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「看護」という仕事をしていると、自身の本来の感情を押さえつけて人と関わっているので、自分の感情がどんどん失われていくようでとてもとてもつらいです。
幼い頃から涙もろく、感情移入しやすく、それは欠点でもありますが、優しい父と母から受け継いだ自身の強みでもあると思っていました。
一般人の言葉で表現すると、病気になってしまいショックを受けるのは当然だと思いますが、そのショックの部分がまだまだ多く、泣きたい気持ちでいっぱいです。かわいそう、健康やその人にとっての日常が病気によって奪われてしまった、こうであったらいいのに、という気持ちがたくさんあります。
看護師として人と関わる以上、個人の感情は控えるようにしています。仕事に、感情を伴わせることがとてもむずかしいです。
看護の道に入り5年たち、このように考えていますがその一方で、本来の自身の感情はどこにいっちゃったんだろう、このままもうなにも感じなくなってしまうのではないか、と怖さを感じています。
看護師の「感情」はどこへ行くのか
■「かわいそう」はちょっと違うのでは…?
あなたが、とても感情豊かで共感しやすいタイプだというのは分かります。でも、病気になった人に対してかわいそうはなんか違う気がします…
かわいそうって言葉は自分が患者になってみたらわかるだろうけど結構傷つく言葉です。好きで病気になったわけでもないのに、何か悪いことをしたような気持ちになります。泣かれるのも見世物パンダになったような気になります。
私は障害があります。ですが、病気にならなければ気付けなかったことの方が多く、今更後悔しても仕方がないし、全てを受け入れるようにしています。患者になったらかわいそうと思われて、悲しみに浸らないといけないのでしょうか。
同期が新卒の頃に患者さんに「可哀想に…」と言ったことがあります。精一杯の同調のつもりだったそうですが、患者さんにえ…。私、可哀想なの?あなたにそう思われるような関係じゃない。』と言われたと、かなり長い間立ち直れないでいました。
病気になって可哀そう。私も病気ですが、他人からそのような目で見られると腹立ちます。憐みの眼で見られるいわれはない。一見優しいようで、傲慢だと思います。病気になったり怪我して後遺症があったりする人は可哀そうですか?同情は要らないです。
■「感情移入」と「共感」も、ちょっと違う
感情移入を前面に出すのではなく、貴方の看護観で患者・家族に接することは出来ませんか?貴方はプロでしょう!患者・家族の悩みを受けつつ貴方の言葉で、次に目指していける所を何か一つでも掴めるように話しをしてみたらいいのでは?
先輩に言われました。「患者さんに感情移入するのと共感する、というのは違うの。患者さんの辛くて苦しい状況をあなたは受け止めて、患者さんに寄り添い、あなたに出来ることをするのがあなたの仕事でしょう?」 と。
患者さんの気持ちに寄り添うことは大切なことです。でも患っている本人が一番ツラいけど、前向きに頑張ろうとしているならば、共感した上で、より患者さんが心身ともにより良くなっていけるように接するのが大切ではないでしょうか。
■感情移入は悪いことじゃないけど…
病院に雇われている一人の看護師だという自覚を持つことだとおもいます。貴女は、患者の家族でもないので、深入りしすぎないでくださいね。
感情移入することは悪いことではないと思います。ただそういう場面のときに、患者さんが看護師に、感情移入されて泣かれたいと思っているとは限りませんし、自分をかわいそうだと思ってほしいと思っているかは別だと思います。
他人の涙は、当事者の涙を止めてしまうこともあります。感情表出しなければ、次に進めないのは誰か?その視点で関わると、自分が泣いている暇などどこにもありゃしないってつい思ってしまいます。泣くことを禁じはしないが、仕事ができないほど泣くのは、迷惑になる。却って患者に気を遣わせることもある。
■感情を失っているわけではないですよ
仕事上では、自分を覆い隠してしまう事だってあります。だからといって、あなたの感情が無くなるわけはありません、あなたの感情を表現できる場・機会は意識して作ればいくらでもありますし、制限されるものではありません。そういう場を作る事も大切ではないでしょうか?よく言われるon・offの切り替えですね。
私も感情移入してしまいがちですが、経験年数が増すごとに慣れました。でも、それは感情を失った事とは違います。「目の前の患者にとって必要なことは何か?」という事を最優先に考えてみて下さいね。
泣けなくなったから優しい心を無くした、という訳ではないと思いますよ。看護師という仕事を通して 経験を積み重ね、ただ可哀想と同情するだけではなく、その先自分がプロとして関われることは何か、 自分がするべきことは何かに目が向くようになったと言うことではないでしょうか。
関連トピック:「
感情が失われていく
」
イラスト・なしま