• 公開日: 2019/7/5
  • 更新日: 2019/7/16

毎日の振り返り、どう書いたらいいの?

多くの新人ナースが、就職後しばらく毎日行っていること、それが「一日の振り返り」だと思います。疲れている中、毎日振り返りを記載して先輩へ提出するというのは、地味に大変な作業ですよね。

そこで今回は、日々多くの新人ナースを苦しめているであろう「一日の振り返り」について、ご紹介していきましょう。

 

毎日の振り返り、特にここが大変!

一日の振り返り、何がそんなに大変なのでしょうか。まずはその点から整理してみましょう。

ケース1 毎日同じようなことの繰り返し。書く内容が思いつかない!

新人ナースが一人で行える看護業務は、まだまだ限られています。最初のうちは、ほとんどの業務において、先輩ナースのチェックがなければ、行うことはできません。その結果、ほぼ見学だけで終わってしまった日は「何をネタに書けば良いの?」と頭を抱えてしまいます。

ケース2 その日その日によって指導内容が違う

担当のプリセプターが決まっていても、実際にはその先輩ナースと毎回スケジュールを合わせることはできません。その結果、毎日違う先輩ナースの指導を受けている、という方は多いと思います。

すると「A先輩はこう振り返ったほうがいい、と言っていたのに、B先輩からはなんでこうしていないんだ、と叱責された」ということも起きてしまいます。それぞれの先輩ナースがそれぞれの考えの元、指導をしているため、指導の内容に一貫性がなく、それが新人ナースへの「負担」となって襲いかかってきているのです。

ケース3 通常業務で精一杯なのに、振り返りという「記録」を追加でしなくてはいけない

新人とはいえ、1人の看護師として業務を行うということは、大きな責任が常に伴っています。そうして日々心身ともに気を張って仕事をした後、通常の記録に加えてさらに「振り返り」というもう一つの「記録」をしなくてはいけない、というのは精神的にもかなり辛い作業といえます。

 

指導役は振り返りのココを見ている!

日々悩む「振り返り」。ですが、その解決のヒントは、先輩ナースが「どこに注目して振り返りを見ているか」を知ることにあります。そこで今回は、新人&学生指導経験のある筆者が、日々の振り返りをチェックする上で注目していた点をご紹介します。

ポイント1 振り返りは「学んだことをこれからの看護にどう生かしたいか」まで掘り下げる

振り返りを見ていると「〇〇だと学びました。」で終わってしまっているケースがよくあります。でも実は指導者としては「学んだことを、どう生かしていくか」という点に注目しています。

例えば、全身清拭について振り返りをした場合、「羞恥心に配慮しながら行うことが大切だと学びました」で終わるのではなく、「次回からは声かけの際の声のトーンやカーテンがきちっと閉まっているかも確認しながら、行っていきたいと思います」など、具体的にどういった点に気をつけていきたいかを記載できると、「自分自身のこととして、きちんと振り返りができている」という評価につながるはずです。

またこの時に、「誰に指導してもらったか」を記載することで、指導役へさりげなく「A先輩の指導とB先輩の指導で違う指摘をされている」ということを伝えることもできます。

ポイント2 「自分が行った内容」ではなく、「なぜ自分は今日、これを行ったのか」を考えられている

振り返りを書くとき、つい「その日1日、自分がどういうことをしたか」という点に注目しがちです。しかしそうではなく、「自分はなぜ、今日これを行ったのだろう」と考え方を変えることで、振り返りの内容が濃くなります。

同じ手術室見学だったとしても、「今日は〇〇のオペと、××のオペを見学しました」という内容と、「今日は△△について学ぶために〇〇のオペ、□□について学ぶために××のオペを見学しました」とした方が、先輩側としても「そうか、これについて学ぼうと考えていたのか」と内容がすんなり入りやすく、また理解もしやすくなります。

最後に「次回はコレコレについて学びたいです」と書いておけば、「そうか、コレコレを学びたいのならば、こう調整してあげよう」と先輩も理解しやすく、「この子にはコレの他に、アレも教えてあげよう」と思ってくれるはずです。

ポイント3 振り返りを自分のアピール場所と考えてみよう!

振り返りは、「記録がもう一つ増えてしまうようなものだから、大変だ」「やりたくないな」と「嫌々ながらやっている人」と「積極的にやろうとしている人」の差がはっきり出てしまいます。嫌々ながら、の人は同じことを繰り返し書くことで、とりあえずスペースを埋めようと考えているのが伝わってしまいます。

一方、積極的にやろうとしている人は振り返りのみならず、「次回はもっとこうしてみたい」「今度はこれをやってみたい」というアピール場所としても有効に使っています。そのため、振り返りを「面倒くさいもの」と認識せず、むしろ将来ににつなげるための「自分をアピールできるチャンスの場所」として捉えてみるのはどうでしょうか?

自分をどうアピールしたいか、今後はどうしていきたいか、それを考えて振り返りをすることで、面倒だと思っていた気持ちが前向きに変わって、少し楽になると思います。

 

日々の振り返りで、先輩たちを自分に振り向かせよう!

振り返りは、誰もが通る道です。筆者自身、今こうして考えなおすと「新人のとき、振り返りにこんなことを書いておけばよかった」と反省しきりです・・・だからこそ、皆さんはぜひ今回ご紹介したポイントを押さえてみてくださいね!

 

この記事を書いたのは

山村 真子

看護師として働きながら、ライターの仕事もしている、アラフォーママナース。看護系以外にも、育児や病気、介護など幅広い分野の執筆を行っています。時短勤務中だが、毎日定時に帰れるはずもなく、保育園の送迎はいつもギリギリなのが最近の悩み。

 

イラスト・k.nakano

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