長々と話が終わらない患者さん、対応が難しいですよね。情報は収集しなければなりませんし、どんな話でも無碍にすることもできません。一方で時間は有限!こっちは暇じゃないんだから・・・と言いたくなってしまうこともあると思います。
ナースとしての私自身の経験や、ベテランナースから教えてもらった方法を紹介します!これを知っていると、話の長い患者さんも怖くなくなる・・・はず!
よくある話の長い患者さん
ケース1:常に内容が脱線
「結局、言いたいことは何?」常に話にまとまりがない人、いますよね。最初に話していたのは〇〇についてのはずなのに、話が脱線してしまい、全然関係のない話にとんで、挙句の果てには違う問題にすり替わって・・・
そんな相手と話すときは大変。論点が定まらず、とにかく次から次へと話が止まりません。上手に切り上げることができないと、なかなか部屋からは出られなくなります。
ケース2:時系列でしか物事を話せない
自分に起きたことを、時系列で順番に話をする人、いませんか?大事な話に到達するまでが長く、なかなか問題点にたどり着けないのです。
「夜に眠れないのが辛い」ということを、「夜ごはんに〇〇を食べて、それから・・・」といった形で事細かに時系列で話し始められてしまうと、患者さんが困っていることを聞きだすのに時間がかかってしまいます。
ケース3:構ってほしい
寂しいと感じている人、時間を持て余している人も話が長くなる傾向にあります。特に高齢者に多いかもしれません。この場合は、話し相手が欲しいパターンです。相手が誰ということはあまり考えていないので、同じ話を何度も何度も繰り返す傾向が強く、こちらが話の続きを話せることも少なくありません。
話の長い原因を考えたうえで対策を
この患者さんはどのケースなのかを、まずは考える必要があります。そのうえで、次のような対策を講じるとうまくいくと思います。
時系列で話してしまう患者さんの場合→話の主導権は自分で持つ
話の要点をまとめることができない患者さんの場合、相手に話の主導権を握らせるのではなく、こちらから先に質問を投げることが大事です。
患者さんの看護計画における見逃せないポイントについて先に質問をするのです。「〇〇の痛みはありませんか?」「どのようなお通じがでましたか?」などと話を始めることで、患者さんはその質問に答えなくてはいけなくなります。
それでも話が広がっていってしまうことはよくあります。そんなときには、話の途中でこちらが要点をまとめるようにします。「なるほど、痛みはあるけど、今のところは我慢できないほどというわけではないのですね」と内容を確認することで、脱線を防ぐことができます。
構ってほしい患者さんの場合→傾聴することが最短の時も
心に問題を抱えていることで話が長くなる患者さんの場合、きちんと傾聴をしてあげなければ、問題がエスカレートしたり、違う問題を作ったりすることになりかねません。患者さんの抱えている問題が、たいしたことではなくても、否定をしないように気をつけます。
「〇〇が辛いのですね」「△△で困っているのですね」と状況を認めてあげてください。おうむ返しのように言葉を返すだけでも、患者さんは話を聞いてくれていると、安心することもあります。ときに、ゆっくり話を聞いてあげることが最短であることもあるのです。
話が脱線する患者さんの場合→タイマーの活用
患者さんのわがままで、どうしても上手に切り上げることができないという場合、事前にタイマーをセットしておくという奥の手もあります。
15分や20分と、それ以上部屋にいては他の仕事に支障が出るという時間にタイマーをセットします。患者さんも、患者は自分一人ではないことを思い出すので、文句は言いません。何時までに帰ってこなかったらナースコールで呼び出してもらうというのも方法です。
「他の患者さんの薬の時間なので・・・」と別の仕事に取り掛からなければいけないことを伝えると、理解してもらえます。「時間があるときに続きを聞かせてくださいね」といっておくと、気分を損ねる方はほとんどおられませんよ。
話が長い患者さんをうまくかわすことができたらナースとして1歩前進
「あれも、これも仕事が残っているのに・・・」そんなときに限って、話が長くなる患者さんに捕まってイライラすることもありますよね。そんな患者さんに不満を抱かせることなく、部屋を後にすることができたら、ずいぶんと仕事に集中ができるはずです。ただイライラするのではなく、話が長くなる原因や患者さんのタイプを探って、適切な対策を立てるようにしましょう。
この記事を書いたのは
mathy
日本でナースとして働き、長年の夢であったオーストラリア移住を夫婦で果たしました。オーストラリアで3人の子供を出産し、今はライターとして、健康記事や美容記事を中心に執筆活動しています。
イラスト・Ayumi-chan