• 公開日: 2014/3/28
  • 更新日: 2020/3/26

【連載】看護師 国家試験対策・過去問

2012年度(第101回)看護師国家試験 過去問題 午後116

【精神】Aさん(29歳、女性)は、20歳で短期大学を卒業するのと同時に就職したが「会社に行きたくない」と言い出して、2か月で仕事を辞めた。その後は、自宅で何もせずに過ごしていた。昼夜逆転の生活が長く続いたが、ある日、夜遅く帰宅した父親と就職のことで激しい口論となった。それ以来、昼も夜も起きていて、食事も摂らずに自室に引きこもり、ぶつぶつと独り言を言ったり、笑ったりするようになった。心配した母親に伴われて受診し、統合失調症と診断された。Aさんの表情は険しく、常に周囲を警戒している。医師が入院を勧めたが、Aさんは興奮し、母親にしがみつきながら「入院はいや。家に連れて帰って」と泣き叫んだ。さらに、診察室のドアの方に走って逃げようとしたため、看護師が制止しようとすると、Aさんはその看護師を突き飛ばした。入院後1か月が経過し、Aさんは看護師に時々笑顔を見せるようになってきた。Aさんは「毎日が退屈」、「早く退院したい」と言うようになった。Aさんを交えたカンファレンスで、病棟で週1回行われている退院支援グループへの参加を検討した。このグループでは、対人関係や社会生活を営むのに必要なスキルの学習が行われている。

Aさんのグループ参加の目的として、最も優先度が高いのはどれか。

1.生活リズムを整える。

2.興奮が抑えられるようになる。

3.退院後の日中の過ごし方を考える

4.他の参加者から問題点の指摘を受ける















―――以下解答―――

(解答)3

<解説>

1.(×)対人関係や社会生活を営むのに必要なスキルの学習を行うためのグループである。生活リズムの確立より一歩進んだ内容を扱っている。

2.(×)興奮はすでに鎮まっている。

3.(○)毎日が退屈なまま退院しても意味がない。退院後の具体的な社会生活のイメージをもてるようにすることが参加の目的である。

4.(×)「毎日が退屈」という問題にAさんは気付いているので、他の参加者から指摘を受ける必要はない。

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