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他の認知症とはちょっと違う。前頭側頭型認知症とは

  • 公開日: 2020/3/14

 

前頭側頭型認知症
読み方:ぜんとうそくとうがたにんちしょう

 

前頭側頭型認知症とは

前頭側頭型認知症は、前頭葉や側頭葉が萎縮して起こる認知症。前頭側頭葉変性症の1つで、ピック病も含まれる。運動ニューロン疾患型や前頭葉変性症も含まれる。

全認知症の2%ほどで、アルツハイマー型などと比べると少ない。有効な薬も無いため対症療法やケアが主な治療。50〜60歳代と若い年代で発症することが多い。

初期、中期、末期と経過をたどり、全経過は平均6~8年。他の認知症と違って、指定難病に認定されている。

原因

前頭葉や側頭葉の萎縮がみられ、残存神経細胞にはタウ蛋白やTDP-43、FUSなどの異常蛋白が蓄積される。 しかし、なぜこのような変化が起こるかは解っていない。

経過・症状

初期
自発性の低下、自発語の減少、感情鈍麻、偏食・過食、脱抑制(物を盗むなどの反社会的行動、道徳観の低下)などの人格変化・行動異常が現れる。道徳性がなくなるため罪悪感はない。

中期
常同行動(同じ行動を繰り返す)、考え無精(質問によく考えずに返答したり、無視したりする)、立ち去り行為、反復言語(自己の発話を何回か繰り返す)、反響言語(オウム返し)など。

後期
精神機能の荒廃が高度に。無動・無言となり、寝たきりになる。

診断

MRIやCTで、前頭葉・側頭葉の萎縮を確認。比較的早期や脳萎縮が目立たない場合は、SPECTやPET画像で血流低下の有無が重要。

治療

有効な薬もなく対症療法が中心。前頭側頭型認知症の問題行動を緩和・軽減する薬が使われる。SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)、リスペリドン、クロルプロマジン塩酸塩、抑肝散など。

ケア

環境を整える
広すぎる場・光・騒音・映像・匂いなどは、患者さんを刺激するから注意が必要。刺激の少ない環境で、1対1の個別対応が望ましい。

症状の特徴を上手に利用する
急激な変化や刺激に弱いから、ワンパターンの生活を送ることが望ましい。「常同行動」を利用して、得意なことや趣味をおこなうと生活のリズムがつき、作業療法の一環にもなる。 本人が嫌がらない内容で、好ましい生活習慣づけをするとよい。

なじみの関係をつくる
短期記憶が保たれている初期の段階は、同じ場所・同じスタッフで対応すると安心を得られ、落ち着きへとつながる。

見守る
周囲に迷惑の及ばない行動はなるべく見守る。無理にとめると、興奮して暴力をふるうこともある。

食事行動の変化に対応する
甘いものや味の濃いものを好んだり、大量に食べたりする。食事行動の変化がみられ、肥満や糖尿病といった身体的合併症を引き起こす危険あり。また十分に咀嚼せず嚥下することで、誤嚥や窒息を起こす危険もある。目のつくところに食べ物を置かない、食べ物から注意をそらす、食事時間を決めるなどの管理をおこなう。

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