患者さんは病院や自宅で長い時間生活しているのだから、患者さんのベッドサイドには私物があることが当然。
破損のリスクを説明していても、患者さんにとって必要なものであれば私物ありきで日常生活の援助をしなければならない。
ただ、注意していても起きてしまう不測の事態。たくさんの経験談からリスクマネジメントを考えよう。
患者さんの私物を破損した経験
ナース専科調べ(2022年8月13日/有効回答数:610)
実際に破損させてしまった経験のあるナースは2割程度。コップや時計など少額な私物の破損が多く、自費での弁償も少なくないよう。
ヒヤッとした経験があるナースも合わせると6割以上で、常に注意が必要だということは明白。
患者さんの私物の破損で新たな仕事が増えないよう、日常業務の中でみんなどんな工夫しているの?
破損したことがある
ごめんなさい!こんなもの壊してしまいました・・・
CDラジカセのコードに足が引っかかって床頭台から落として一部破損したため、患者さんと家族に謝罪し、弁償しなくて良いと言われましたが同じ商品を弁償しました。
訪問看護で入浴介助かたずけ中、浴室扉に物が倒れ扉破損した
夜勤の時、患者さんに氷枕を持って行ったら暗い部屋でパソコンのコードに引っかかってしまいパソコンを落下させてしまった。幸いパソコンの保証期間内だったので何もお咎めはなかった。
絶対に代えのきかない特別な湯呑みを割ってしまった。
オーバーテーブル上にあるものは要注意!!
オーバーデーブルに置いてあった電波時計を食事の時にオーバーデーブルを動かした際に落とした。画面が割れて破損して、病院側で同じものを購入して弁償した。
引き戸タイプのテーブルの上に置いてあったスマホを、ベッドサイドに行った際にテーブルが動いてしまい、スマホが落ちて画面が破損した。
オーバーテーブルを動かしたときに花瓶を落として割ってしまった。
オーバーテーブルの端っこにあったスノードームが、テーブルを動かした振動で落ちた。
義歯は意外ともろい…
入れ歯を磨いてたらパキと折れました。謝罪して弁償をすることを伝えたのですが、かかり付けの歯医者さんが無料で治してくれて何事も無く終わりました。
患者さんの義歯を洗浄中、手が滑って落とし割ってしまった。
入れ歯、古いもので劣化しており水流で割れた。新しいものもあったけど使い勝手が良くて古いのを使い続けていたらしい。それを機に新しい方の入れ歯を使い始めてくれた。
患者さんや家族からの優しい一言に救われた
患者さんの床頭台の上にあった目覚まし時計を落としてしまい、壊してしまった。ご家族に謝罪し弁償を申し出たが、気にしなくていいと言われたので、謝罪のみとなった。
漬物が入っていた容器を落として割ってしまい、患者さんはいいよ、気にしないでと言ってくださいましたが、息子さんにお電話し謝罪しました。
患者さんの家族が持ってきていた花瓶を部屋を移動する時に、床頭台の上に乗せて運んでいる時に落として割ってしまった。家族さんは不用意に持って来たこちらも悪いので気にしなくて良いですよ。と言われて終わった。
毎日のベットメイキング中に患者様の時計を落とした すぐに謝り弁償すること伝えると次から気を付けたらいいといわれました
自費で弁償
患者さんの電気シェーバーを落として破損してしまい、謝罪し、同様のシェーバーを自費で購入し、弁償しました。会社には報告しましたが、費用は出ませんでした。
患者さんのコップを落としてしまい、謝罪。上司と、患者さんの家族に連絡し、快く許してくださったが、翌日に自分で購入してお渡ししました
髭剃りの刃を洗浄時に誤って排水溝に落として紛失したたれ、自分で購入して弁償した。
環境整備の際、置き時計を落として破損してしまった。患者さんは気にしないでと言われたが、同じ時計を購入して弁償した。
病院が弁償してくれた
患者さんが急変してMRIをとりに行き、その時に入歯を預かったが、その後見つからず・・・。病院で弁償してくれました。
オーバーテーブルを動かした際に陶器製マグカップが落ち破損。病棟費から同等品を弁償した。
患者さんをベッドから車椅子に移乗する際、イヤホンのコードを引っ掻けてちぎれてしまった。施設が弁償してくれた。
ヒヤッとした経験から
普段か気を付けていること
使用前に確認、使用手順を頭に入れておく、使用後変形がないか確認します。
挨拶や会話中に私物等を片付けて場所を確保してからバイタルチェック等を行っている
床頭台やオーバーテーブルの端に荷物を置かないようにしている
予め説明しておくと〇
陶器のコップを持っている人は、十分に取り扱いと置く場所に注意する。事前に破損のリスクを家族に説明する。
患者さんに自分で持ったり移動させてもらったりお願いしてる。壊れやすい物はそもそも持ってこないようにお願いする。
心がけも大切
自分の物と同じように大切に扱う。
物を扱うときは慌てずゆっくりを心がける
人のものは丁寧に扱うように心がけている
イラスト・まえかわしお