• 公開日: 2019/6/19
  • 更新日: 2019/7/16

精神科、透析、手術室・・・自分の配属先が「特殊な環境」で気になります

看護師の職場というと、まず思い浮かぶのは病棟ではないかと思います。そのため、新人ナースで病棟へ配属されなかった場合、「なんで自分はこんな特殊な環境へ配属されたのだろう」と感じてしまうでのはないでしょうか。そこで今回は、病棟以外へ配属された場合のサバイバル術について、考えていきたいと思います。

 

こんな職場に、なぜ?新人で配属されたのは・・・

病棟以外で配属されたケースのうち、特に新人さんから戸惑う声がよく聞かれるのは、以下のような所属先だった場合です。

ケース1 手術室

手術室の場合、基本的に日勤のみである他、担当する診療科も多岐にわたります。入室後すぐに全身麻酔をかけるケースが多く、病棟での看護内容との違いから「手術室のままだったら、病棟で働くことは難しくなってしまうかも」と不安になるという話をよく聞きます。

ケース2 透析室

手術室と同様に特殊な看護環境といえるのが、透析室です。夜勤は基本的にありませんし、入院患者さんの他に外来で通院している患者さんを看護対象とすることもあります。

また、透析を受ける患者さんはほぼ固定しているため、透析歴10年以上の患者さんの方が自分より詳しく、逆に指導を受けてしまうなんてことも・・・

ケース3 精神科

精神科の場合は、診療科の一つなので病棟勤務ではあります。しかし、その他の診療科でよく行われるような看護技術は少ない代わりに、患者さん一人ひとりとのコミュニケーション力が求められます。

「まずは看護技術について学びたい」と思っていればいるほど、精神科を希望して配属されていない限り「特殊な環境」であることが気になってしまうと聞きます。

 

特殊な環境だからこそ、強みに変えよう!

しかし・・・これらの職場を経験することは、将来のあなたにとって絶対にプラスになります。その理由をそれぞれご紹介します。

「手術室出身」は重宝されること請け合い!

実は、病棟勤務の人にとって手術室は「未知の領域」。「どういった手術手順なんだろう」「手術中はどういった点に気をつけているのだろう」と、病棟看護師は知りたいことがたくさんある分、手術室出身のナースが同じ職場にいることは心強く、質問したいことがたくさんあります。

特にその思いが強いのが、ICU。実際に筆者が遭遇したケースでは、新卒で手術室へ配属されたナースがICUへ異動となったことで、「術前から術中、術直後までの流れを把握できる」のを強みに、先輩ナースからも一目おかれる存在になっていました。

また手術室ナースの魅力の一つに「土日は緊急以外基本お休み」「夜勤も少ない」という好条件で働くことができる、という点があげられます。手術室の経験が1度でもあると、転職時にも手術室へ配属されやすいため、ワークライフバランスを保ちながら働くことができます。新卒で手術室へ配属されることは、将来的にとても有利であるといえるでしょう。

透析の知識と技術は、全診療科でプラスとなる

透析について大まかに理解しているものの、「透析中の看護」まで理解しているナースは少ないのが現状です。よって透析室で働いた経験があると、腎臓内科はもちろんのこと、循環器や内分泌科などにおいて、透析の知識と技術を生かすことができます。

また、シャントへの針刺し技術は、点滴など多くの看護師が苦手とする一連の看護技術において、必ず役に立つはずです。病院勤務以外にも、近年透析クリニックは増加傾向にあります。そのため、病院での勤務条件が厳しくなったとしても、透析の知識と経験があれば、好条件でクリニックへの転職も可能となります。

精神科勤務だからこそ得られる、精神科疾患への理解

実は新卒時代、筆者自身が精神科専門領域に勤務していました。確かに他の病棟と比べ、日頃行う看護技術は少なかったのですが、代わりに今の職場でも役に立っていることがあります。

それは、精神疾患を持つ方への対応力です。病院に限らず、社会ではさまざまな精神疾患を持つ方が暮らしています。新卒時代にそういった精神疾患の方の看護を学ぶことで、たとえ他領域で看護を行うことになっても、精神疾患を持つ患者さんに対して自然と対応策について考え、実行することができました。それは、精神科以外の配属であれば身につけられなかったスキルだと思います。

 

特殊な環境で働いたからこそのメリットを存分に生かそう!

「この診療科に行ってしまったら、希望のこの診療科へはもう無理かもしれない」・・・と悲観的になる必要は全くありません!“看護”という意味では、どの診療科でも同じ領域。だからこそ、無駄な経験は一つもない、と自信を持ってお伝えできます。「自分は特殊な環境だから」と考えるのではなく、ぜひその特殊な環境で働いたことをメリットとして捉えていただけたら嬉しいです。

 

この記事を書いたのは

山村 真子

看護師として働きながら、ライターの仕事もしている、アラフォーママナース。看護系以外にも、育児や病気、介護など幅広い分野の執筆を行っています。時短勤務中だが、毎日定時に帰れるはずもなく、保育園の送迎はいつもギリギリなのが最近の悩み。

 

イラスト・k.nakano

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