看護師は患者さんに看護を提供することは当たり前で、それは何か見返りが欲しいからでは到底ない。
とは言え、ふとした時に患者さんからもらった手紙は、一生の宝物となりこれからも看護師を続ける原動力になることも。
実際に患者さんからもらった嬉しい手紙とは…
患者さんからの手紙

ナース専科調べ(2025年2月21日/有効回答数:27)
アンケートの結果、予想以上に多くの看護師が患者さんやその家族から手紙をもらうという経験をしていることが分かった。
患者さんからの温かい感謝の手紙は、ただ看護師を喜ばせるだけでなく、今までやってきた看護が間違いではなかったと、看護師の自信にも繋がる大切なものとなることも…
患者さんからいただいた手紙
ただ話を聞いてくれるだけで嬉しかった…
外来の患者様のご家族から根本的な解決にはなっていないけど、話を聞いてくれてありがとうと言う事が書いてありました。
原発不明癌の患者さんでした。深夜帯のラウンドで眠れずにいました。
ただ患者さんの話を聞いただけでしたが、1年後の経過報告の手紙が届きました。
「忙しい時間帯に話を聞いてもらえた事に感謝しています」という内容でした。
ご家族からの手紙
癌末期の患者さん、娘様に迷惑をかけてしまうから家に帰りたいとは言えない方で、娘様は連れて帰りたいと思っているけど、父が遠慮してると思うとお互いにすれ違っていたところを患者さんと話して娘さんと話して仲介をさせてもらって、自宅退院へ。退院の日に娘様からお礼のお手紙をもらいました。
初めて受診された亭主関白な患者さんと一緒に来られていた奥さんが、個別に話を聞いてほしいと言われ対応した。その後、他の科にかかることになったが、次に行くところの看護師にも連絡して対応した。後日その対応に感激され、奥さんが作った絵本とともに感謝のお手紙をもらいました。外来の関わりでもお手紙をいただくこともできるんだなぁと嬉しくなりました。
自分のやってきた看護は間違いではなかった!
癌患者さんの奥様からお手紙を頂きました。患者さんと奥様はとても気さくで、癌に侵されているとは思えないほど、笑顔の絶えない方でした。病状が悪化し、もういつ亡くなってもおかしくないという状態の時に夜勤で病棟へ来た私を「待ってた」と言い、泣きながら手を握って「会いたかった」と言ってくださいました。
奥様からは「夫はとてもあなたのことが好きでした。部屋持ちでない時も夫のところへ顔を出してくれてありがとう」など、色々書かれていましたが、特に上記の一文が印象的です。5〜6年は経ちましたが、その手紙は今でも職場のロッカーに大切にしまってあります。落ち込んだ時、その手紙を見直して、自分のやってきたことは間違ってないと自信を取り戻しています。
がんの初再発の患者さん。ICで、抗がん剤で治療を始めることと再発治療=延命治療ということの説明を受け、同意された。普段からどの患者さんにも初再発から最期を一緒に話し合うように努めている。この患者さんは受け止めが難しいという印象だったので、ICを振り返る程度に留めた。
1年後、PDでレジメン変更の入院をしてきた。もう少し具体的に最期までの話し合いをした。その退院のとき、手紙をもらった。
[最初の治療のとき、延命治療と言われて絶望しかなかった。あなたに「希望のない延命治療というわけではないけれど、いつか終わりがくることを考えて少しずつしておきたいことや身辺整理などしていきましょう」と言われ、なんてひどいことを!って腹が立った。でも、その言葉があって、いま生きている意味を考えたり、人に感謝の気持ちを伝えるようになった。がんにかかると悲壮感の満ちる方は多いでしょう。これからもがんのみなさんに道を教えてあげてください。]という内容だった。
自分の看護を承認されて大変嬉しかった。
告白の手紙も
50代の男性に今度ご飯一緒に行きたいみたいな内容の告白的な手紙で、ご家族がいらっしゃるのにと嫌悪感を感じた。
受け持ちの男性患者さんから、お菓子とナースポーチと同時に5枚綴りの告白の手紙をもらい怖かった
学生時代の思い出の手紙
学生の受け持ちの時、毎日、来るのが楽しみでした。話し相手になってもらえてうれしかった。ありがとう、頑張って良い看護師になってください。と。
小児科実習で手作りの本を渡し、それにより治療に向かい合うことができた。その本を製本し頑張っている事をお母さんから手紙をもらい、嬉しかった
イラスト・まえかわしお