• 公開日: 2019/11/25
  • 更新日: 2020/1/15

「循環器科」看護師のあるあるを挙げてみた

循環器科、と聞くと、皆さんどういったイメージをお持ちでしょうか?今回は、循環器科経験のある筆者が、ずばり「循環器あるある」をご紹介したいと思います。循環器経験のある方は「あるある!」と、そうでない方には循環器について少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです!

 

循環器あるある

配属初日、モニターの数に早くも心が折れそうになる

循環器へ配属された初日、ステーションへ入るとまず目にするのが他診療科に比べ圧倒的に多い心電図モニターの数です。主に循環器系の疾患をお持ちの方が入院している病棟なので、モニターの数が多いことは容易に想像こそできますが、実際にモニターを確認しながら働いている先輩方を見ていると、「こんな風にすべてのモニターを確認しながら仕事をこなすなんて、私にできるのだろうか」と不安でいっぱいになります。

心房細動!?慌てて訪室したら、使っていたのは・・・

いつものようにステーションで仕事をしていると、ADLほぼ自立の患者さんのモニターに突如、心房細動様波形が!慌てて訪問すると、その方は電動シェーバーまたは電動歯ブラシを利用していただけだった・・・。そんな経験、循環器勤務者なら一度は経験があるはずです。患者さんの急変じゃなくて良かった、という安心感とともに、「モニターついている間は、使用してよいかどうか確認してほしい・・・」と若干患者さんを責めたくなる気持ちにもなってしまいます・・・。

動脈触知が自分の鼓動とマッチして焦る

循環器病棟の中には、一泊入院で心臓カテーテル検査を行っている病院もあります。そういった検査入院の場合、大変なのが病棟での事前準備です。一日に数人の患者さんが同じ時間に入院するため、それぞれお部屋へご案内し、着替えをしていただきながら、ドップラーを用いて足背動脈や橈骨動脈を触知し、印をつけておかなくてはいけません。

特に触知が難しい患者さんの場合は、今触知しているのが患者さんのものなのか、それとも自分のものなのか判断がつきにくく、検査時間も迫る中、とても焦ってしまいます。この経験があるおかげで、筆者は双方の動脈触知に対してはある程度自信が持てるようになりました(笑)

仮眠していても気になるモニター音

循環器病棟は基本的にとても忙しい病棟です。急変リスクが高い方も多いため、夜勤中に仮眠がとれない、なんてことも珍しくはありません。そんな中、比較的落ち着いていて仮眠をとれるようになったとしても、気になるのはモニター音です。他の病棟に比べてモニター数が多いこと、そして夜間は寝返り等でモニターのシールが剥がれてしまうことが多いため、モニター音は鳴りやすく、鳴る度にその音が気になってなかなかうとうととすることができません。そしてやっとうとうとし始めた時にはすでに仮眠終了の時間に・・・。

 

慢性心不全の患者さんは、病棟の常連さん

慢性心不全の患者さんは、入退院を繰り返すケースが多いため、必然的に病棟の常連さんになります。循環器の病棟看護師として働いている中で、慢性心不全の患者さんは最初の入院からずっと看護師を見守ってくださっているため、入院される度に「やぁ、〇〇さん久しぶり。どうだい?先輩に怒られているかい?」と、笑顔で声をかけてくれます。そうすると先輩からは「私たちが悪者みたいに言われている」とさらに怒られるのです・・・。

水分制限は看護師も辛い

循環器病棟へ入院している方の中でも、特に慢性心不全の方の場合、入院時より厳しい水分制限をしなければいけない方がいます。慢性心不全の場合は治療として利尿剤も使用しているため、患者さんは喉の渇きを感じやすく、水分制限はとても大変と言わざるを得ません。そして、それを管理する看護師もまた、とても辛くなります。

「なんで水をもっとくれないの?」「喉が乾いて辛い」・・・看護師として、少しでも水分制限が楽になるように、氷を用いてみたり、患者さんの生活習慣に合わせて水分摂取の時間を調整してみたりするのですが、治療の一貫として行っている水分制限であっても、そういった声を聞くのは精神的にとても辛いものです。

むくみが軽減し、歩けるようになった時の感動は大きい!

循環器に疾患をお持ちの方の多くは、浮腫に悩まされています。それが治療によって改善し、歩行状態が改善したときの感動はとても大きいものです。車椅子やストレッチャーで入院された方が歩いて退院された時は、「本当によかった」とこれまでの疲労や大変なことも吹っ飛びます。こういった喜びがあるからこそ、毎日頑張れるんだろうなと実感します。

 

循環器での経験は、他の診療科でも必ず役に立つ!

循環器で働いていた日々は、大変でしたがとても勉強にもなりました。複数のモニターを同時に確認していたことで、今でも多少は自信をもって心電図を読むことができますし、同時に複数名の心臓カテーテル検査出しを行っていたことで、サーフロー挿入は得意な看護技術のひとつです。このように、循環器での日々は看護師として働く中でとても役に立っており、循環器病棟で働くことができて良かったと心から思っています!

この記事を書いたのは

山村 真子 看護師として働きながら、ライターの仕事もしている、アラフォーママナース。看護系以外にも、育児や病気、介護など幅広い分野の執筆を行っています。時短勤務中だが、毎日定時に帰れるはずもなく、保育園の送迎はいつもギリギリなのが最近の悩み。

イラスト・まえかわしお

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