【在宅】78歳の女性。82歳の夫との2人暮らし。5年前に乳癌と診断され、乳房の切除術を受けた。最近、肺とリンパ節への転移が認められたため、外来で化学療法が始まった。要介護2で、室内は手すりで歩行が可能であるが、通院などの外出時は疲れやすいため車椅子を使用している。夫のADLは自立しており、通院の介助をしている。
訪問看護を開始したところ「化学療法の後は気持ちが悪く、胸が痛くなる」と訴えた。主治医からは症状を軽減するための薬剤が処方されている。
症状への対応で正しいのはどれか。2つ選べ。
症状の内容や程度を聞き取り主治医に報告する。
在宅では症状管理が困難であるため入院を勧める。
マッサ一ジや音楽療法などの補助療法は行わない。
治療している段階なので麻薬性鎮痛薬は使用しない。
主治医との連携のもとに看護師が処方された薬剤を調整する。
―――以下解答―――
(解答)1.5
<解説>
1.(○)薬剤開始後間もないため、薬剤の効果、副作用を確認し症状コントロールの必要がある。
2.(×)本人・家族の意思を尊重し、在宅でできる範囲の症状コントロールを行う。
3.(×)対処療法にとどまらず、補助療法を加えて行うことで心理的苦痛の軽減につながることがあるので、使用してもよい。
4.(×)身体的苦痛として疼痛は最も多く、心理的苦痛への影響も大きいため、麻薬性鎮痛薬を用いて疼痛コントロールをすることは患者の利益につながる。
5.(○)患者の状況を専門的に把握した上で、主治医に状況に応じた処方をしてもらうことは大切である。