『ナースの働き方白書』とは、ナース専科を運営する(株)エス・エム・エスキャリア提供の転職支援サービス「ナース人材バンク」より、はたらくに関する役立ち情報をお届けするコンテンツです♪
『看護師は残業が多い仕事』
そんなイメージはありませんか? できるならば、なるべくしたくない… 早く帰りたい…
今回は、看護師の残業の実情を調査し、残業を減らすためにできることをご紹介ていきます。
看護師はなぜ残業が多い?
看護師の残業の実態
看護師1ヶ月あたりの時間外労働時間日本医療労働組合連合会が2013年に実施した「看護職員の実働実態調査」によると、看護師の約9割が時間外労働を行なっています。
看護師の過労死ラインと言われる60時間以上の時間外労働は0.8%。
この調査は32,372人の看護師からの有効回答が得られている調査であり、0.8%とは実に253人が過労死ラインを超える時間外労働を強いられているという事になります。
残業が発生する原因
では、なぜこれほどまでに看護師の残業は多くなってしまうのでしょうか。
これには様々な原因が挙げられます。
まず慢性的な人員不足、時間外で開催される会議や研修会などが残業の原因として考えられています。 また看護師の業務は患者さんの状態により、その日の予定は大きく変わります。入院する患者さんや、外来を受診する患者さんが多くなれば、業務量は大きく変化してしまうのです。
救急指定病院や重症患者が多い病院では業務量も多くなってしまい、残業も多くなる傾向にあります。
残業が減らない環境
過酷な残業を少なくするには、人員の確保が重要な対策になりますが、ここにも残業の負の連鎖が関係しています。
残業が少ない病院や施設が良い! という看護師は少なくありません。ですが、そのような病院や施設は、人員が十分に確保出来ている場合が多く、そんな病院や施設への入職を希望する人が増えるほど、人員不足の病院や施設には看護師が集まらず、結果残業を減らす事も難しくなってしまうのです。これが残業の負の連鎖です。
自分で残業を減らすには?
大事なのはこの2つ
- 残業を減らすという意識を持つこと
- なぜ残業が多いのかを考えること
スケジュール管理を綿密に行なっていても、急な対応が入ったり、予定通りに進まないことも多いですよね。人が少ない職場だから、残業は当たり前という考えではなく、まずは看護師ひとりひとりが残業を減らすという意識を持つことが大切です。
ひとりひとりが残業を減らすという意識を持ち業務にあたれば、職場全体が残業を減らすという雰囲気にもなります。
また、個人や同僚と一緒になぜ残業が多いのかを考えてみましょう。問題の共通認識ができれば、きっと残業を減らすために必要な、雰囲気作りにもつながります。仕事と仕事以外の時間の調和を実現し、より良い看護を展開する事にもつながります。残業を減らすということを、看護師個人でも考え、対策を検討していかなければならないのです。
まとめ
長時間の残業に疲れた看護師では、より良い看護を実践することは出来ません。看護師=残業の多い職業というイメージは、まだまだ完全に打ち消すことは出来ませんが、少しずつ改善の方向に進んできています。
よりよい看護を提供するために
看護師の仕事は、患者さんの命と向き合う大変な仕事です。 しかし大変な仕事の中でも、自分自身のライフスタイルを大切にし、仕事と仕事以外の時間の両方を調和、充実させている看護師もたくさんいます。そんな働きやすい、魅力ある職場環境を作ることが、残業を減らすだけでなくより良い看護を実践するためにも必要なのです。
原因を突き止め、改善していこう
残業が多いという事には、必ず何か原因があります。
その原因を改善するために、具体的な対策を検討し、実施することが大切です。ただ残業を減らしましょう!という漠然とした取り組みでは、残業は絶対に減りません。残業を減らすために何が必要となるのかを明確にし、対策を検討しなければなりません。そして実施した対策をしっかりと評価し、効果がなければ再度対策を検討し、実施するということも大切です。
魅力ある職場環境を目指して取り組むことは、より良い看護を提供する事に必ずつながります。あなたがもし看護を受けるのであれば、残業で疲れきった看護師とワークライフバランスの充実している看護師、どちらに看護して欲しいですか?
残業を減らすことは、患者さんにとっても大切なことなのです。