看護師の人員不足や働き方についてはいつの時代も問題視され、現場の看護師の不安要素に上げられてきた。
しかし、これからの看護界はさらに超高齢化や人口減少など、世の中の課題が如実に反映されてくる可能性が高く不安は膨れ上がる一方かも。
看護業界が抱える問題を、実際に働く看護師目線で考えてみよう。
これからの看護業界への不安
ナース専科調べ(2023年9月23日/有効回答数:689)
8割以上の多くのナースが看護業界への不安を抱いているという悲しい結果に…
相変わらずな人員不足による不安が大きな割合を占めているけど、日本の人口減少やナースの高齢化、新人教育など不安要素はかなり多いよう。
今まさに感じている不安だけでなく、これからの看護業界を脅かす不安とは ?
これからの看護業界に不安がある
何よりも人員不足で不安…
人員不足による1人あたりの業務負担が大きいことが不安に感じる。
スタッフが不足し忙しくなる分、スタッフ全体的にピリついてしまう。
病棟に勤務する看護師の人数が少なく、充分な看護ケアが行えないだけでなく、事故発生のリスクもある
人員不足なのに、専門性が求められナースの仕事量が増えている。
それなのに、給与は少なくナースの仕事は負担が大きいと感じる
休職・退職の増加が深刻
スタッフ不足で環境が悪く退職者ばかりが増える
強いストレスの中で働いているにも関わらず充分な休みが取れず、心身ともに病んでしまい、休職や退職に追い込まれる人が絶えないため。
本来の看護師業務ができていない現状
ベッドサイドに行く時間より電子カルテに向かっている時間が増加している
医療も他職種で支えあって行く時代で看護師でなくてはならない仕事が少なくなってくると思う。
病院機能評価などで、重箱の隅をつつくような記録ばかり求められ、さらにタスクシフトの名のもとに今まで以上に多くの役割を担わなければならなくなることで、看護師が本来の仕事以外に時間をとられることが多くなり、やりがいをもって誇りをもって仕事ができなくなるのではないかと思う。
患者さんの超高齢化問題
認知症高齢者が増えすぎていること。
それに対応するスタッフの疲弊と人手不足も加わり、これまでの方法では対応の限界が現場では起きていること。
一般病棟であるはずの病棟でオペの患者に混じり、高齢者の社会的入院が増え続けている為ベッドは常に満床である。本来の入院を受け入れられない事が多々ある状況に不安を感じる。経済的に施設への入所困難な層が、レスパイト目的に近い入退院を繰り返しているが、そのあたりに関して、別の受け皿がないと、看護師も介護に追われて本来の看護が不十分になっている現状にとても不安を感じている。
ナースの高齢化問題も
定年が近くなってきてまだ働きたいが、体力的に限界か。移乗介助とかできなくなってきてる。リフトやロボットなどもっと設備をもっと整えて欲しいです。腰を壊さず長く働ける環境を作ってくれると人手不足もまだ改善するのでは。
訪問看護師に若い看護師がいないため、スタッフの平均年齢が上昇している。身体的負担が大きく、体力に不安がある
高齢化に伴い働き手が減少する事が予想できる。すると、必然的に看護師不足が待っている。更に看護師の専門性を追求すると業務量は増え、辞める人も多くなり、人手不足に拍車がかかる
人口減少に伴う看護師不足と働く場所がない未来!?
看護師はそんなにいらないと思う。今はどんどん高齢者施設が建っているが、団塊の世代をピークに人口は減少していき、今度は病院や施設が減っていく。そうなると働く口がなくなる。
徐々に患者の数が減ってくるきがする。それに伴って看護師の必要数も減る。
少子化に伴い慢性的な人手不足に拍車がかかる事。それに伴う労働環境の悪化、慢性的な疲労によるうつ発症等の悪循環。
キャリアや専門的資格取得への不安
上の人達の負担を見ていると、キャリアアップしていこうという気が起きない。
専門看護師など、人員不足の中、研修に参加できる環境にある人のみ資格を取れ、実際に現場で頑張っている看護師が収入や身分の保証などの面で置き去りになる
専門性が高まり、ただ看護師資格を取っただけでは生き残ることが難しそうだから
看護学校は今後どうなる?
看護教員です。看護師を目指して入学されると思うのですが、卒業する頃には数年後違う職種で働くことを考えている人が多くなってるなと思います。奨学金の返済が終わるころを目安にしているようで、中堅や経験豊富な看護師が少なくなっていくんだろうな思います。
看護師のレベルアップのため全て大学教育に変更し給与をあげていくことが必要と思います。
看護系大学の乱立と、それに伴う教員不足。また大学が増えるにつれ、看護学が学問ではなく、看護師の養成講座(技術習得と国試対策)としての位置付けになっていっていることへの不安。
世の中と逆行するナースの給料
物価が上がっているにも関わらず、診療報酬はそれに追随しない。
一般企業でインフレ手当が出ているという話を聞くが、私の勤務先では医療資材代、光熱費代高騰のためボーナスカットされた。
診療報酬の減額が続くことによる収入減
世の中は時給も上がっているのに、看護師の給与は時給にしたら私が入職した30年前とほとんど変わっていない。医療が高度化されて私たちもそれに合わせて大変になっているのに、待遇だけは昔のままでは働き甲斐がない。ますます敬遠される
人材育成の難しさ
人手不足と若い世代の働き方が、職場への帰属意識が低くすぐに転職したがる傾向にあるため、人材育成が難しい
若者の離職率高く、仕事量増えているのに、管理職はさらなる仕事を提示しベテランは疲弊している
看護師を増やすために、新人の看護師の質が落ちてきている感じがする。
若い人材が美容など病院離れが激しく将来が不安
看護師=自己犠牲
自己犠牲が当然という意識がはびこっている
時間内でできることをするのが仕事、という意識がもう少し浸透しても良いと思う
慢性的な人員不足、残業が当たり前、年休消化率の悪さ、自己研鑽といって時間外の院内研修や自己負担での外部研修、評価されない自己犠牲で成り立っている。
自己犠牲が患者さんのため、看護師としてのあり方、など時代と逆行した考え方がまかり通っているから
これからの看護業界に不安はない
スタッフが少ないのはどこも一緒
スタッフの慢性的な不足は今始まった事ではないので目の前の仕事をしっかりするだけ。
スタッフ不足はどの業界も同じ
いない中で負担なく事故なくケアが行える方法を考えればよい
慢性的な人手不足は解消されてはいないが、皆で工夫し利用者に支障がないように業務できている。
「看護師」という職業はなくならないだろう
資格があれば働き場所はあると思う
職業として仕事が無くなる事はない。
AIが発達して、将来的に必要なくなる職業があると聞いたが、看護師はなくならないとおもうから。
自分の目で見定めることが大切
環境の悪い職場はあるが、必ず自分に合った職場はあるから、自分がしっかり見定めていけばいいと思う。
仕事は一生なくなるものではないし、人手不足ということは働き側とすれば売り手市場となるわけだからより良い環境の職場を選ぶことができると思うから
イラスト・まえかわしお