入院中にオススメの一冊「茶柱倶楽部」
本のタイトル
茶柱倶楽部
著者名もしくは出版社名
青木 幸子/芳文社コミックス
オススメポイント・エピソード
今秋、手術のため入院することになり、本屋さんに行って探しました。
入院や手術は何度となく経験していますが、その病院にはなじみがなく(初診で手術決定、入院のための検査で1日通院し、3回目の来院は入院日)、勝手がわからないからこそ、今回は全く読んだことのない作品、全く読んだことのない著者のものという条件で、探しました。
入院中に読む本ということで、「物騒な内容のものではないこと」、「出来れば不幸な内容のものではなさそうなこと」、「沢山の荷物になると大変なので、入院中繰り返し読むのに耐える内容」に加え、入院中ということで各種検査や手術、処置、リハビリなど案外まとまった時間がないことも想定し、出来ればとぎれとぎれになっても支障のない本というところも重要でしょうか。
今回ご紹介した本は漫画作品になります。先に書いた通り、この著者の作品を読むのも全く初めてで、未知の状態でしたが、元々お茶が好きだったこともあり、タイトルに惹かれて一気に購入し、入院先で開封し読み進めました。
内容はまさしく、お茶に関するもの。お茶を美味しく淹れる才能のあるヒロインが、お茶に興味のない人にもその魅力を伝えたいというきっかけで旅をしていくが…というもの。
続き物でありながら、基本的には一話完結の構成という点も、入院中でとぎれとぎれになりがちな読書にも耐えられる内容です。それでいて、幾つかの登場人物が複雑に展開していく刊もあり、読みごたえもあります。絵柄は正直、画力にムラがあって好き嫌いが分かれそうですが、それを上回る魅力ある作品です。読者層としても、お茶が好き、または嫌いでなければ、老若男女、どの層でも大丈夫だと思います。全般的な読後感も後味が悪くないので、そいいった意味でも「入院中」に読むのには穏当だと思います。
ちなみに、今回の入院に持参した他の本は、朝井リョウ「星やどる声」(これも読後感は悪くはない)、都道府県の説明本(先の2冊と系統が違うものを読みたいときにパラパラと、しかしすぐに全て読んでしまいました)でした。
この漫画を入院中に読みながら、「退院したら、まずは自分で淹れた、美味しいお茶を飲みたい!」と切望していました。