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今時の新人教育は、『叱らない、褒める』が主流で、うちの病院もその教育方針です。
しかし、実際に病棟で指導をしていると、『叱らない、褒める』だけではやっていけない現状があります。
インスリン専用注射器の存在も知らず、『こんな注射器あるのを初めて見ました、これは皮下注ですか?筋注ですか?どこに打つのですか?今から行くから打つことろ見ててください』 と言われ、『自分の言ってることの無責任さがわからないの?打ち場所もわからない注射なんてさせられません。実施するなら事前に調べましょうといつも言ってるはず。』 と実施させなかったのですが、今の教育方針とズレていると叱られました。
わたしは、最初から最後まで全てを教え、やらせてみて『偉いね、できたね』と褒めるべきだったのでしょうか…?
■新人教育、甘くなっている気が…
「分からない事をちゃんと報告できて偉いね」と褒めなければならない、みたいな事を言われた事があります。
うちの新人教育は「叱らない」「出来た事を褒める」「課題を出さない」「続けて仕事に来ていて偉い」です。
新しく入った20代の方にはみんな腫れ物にさわる感じの指導です。
■こんな新人も叱っちゃダメ?
受け持ち患者の病気が全く分かっていなかったので、調べてきてと話したら全く違う疾患の勉強(しかもWikipediaを読んだだけ)をしてきた。
患者さんにタメ口、上から目線の指導、インシュリンの注射器でホルモン剤を皮下注使用としていたり…。
書類も受け持ちなのに片付けようとしない。
叱ると直ぐに辞めちゃう。全部先輩が悪いと言って。
■「叱らず褒める」教育を理解できている?
褒める/叱る/怒るという意味さえも理解されていない方から指導されているほうが被害者のように思えます。
ダメなものは「ダメ」というのは、叱るというより適切な「指導」とも取れますし、 何でもかんでも、誉めちぎるという意味ではなく、できたところは「肯定的に評価する」という意味であって、ちょっと解釈違うのでは。
人間として否定しない。人を認める。
ほめるとはそう言う意味合いが含まれるんだと思います。
『叱らない』という事は出来なかった事を認める事ではなく、出来るようになるように、その新人当人に課題を持たせる工夫をする事ではないでしょうか。
■叱った後のフォローが大切!
ああ、怒られてる私という感情に陥るとどんな正論も入って来ない。
叱らないで指摘するとか注意できたらいいのかもしれないです。
私の先輩は、厳しく叱った後に必ずフォローしてくれます。ここはこうだったね、こうする以外にはなにかあった?とか。
怒られて放置されるとどうしていいのか分かりません。 まず先輩に謝ろう、勉強しようという思考回路になり、あの先輩に嫌われた、次からどうしよう…と、翌日から出ていきにくくなる。疎外された感というか。
私が新人の時は叱られまくったけど、勉強してきて先輩の質問(問題)に答えられると「やるじゃん」と言ってもらえるのが嬉しかったです。
■理想の新人教育とは
褒める中でも、厳しい先輩は必要。
そんな先輩と関わることでぴりっと気持ちが引き締まる。
『全て教えてから先輩がやって見せ、理解できたか確認して新人にやらせてみる。実施後褒める。』という教育方法は無難な方法だと思います。
緊張感で一杯の新人に対して褒めるという行為は”出来た事を認める”という意味合いであり、新人の緊張を解き士気を伸ばす効果があると思います。
事前学習も大切ですが、事前学習をした方が理解が深まるとは限らない。
先輩の観察下で実践して、その理由は後付けでも、それで手技の根拠を理解できれば問題ないと思う。
関連トピック:「
今時の新人教育について
」
イラスト・なしま