Lown分類
読み方:ろーんぶんるい
Lown分類とは
PVCの重症度評価に広く用いられている分類。Grade 1~5までに分類されており、数字が大きくなるほど重症度が高くなる。
Lownらによって虚血性心疾患症例の突然死の結果をもとに、心室性期外収縮(PVC)の重症度を出現数、出現様式によってつくられた。
心室期外収縮の重症度分類(Lown 分類)grade | 期外収縮の性質・特徴 |
---|---|
0 | 期外収縮なし |
1 | 散発性(30/時間未満) |
2 | 多発性(30/時間以上) |
3 | 多形成 |
4a | 2連発 |
4b | 3連発以上 |
5 | R on T |
一般的に、Grade3以上の場合に治療が必要とされている。
また、Grade4aや4bは期外収縮が連発し、「ショートラン」と呼ばれており、場合によっては「心室頻拍」という致死性の不整脈を誘発することもある。
Grade5のRonT型の心室性期外収縮でも、「心室細動」という致死性の不整脈を誘発する危険性が高いと言われている。
一方でこんな意見も
Lown分類には限界がある?
Lown分類は、現在もPVCの重症度評価に広く用いられ、臨床の現場で広く活用されている。
しかし本来、心筋梗塞急性期の心室細動への移行の危険性から出発した分類であるため、さまざまな心疾患、心機能患者すべてに当てはめるには限界があるとも言われている。
なかには、最も重要なのは症状の有無とその程度であって、CCU、あるいは重症心疾患例以外では役立たない*などの意見もある。
その理由と時代背景
1960年代後半、CCU導入当時に、急性心筋梗塞による心室細動の発生予知に使われていた。
grade II 以上のPVCが発生した場合、リドカインの適応となっていた。しかし、現在ではこの指針も使われていない。
そのため動悸、胸部不快感、胸痛等の有無と程度、さらには、過去の失神発作の有無。また、安静時に多いのか運動時に出るか等は、治療法を決める上でも重要である。