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脳外科に勤務しています。
疾患のため患者さんによっては意思疎通が難しい方もいらっしゃいます。
ある患者さんは元々の性格、地位があるためか気に入らないことがあるとすぐに「お前なにすんのや!やめろ!」などと声を荒げます。もちろん患者さんに必要なケアを行ってます。
先日オムツ交換を行なった際に、陰部を触った手で顔面平手打ちされました。1日に2回です。
医師にも伝え、続けば強制退院と言われましたが、院長の知り合いで無理だと思います。急性期病院での治療は終わっているため転院調整中です。患者さんの状態的に自宅退院は無理です。
正直この患者さんと関わるのも顔を見るのも嫌です。思い出しただけで涙が出ます。私って看護師としてダメですよね。
自分でもどうしたらいいのか分からず、辛いです。
■患者からの暴力や暴言…
看護師の人権って何なんだろう?とよく思います。
症状として仕方ないので受け流さないと、とは思っていますが、どうしてもイライラしたりしてしまい、毎日反省の日々です。
暴言までは我慢できます。 でも叩かれたら、認知でも疾患のためと言われても無理。
一人の人間としては当たり前の感情では?
私も、A-comのSAHの患者さんに殴られたことや、噛まれたことありました。 病気のせい、症状のせいって思っても悔しいやら腹が立つやらで…。
■気にしすぎないこと
暴言をはかれても 気にしない様にしてます。 一つ一つ受け止めてたら、精神がもちません。
暴言や暴力はいちいち真正面から受け止めてしまうとこちらの精神が持たない(落ち込む、こちらもイライラしてしまう)ので、症状として割りきるしかない
脳外科に勤める以上そういうリスクのある方が多いのは致し方ない
仕事と割りきる。
病気が暴言などを引き起こしてるなら、しょうがない。本音じゃなくてよかったと思うようにする。
■認知症や脳機能障害の可能性は?
まず考えるべきは、その患者が正常に判断出来ているのかどうか。 せん妄が起こっている可能性、認知症の鑑別は?
高次脳機能障害の可能性が高いのではないのでしょうか。 もともと穏やかな方でもオペ後人が変わったように易怒性が高くなってしまう方が多いですよね。
前頭葉に病変があれば、感情のコントロールが難しく、そうしたいわけではないのに暴言や暴力が出たり、ということがあります。
■暴言や暴力は患者さんの「自己防衛」
まず患者の状況を理解しましょう。 暴言や暴力を振るう患者は、自分を守るためにしています。
患者は望んでいない、苦痛が大きい行為が多いために、暴言や暴力を振るう形でしかその行為を否定出来ない。
色々な要因が絡み合って自己防衛なのですよね。特に排泄、オムツ交換に関して羞恥心が強いし、蒸れて痒みも理解できます。
自分自身の事さえ何もできない、人からの援助を受けなければならない状態になった自身を受け止められず まだ混乱して納得できていない時期なのかもしれません
■今後の対応は複数人で
近づくときは必ず複数人で左右両方から抑えられるようにして対応する
一人が声かけしながら両手を握り、もう一人が陰部洗浄。 洗浄している間両手を握ったままなので、本人が陰部を触ることはできないし、スタッフを叩けません。
私のステーションには男性スタッフが多数居るので、必ず登場してくれます。 女性では無理なケースも多々あるので、鎮静剤を打つ時などは男性スタッフ3人位に抑え込んでもらいます。
私の職場では、暴力がひどい患者には抑制しています。 本当はこっちだってそんなことしたくないんですけどね…
■普段の関わりやコミュニケーションも大事
普段の声かけやタッチング、家族を交えた世間話をすることで、ほとんど抵抗が無くなることも多いです。
否定しないコミュニケーションを図り出来るだけ理解に努める事が必要です。
家族の協力は得られないのでしょうか? 他人である看護師に対しては暴言や暴力を振るう方も家族と一緒にいると安心するのか落ち着かれている方もいます。
薬剤を使うのも一つの方法ですが、看護師なので看護で何かできないのかなぁと思います。 患者であっても看護師へ暴力行為が許るされる訳ではないので、対処療法とその原因をしっかり突き止めて根本的な解決を。
関連トピック:「
暴言、暴力を振るう患者さん
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イラスト・なしま