新人時代、辛いことがあっても同期がいたから頑張れた・・・そんなコメントを病院の採用ページで見かけて、ため息をついてしまったこと、ありませんか?同期=協力しあう仲間だと思っていたのに、実際には同期とうまく関係が築けず悩んでいる方へ、今回はその解決策について考えていきたいと思います。
あなたはどのタイプ?コミュニケーションがとりにくい原因は・・・
同期と人間関係がうまく築けないケースとして、以下のような場合が想定されます。 皆さんはどれに当てはまりますか?
ケース1 附属学校がある病院へ、外部から就職した
大学病院をはじめとする病院附属の看護学校がある病院では、付属学校の学生は、学生同士はもちろん、実習を通して先輩とも既に交流があります。そのため外部から入職し、1から人間関係を構築しなければいけない人からしたら、入職した時点ですでにハンデのある状態、といえます。
ケース2 同期同士でも、年齢差がある
同じ時期に新卒として入職しても、大卒と短大・専門卒では1年の差があります。近年は社会人を経験されてから看護師を志す方の割合も増えているため、“同期”であっても、その年齢差はより広くなる傾向にあります。
職場の同期という、限られた時間でしかコミュニケーションが取れない関係性の中で、年齢にも開きがあると、どうやって人間関係を構築していけば良いのか、悩んでしまうことがあるのではないでしょうか。
ケース3 どうしても苦手なタイプがいる
やはり、人には好きなタイプと苦手なタイプがあると思います。学生時代であれば、タイプが合わない人と一緒に行動するということは実習期間以外、ほとんどありません。しかし、職場となるとそうはいきません。先輩ナースから「同期で、連絡を取り合って」と言われることも。でも「あの人苦手・・・」という考えが先に浮かんでしまって、なかなかコミュニケーションを取りにくいこともあると思います。
同期との人間関係は、こうやって築いていこう!
同期との人間関係が、上手く築けない・・・そんなときはどのように対応していけばよいでしょうか?そのヒントを、ご紹介していきましょう!
ちょっとがんばって自分から声をかけてみる
看護師=誰とでもすぐ話せる、というわけではありません。もしかしたら、人見知りの同期もいるかも。まずは、自分から積極的に声をかけてみることから始めることをオススメします。
「前回のあの処置、うまくいかなかったんだけど、〇〇さんはどうだった?」「あの先輩に話しかけるタイミングって、どうしてる?」そんな感じで、先輩には聞きにくいけど気になることを、どんどん同期に自分から投げかけてみると、思っていた以上に距離が近くなるかもしれません。
あくまで「職場の人」として割り切ってみる
積極的に声かけをしても、どうも上手くいかなかった場合、「職場の人として割り切ってみる」というのも手です。
職場では、たとえ自分と合わないと感じる人とでも上手くやっていかなければなりません。そこでもう「同期=仲良くしなければいけない人」という概念を捨て、あくまで「同じ職場で、同じタイミングで入職した人」として見てみるのはどうでしょうか。割り切った視線からその人を見ることで、逆にこれまで気がつかなかった、その人の好きになれそうな部分などが見えてくるかもしれません。
長い目で考えるようにする
これは筆者の実体験です。先輩たちから厳しい指導を受け続けた新卒時代、一人だけ先輩たちから好かれていた同期がいました。私はその同期を素直に「羨ましい」と感じるとともに「私はあんな風になれていない」と考えてしまい、なんとなく距離を置いてしまっていました。
しかし数年後、偶然2人で会う機会ができました。その時に初めてわかったのですが、実は新卒時代、彼女は自分が「この仕事に向いていない」と感じていて、毎日のように「もう看護師を辞めたい」と思っていたそうなのです。
そんな中、私が先輩たちから厳しい指導を受けながらも毎日患者さんの元へ行っているのを見て、「あの子のように叱責されても頑張っている子が、看護師に向いているのだな」と感じたそう。結局彼女は看護師そのものを辞め、保健師へ転職していたのでした。
同期だった時はお互い少し距離を感じていたのに、気がつけば二人で数時間もさまざまなことを語り合える仲間になっていました。その時、そのタイミングでは仲良くなれなくても、時が経つことで自然に人間関係が良くなることもあるのだと実感した出来事でした。
同期との関係は、少しずつ築いていこう
看護師人生はこれから長く続きます。今まで生きてきた年数の倍以上、看護師としての生活が待っています。筆者が実際に体験したように、年月が経つことで同期の絆が生まれるケースもあります。短期間で人間関係を改善しようと頑張りすぎず、「時が経てば、少しずつなんとかなるはず」と、大きな視野で構えていただけたら幸いです。
この記事を書いたのは
山村 真子
看護師として働きながら、ライターの仕事もしている、アラフォーママナース。看護系以外にも、育児や病気、介護など幅広い分野の執筆を行っています。時短勤務中だが、毎日定時に帰れるはずもなく、保育園の送迎はいつもギリギリなのが最近の悩み。
イラスト・はや舌