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平安時代のラブコメ「なんて素敵にジャパネスク」

2014/8/22

「なんて素敵にジャパネスク」氷室 冴子


なんて素敵にジャパネスク(コバルト文庫)

あらすじ

都でも屈指の名門貴族の一人娘・瑠璃姫を主人公として、彼女の恋を描いた作品。
平安時代の貴族社会が舞台と言っても、ひいてしまう必要はない。
陰湿なところは少しもありませんから。それに難しい歴史知識も必要ありません。
現代的な価値観で書かれています。
舞台を平安時代であることを表現するために、平安時代の道具や官職も出てきますが、決して難しいものではありません。 前知識が無くても充分にわかる程度です。


主人公の瑠璃姫は、子供の頃、田舎で育ったことから、どうにも庶民的なところが抜けでない少女です。それで妙に夢見がちで、亡くなった初恋の君を胸に生涯独身を貫くとか言っています。
そんな娘を心配した父親は、娘の夜這いの手引きをすることになり、貞操の危機に陥ってしまった。彼女を助けてくれたのは、幼馴染の高彬。瑠璃姫といつも一緒に遊んでいた少年は、瑠璃姫が好きだからと言って告白してきた。彼は、上に馬鹿がつくくらい真面目で誠実な人物として描かれています。

氷室さんのヒロインの相手役とか、主人公となる少年は、高彬のような人物がしばしば出ます。以前、氷室さんの作品の「あとがき」で読んだところ、氷室さんは、少々、真面目で少々優柔不断な感じがするくらいの男の子が信用できると思っているようです。俺についてこいって感じの男性は、どうにも独りよがりで嫌なタイプが多いとか。ヒロインを幸せにしたいと思っている氷室さんとしては、そういうタイプの男性を相手にはしたくはないのでしょう。

他に鷹男と呼ばれている、瑠璃姫がくらりとくる男性も出てきます。
瑠璃姫は鷹男とであったことから、都を騒がす陰謀に巻き込まれ、とんでもない冒険をすることにもなりました。 この物語も面白かったです。

おすすめポイント

ほぼ唯一尊敬するライトノベル作家、故氷室冴子先生の作。
平安時代の、ちょっとハジケたお姫様が活躍する、いわゆるラブコメの部類に入るのだろうが、恋愛が基本要素っぽくはあるものの、実に爽やかに描かれていて、しかもそれがメインではない。
「1000年もの昔に、こういったお姫様もいたんだろうなあ」と無理なく思わせてくれる。

お姫様一人称視点で展開されるストーリーも、大変にテンポよく、すがすがしく、なんとも痛快。発行されたのはもうかなり前になるのだが、現在読み返してみても違和感なく、色あせぬ感動を与えられる。平安時代の話だからといって難しいところもなんらなく、一気に読める。初めて小説を読んでみようと思われた方に、ぜひ読んで頂きたい良作。

●執筆●こはまま さん

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