「プロフェッショナル」とは、専門的であるさまを意味することが一般的ですが、では看護の世界でのプロとは?
もちろん「看護のプロ」に定義や必須条件はないから、実際に現場で働く看護師はどんなときに「自分は看護のプロだな」と感じているのだろうか?
看護のプロとは
ナース専科調べ(2024年4月/有効回答数:578)
自分はプロだなと実感したことがあるナースと、まだまだ自分はプロの領域ではないと考えるナースが半分ずつに分かれる結果に。
今回は実際にナースたちが、「自分はプロの看護師だな」と実感した場面をピックアップしてみるよ。
自分にとっての看護のプロの定義とは?どんなことができたら看護のプロ?
看護のプロを実感したとき
早期発見し、急変対応がスムーズにできたらプロ
緊急対応に落ち着いて対応でき、周りへの指示が的確に出来たとき。
訪問中の患者の急変時にうろたえることなく、的確な判断の下に往診医に報告、ご家族には救急搬送準備の指示をして速やかな搬送処置ができたとき
退患者さんの様子が何かおかしい、バイタルに異常はないけどいつもと違う。と思い注意して観察していると状態が急変した時はプロだなと思う
高齢者の体調不良時早期発見し悪化に至らなかった時など
難しい採血やルート確保ができたらプロ
小児・ベビーの点滴ルートがとれた時に、プロとして自信持てる。
なかなか入らない血管に注射針が入ったときに感じます。人の命を預かっているので緊張感を持って医療行為をしています。終わった後の疲れがプロ意識を感じさせます。
自分しか採血できる人がいない中、難しいケースも難なくこなす時
私生活でも看護力を発揮できたらプロ
高齢施設で働いていますが、現場を離れた私生活でも、高齢者の行動が気になります。歩行困難な高齢者を見たら、自然に見守りしている自分に気づくことがある。
近所で、救急車を呼んだ時、救急隊に対して専門用語を織り交ぜながら説明したり、心マやAEDを使用した時。
普段は透析室勤務なのですが、野外イベントの救護を頼まれたとき、負傷者の状態をアセスメントしてすぐに病院での診察が必要と判断し、119番通報が冷静に行えたことです。
同窓会で話を聞いただけでだいたい悪い部分がわかる、傾聴ができるし周りからもそう言われるから。
私情を挟まないのがプロ
家族の体調不良時も仕事モードになって動いているとき
体調不良でも平静に対応するとき
苦手な患者さんに対しても、感情的にならずに対応できたとき
看護力を患者さんに還元できた瞬間にプロを実感
患者さんの日常が取り戻された時。
死の兆候を早めに察知して、よい看とりの時間をつくれたとき
患者の希望を叶えつつ治療に前向きに取り組めるよう関われたとき
患者さんからの言葉でプロを実感
受け持ちの挨拶をした時に、○○さんが受け持ちか、良かった。色々気がついてくれるからありがたいと言葉をいただく時
新人だけど、提供したケアを受けて患者さんやご家族にありがとうと言われた時にはプロなんだと自信がつきました。
最初は新入りとして入った私に怒鳴ってきていた患者さんから数年後「あなたが1番信頼できる。」と言われた時。
看護師は常にプロ意識を持つべき
新人でもベテランでも常にプロ意識で
資格取って働く事自体がプロだと思ってる。1年目でも10年目でも患者さんにとってはプロとして自覚と責任があると思って働いてきた。
患者さんと関わるときにプロ意識を忘れないようにしている、プロ意識がないと業務的になってしまうのが怖い。向上心をもって仕事に臨んでいる。
そもそも、プロの自覚がない者が就いていい職業ではない。ド新人がいきなりプロの自覚を持つのは難しいが、患者側は新人だろうがベテランだろうがプロと信じて自らの心身を委ねるのだから、自分がプロであることを常に意識していないといけないと思う。
イラスト・まえかわしお