• 公開日: 2019/9/25
  • 更新日: 2020/1/14

看護師の役割とは?看護師はどんな存在であるべき?

看護師の仕事、それは「医師の補助および療養上の世話」です。しかし、実際に働いていると「看護師の役割っていったい何?」「これも看護師としての仕事なの?」と思ってしまうことも少なくありません。そこで今回は、「看護師の役割」について、考えていきたいと思います。

 

看護師の役割がわからなくなるとき

「これも看護師の仕事?」と思ってしまうのは、次のような場面ではないでしょうか?

医師や患者から高圧的な態度をとられた時

医師の補助および療養上の世話、とはいっても、医師とは本来「チーム医療の一員」同士として対等であり、協働する関係です。患者さんに対しても「療養上の世話」は仕事ですが、生活すべてのお世話をするのが仕事ではありません。

それなのに、医師から「看護師のくせに」と言われたり、患者さんから「看護師なんだからやってよ」と本来自分でできることまで頼まれたりしてしまうと、イライラしてしまうとともに、「なんでそんな態度をとられなくてはいけないのだろう」と、看護師としてどうしたらよいのか考えてしまいます。

事務作業で残業している時

看護師の仕事は、患者さんの治療のサポートだけではありません。実際に働くと、患者さんや家族の情報の記録、看護計画の立案、入退院関連の書類に関することなどたくさんの書類仕事があります。

患者さんの対応に追われ、終業時間が過ぎてからやっとパソコンに向かって入力をする、なんていうことも珍しくありません。「あれ?私って患者さんとか人と関わる仕事がしたくて、看護師になったんじゃなかったっけ?なんでこんな事務作業をしているんだろう?」と、看護師の本来の役割を見失いそうになってしまいます。

他部署のミスも最終的には看護師責任になってしまう時

病院では、様々な部署が患者さんのために動いています。しかし、お薬でも検査でも、最終的にチェックするのは患者さんと接する機会が圧倒的に多い看護師であり、それ故に他部署のミスであっても最終的に看護師が責任を負うことが、少なくありません。

薬のダブルチェックや検査時の禁飲食の管理など、看護師がチェックしなければいけない項目は多く、いずれも看護師のチェックが甘いと看護師責任のミスとなってしまいます。本来なら、各部署でチェックを徹底して責任を持つはずが、「最終的に看護師が責任を負うのはおかしくないか?」という思いを抱き、理不尽さがぬぐえません。

 

看護師として、どんな存在であるべきか

看護師の本来の役割は何か、そう言われた時、皆さんはどう回答するでしょうか?看護師として働く中で、筆者は以下のように考えます。

患者さんから必要とされる存在

患者さんにとって、一番身近である医療職が看護師です。だからこそ、患者さんから精神的にも「必要とされる存在である」ことが、大切だと考えます。

療養生活の中で、「看護師さんがいてくれたから頑張れた」「あのとき、こうしてくれたから、辛さが半減したよ」というように、看護師がいることで患者さんが安心して治療できたんだと分かったとき、看護師の本来の役割を見いだせるように感じます。

医療チームの一員として

看護師として働く職場のほとんどは、チームで動いています。そのため、特定の看護師しか対応ができない患者さんが出てしまう状況は、患者さんにとって良くありません。すべての看護師が、どの患者さんに対しても質の高い看護を提供できる体制であることが大切です。そのため、医療チームの一員として、他のスタッフと連携をとらなければなりません。

「先輩が怖くて、なかなか話せない」「あの後輩は性格が合わないから話したくない」という考えは、最終的に患者さんへ迷惑をかけてしまうこともあります。 「チームの一員として、自分はどうするべきか」を考えることもまた、看護師の役割のひとつといえます。

常に「患者さん第一」で動く

どんなに先輩や周囲から叱責されても、患者さんが「看護師」として認めてくれれば、看護師として働くことができます。だからこそ、患者さんのためにひとつでも「役立てている」と考えることが大切だと考えます。

「患者さん第一」とは、常に優しく、というわけではありません。時には患者さんにとって耳の痛いことも指導しなくてはいけませんが、それはアセスメントの元、「患者さんのために」行うことです。「常に患者さん第一で動く」こと、これが最終的に看護師の役割につながると思います。

 

看護師の役割について悩むのは、それだけ看護師という仕事が大好きな証拠

看護師の仕事は、様々なタイプの方とともに仕事をするため、いろいろな看護観があって悩むことも多い仕事だと思います。

でも、「看護師の役割ってなんだろう」と悩みながら患者さんの心身に寄り添い、療養のサポートをしていくなかで、どうすべきかを模索していけばよいと思います。そうすることで、自分なりの答えを導き出すことができると、より看護師としてのやりがいを見いだすことができるはずです。

この記事を書いたのは

山村 真子 看護師として働きながら、ライターの仕事もしている、アラフォーママナース。看護系以外にも、育児や病気、介護など幅広い分野の執筆を行っています。時短勤務中だが、毎日定時に帰れるはずもなく、保育園の送迎はいつもギリギリなのが最近の悩み。

イラスト・BUFFALO-PEKO

関連記事