看護業界を変えたい!立ち上がった一人のナース
まずは、こちらの動画をご覧ください。
この動画を作ったのは、看護師として働くユナさん。
看護業界の内情を多くの人に知ってほしい。
看護師が働きやすい環境に変えたい。
そんな思いを抱えていたときに見た、お笑い芸人のせやろがいおじさんにインスピレーションを受け、直接本人にアポを取り動画を作成したそうです。
SNSで「看護師」と検索をかけると「看護師 辞めたい」が1番に上がって来る時代。悲しいけど、これが現実。
そう語るユナさん。
実際にSNSでは、職場環境に不満を持っていたり、今の自分の働き方に疑問を感じている多くの看護師のつぶやきが見受けられます。
- ブラックな労働環境
- スタッフの心と体が疲弊
- 行き届かない新人教育
- 止まることがない離職率
- 慢性的なスタッフ不足
止まらない負の連鎖。
「動画を通して、看護師業界を取り巻く実情を多くの人に知ってもらい、少しでも業界を変えるための手助けになれば嬉しい」とユナさんは話します。
激務で体調を崩した過去
華やかに見えるユナさんですが、新人看護師時代は苦労の連続だったといいます。
新卒で大学病院に就職し、消化器・呼吸器・血管・乳腺などを扱うバリバリの外科に配属。 忙しい病棟でしたが、看護師の仕事が好きでやりがいも感じていました。
しかし、職場は慢性的なスタッフ不足。 過剰勤務をこなしていく中、疲労やストレスで眠れなくなり、全身蕁麻疹に悩まされるように。しかも、20cmほどの円形脱毛症にもなりました(これでも治りかけ)。
半年間治療しても広がり続けるハゲ、止まらない蕁麻疹。 それでも職場には黙って、仕事を続けていましたが、尊敬している先輩から「最近、様子がおかしい。医療ミス起こしそう」と言われます。
そこでようやく自らの身体の異変を告白。先輩から休むよう言われ、休職について管理職に相談したところ、痛烈な言葉を投げかけられます。
患者の命を守るのが仕事でしょ、あなたに休まれたら患者を守れない。 あなたそれでも看護師?みんな大変なの、私がストレスでハゲそう!もっと頑張らないとだめよ!
「あぁ、そっか。看護師って自分の身をボロボロにしてでも患者をお守りしないといけないのか」
「私が頑張らなかったからいけなかったのか」
それからユナさんは、不眠、食欲不振になり、メニエール病を発症。最終的には適応障害にまでなりました。
満身創痍のユナさんを救ってくれたのは、同期の看護師や職場の先輩たち。
「おかしいのはあなたじゃない、管理職だよ」その言葉で我に返り、ボロボロになりながらもなんとか休職することができ、実家に帰ることに。
しかし、休職中もこうなってしまった自分を責めてしまったり、仕事のことを考えてしまい、思うように休めません。 そんなとき、母親から「貯金を使い切ってきなさい」と言われます。
さらに通院先の精神科の医師からは、「今のあなたの仕事は好きなことをすること。早く戻ろうと思わなくていいので、とにかく好きなことだけしてください」と言われ、思い切って海外旅行に行くことにしました。
そして、数カ国を巡る旅を続けていくうちに、ユナさんは徐々に元気を取り戻していったようです。
「看護師」と「好きなこと」に挑戦し続ける
現在のユナさんは、美容クリニックや予防医療について企業セミナーの講師、学生時代から続けてきたダンスなど、さまざまな仕事を受け持ち活躍しています。
気付いちゃったんだけどね、
— ユナ@看護師+αの働き方💉 (@YoonA_partydoll) May 14, 2019
やっぱりわたし美容は自分を綺麗に保つ(社割で)&予防医学の入り口としての1つの手段であって全然興味がないんだなぁってこと。
人を綺麗にすることにあまり喜びを感じないみたい。
予防医学を学び、健康を提供できるところで働きたい。
遺伝子、再生医療が好きだ…
「わたしの人生、病院で働いて終わる看護師では終わらせないぞ!」看護学生の頃から、こう秘めていたユナさん。今後は、自身の活動を通して以下の目標を掲げているそうです。
- おかしな「ダイエット法」の撲滅
- 健康意識が高い人に向けたウェルネス事業
- 予防医療の普及
- ダンサーとして海外のステージに立つ
- 看護業界を働きやすくする
私を通して伝えたい事。
— ユナ@看護師+αの働き方💉 (@YoonA_partydoll) September 20, 2018
【看護師という夢へのチケット(国家資格)を最大限に利用して、明日死んでも後悔しない人生を】
私は看護師の仕事が大好きだ。
でも踊るはもっと好き。それに加えて家族・大切な人を大事にしたい。
20代のうちに色んな国に行きたい。
雇われない働き方で、選択肢を広げたい。
看護師やダンスなど、「好きなこと」と生きる姿はかっこいいですね。
自ら掲げる「看護師+αの働き方」で、健康や予防医療の活動、そして看護業界を変えたいと活動を広げていくユナさん。今後の活動に注目です。
この記事を書いたのは
sin.cos.tan
臨床の場を病棟から日常に移した17年目の看護師です。急性期から終末期、訪問看護まで一通り経験しています。 趣味は読書。看護師仲間から聞いた話を私見で散文にします。