、眠気がなくても暗い場所で横になって目を閉じるなど、睡眠不足を補うための方法は多くあります。

睡眠不足を仕方がないことだと諦めずに、自分に合った眠り方を探してほしいと思います。

仕事を忘れる時間をつくる

何かに熱中し、ストレッサーから離れてそのことを考えないようにする時間をつくることも有効です。趣味や恋愛、副業など何でもいいので、仕事中とは別の自分でいられる環境を大切にするのがよいでしょう。ですが筆者の経験上、時間とコストがかかるものは長続きしにくいように思います。手軽にできる気分転換方法をなるべく多く用意しておくのがよいかもしれませんね。

 

ストレスを無視せず自分を大切に!

看護師の仕事にはストレスが多くて当たり前、と諦めていませんか?自分を犠牲にする働き方は長く続けられません。

患者さんにするのと同じように、ストレスを感じている自分をしっかりとケアして、健康な看護師であり続けてほしいと思います。

この記事を書いたのは

美沢 藍 総合病院看護師・大学院進学・看護大学教員を経て、現在は育児をしながらライターとして活動中。複数のジョブチェンジを経験して感じているのは、看護師の働き方には様々な選択肢があること、自分に合った道を追求する大切さ。

イラスト・ミキ

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