エッセイ

看護師のピアスってつけてもOK?ピアス孔が開いているだけで、感染媒介になるって本当!?

2020/1/15

皆さんは、ピアスをしていますか?また、規則としてピアスはどのように扱われていますか?今回は、ピアス孔があるナースもないナースも、ぜひ知っておきたい医療現場におけるピアス事情について、ご紹介します!

 

どれくらいの割合でピアスを付けているか など実際の状況を紹介

まず、ナースの中でもどれくらいの割合の方がピアスをつけているのでしょうか? 実際に調査してみました!

ピアスをつけている看護師の割合は約2割!

今回、ナース専科のインスタグラム内において「ピアスをつけているかどうか」のアンケートを実施しました。その結果、仕事中にピアスをつけている方の割合は19%と約2割の方という結果となりました。また、続けてアクセサリーについて規定があるかどうかのアンケートでは、67%と半数以上の職場で「アクセサリーについて規定がある」と回答されました。

結婚指輪やネックレスのみOKとしている職場も

今回アンケートにおいては、同時に「具体的にどういった規則があるか」についても伺いました。

  • 結婚指輪を含め、アクセサリー関連は一切禁止(医師はその限りではない)
  • という意見がある一方で、

  • 結婚指輪のみOK
  • ネックレスは白衣に隠れる程度であればOK
  • と、アクセサリーの種類によって許可されている職場もあれば、

  • 小さいピアスやネックレスは規定はない
  • 透明なピアスであればOK
  • 揺れるほど大きなものでなければOK
  • ファーストピアスのみOK
  • など、職場によってかなりの違いがあることがうかがえました。

     

    看護師がピアスを付けてダメな理由って?衝撃の研究結果も!

    ピアスは、職場によって規定が異なっており、ばらつきがあることがわかりました。ではなぜ、ピアスが禁止されている職場があるのでしょうか?その理由として、以下のことがあげられます。

    ピアスが落ちてしまうことで、患者さんの不利益になる可能性

    筆者が以前勤務していた病院でも、ピアスは全面禁止でした。その理由としてあげられていたのが「ピアスが落ちてしまうことで、患者さんの不利益になる可能性があるから」です。ピアスはイヤリングに比べると直接穴に通して着用するため、落下するリスクは低いといえます。しかし、いくらリスクが低いといっても、必ずしもピアスが落ちないとは限りません。

    当時の師長は「仮に清潔操作が必要な医療処置をしている最中にピアスが落ちてしまうと、患者さんにとって大きな不利益をもたらす可能性がある。医療従事者のおしゃれによって、患者さんへそういたリスクをあたえるのは好ましくない」という回答でした。このように、ピアスは「落下するリスク」がある、ということはぜひ押さえておきたいポイントとなります。

    ピアス孔を開けていることが、感染媒介になる可能性

    2016年に東邦大学で、ピアスについてある研究が行われました。そしてその研究によって示唆されたのが「耳ピアス孔は手指を介した病院感染の要因となること」です。

    大学病院に勤務する200名の看護師を対象とした調査では、耳ピアス孔の開いている方は、開いていない方に比べて優位に黄色ブドウ球菌やMRSAを所持しており、また耳のピアス孔より検出された菌と同型の菌が手指からも検出されている、という結果がでたのです。

    この調査は、ピアス孔が開いていることで自分自身が感染媒体となってしまうリスクがある、ということを示唆しています。そのため、もし「これからピアスを開けたい」と考えているナースは、こういった事情を加味した上で慎重に考えることをオススメします。

    仕事中はピアス孔に触らないことが大原則&こまめに手指消毒を

    もうすでにピアス孔を明けている場合、自分が感染媒体にならないためにはどうすれば良いのでしょうか?それは、①仕事中は極力ピアス孔に触れないこと②こまめに手指消毒を行うこと、この2点が大切となります。

    ピアス孔と同等の菌が検出された理由のひとつには「意図的でなくてもピアス孔を手指で触ってしまっているから」が考えられます。そのため、仕事中はピアス孔に触れないことを意識することが感染媒体になることを防ぐ方法のひとつとなります。また、無意識でも触ってしまっている可能性はあるため、より手指消毒を意識することも大切です。一動作一消毒を徹底することで、自分が感染媒体になることを防ぐように心がけましょう。

     

    医療者として適切かどうかを考えよう

    ピアス孔を開ける、開けないというのは個人の自由ですので、医療従事者だから開けてはいけない、と全面に禁止できるものでもありません。先ほどご紹介した研究においても、2012年の調査で看護学生の約3割がピアス孔を有していた、とあるように、今後もピアス孔を有している看護師の割合は増えると想定されます。

    ピアス孔以外にも感染媒体になる可能性があるものはあるため、一概に「ピアス孔を有するのは良くない」とは言い切れませんが、ぜひこの調査結果も頭の片隅においた上で、自分が感染媒体とならないよう、日頃からしっかりと感染予防対策をしていただけたらと思います。

     

    参考文献

    新たな医療関連感染の要因としての医療職における耳ピアス孔の細菌汚染に関する検討(化学研究費助成事業 研究成果報告書 平成29年6月)

    この記事を書いたのは

    山村 真子 看護師として働きながら、ライターの仕事もしている、アラフォーママナース。看護系以外にも、育児や病気、介護など幅広い分野の執筆を行っています。時短勤務中だが、毎日定時に帰れるはずもなく、保育園の送迎はいつもギリギリなのが最近の悩み。

    イラスト・まえかわしお

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