【ストレス解消法①】ストレッチ
勉強で座り続けることが多い看護学生は、短時間で構わないので1時間に1回はストレッチで体を動かしてみてください。ずっと同じ姿勢で座っていると血流が滞り、コリや疲れが出てきます。また同じ姿勢で座り続けると、体だけでなく心にも負担がかかるようです。
このようなときは簡単なストレッチを取り入れるだけで心と体がすっきりします。キリがよいところで体を動かし、気分転換を図りましょう。おすすめのストレッチ方法を紹介します。
おすすめストレッチ方法
受験勉強の合間に取り入れるストレッチは、簡単なもので構いません。ただし短時間で効率よく取り組めるよう、肩や足などの大きな筋肉を刺激することを意識してみてください。ここでは、肩まわりとふくらはぎのストレッチ法を紹介します。今日から取り入れてみましょう。
肩まわりのストレッチ
肩まわりが凝ってしまうと疲れも感じやすくなります。以下のストレッチ方法で試してみてください。
ストレッチ | 手順 |
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肩回し |
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肩の上げ下げ |
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ストレッチをするときは、肩甲骨の筋肉を動かすように回したり伸ばしたりしてみてください。また首の前側には、呼吸において重要な役割をもつ胸鎖乳突筋と斜角筋があります。ストレッチすることで呼吸が自然と深くなり、ストレスで乱れた自律神経を整えることにもつながるでしょう。
ふくらはぎのストレッチ
ふくらはぎは、下半身の血液を重力に逆らって心臓に戻す働きをもつことから「第二の心臓」と呼ばれています。座り続けると血流が滞りだるさやむくみにもつながるため、ストレス解消ついでに以下の方法でストレッチするのがおすすめです。
- 肩幅に足を開いてまっすぐ立つ
- ゆっくりつま先立ちをして、限界の状態で1秒キープする
- 静かに足を床につける
- 2から3の行動を20セット繰り返す
足を床におろすときは、かかとを完全に地面につけず少し浮かせた状態にしてください。地面につけてしまうと休憩になり、ストレッチ効果が弱まります。とくに冬は足元も冷えやすいため、簡単なストレッチを取り入れると冷えも解消されるでしょう。
【ストレス解消法②】1日やったことを書き出す
国試前に漠然とした不安を感じる場合は、1日やったことを書き出してみてください。書くことで今日やったことが可視化でき、不安の軽減につながります。
また何をやり残したかの確認だけではなく、不安な気持ちをありのままに書くのもおすすめです。今の気持ちを客観的に見られるため、心が整理され不安や焦りの解消につながるでしょう。
この方法はきれいに文章でまとめたり、日記のように毎日書かなければいけないわけではありません。ストレスや不安を抱えて苦しくなったとき、思いのまま書きたいことを書いてください。
ノートに手書きするのが面倒な人は、スマホやパソコン上に打ち込むのもOKです。人に見せる必要もないため、軽い気持ちで自分の気持ちを書き出してみましょう。
【ストレス解消法③】ガムを噛む
よく噛むことは、ストレスを軽減したり、集中力や気分の向上・記憶力の向上にもつながったりするとされています。ガムは噛みながら勉強もできるため、手軽に活用できるストレス解消法です。
ただし、長時間噛み続けることは顎の疲れなどを招き逆効果だそうなので、1回20分を目途に噛み終えるようにしましょう。
【ストレス解消法④】太陽の光を浴びる
太陽の光は、幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」の分泌を促進させるといわれています。セロトニンには脳の興奮を鎮め、精神を安定させる働きがあるようです。疲れた時は窓越しでよいので、日の光を浴びるとよいでしょう。
また、朝日を浴びると体内時計がリセットされ、自律神経を整えやすくなります。本番が近づくにつれて勉強で夜更かしをしてしまいがちですが、できれば早寝早起きを心がけ、規則正しい生活をすると気持ちもリフレッシュしやすくなるでしょう。
さらに試験本番は日中におこなわれるため、当日実力を最大限に発揮するためにも早い段階で朝方に切り替えるのがおすすめですよ。
【ストレス解消法⑤】空気を入れ替える
国試前は寒い時期ですが、気分転換として定期的に換気を行うことが大切です。こもった室内環境では二酸化炭素の濃度が高くなり、脳が疲労し集中力が下がるといわれています。
さらに、住宅・建築SDGs推進センター理事長の村上周三さんの研究では、換気を増やしたほうが学習効率やテストの点数が上がったとの報告もあります。これは、積極的な空気の入れ替えが国試対策にも役立つ可能性があるということです。
また空気を入れ替えるタイミングで深呼吸をすると、ストレスで乱れた自律神経を整えることにもつながります。本来は1~2時間に1回以上は換気したほうがよいとされていますが、学習効率も考え、ひと息つくタイミングで空気の入れ替えと深呼吸を取り入れましょう。
上手にストレスを解消して国試を乗り切ろう
国試シーズンは行動の制限や不安から、心身のストレスが溜まってしまう受験生も多いでしょう。元気に本番を迎えるためには、溜まったストレスを定期的に発散させることが大切です。
さらに自分にあったストレス解消法を見つけておくと、受験だけでなく看護師になってからも活かせます。まずは国試本番、自分の実力を最大限に発揮するために、自分にあったリフレッシュ方法を実践してみてくださいね。
引用・参考サイト
コロナ禍における労働者の座位行動とうつ病 コロナ禍を背景とした働き方やライフスタイルの変化に伴う身体活動や座位行動の変化のストレスやメンタルヘルスへの影響.ストレス科学研究 2021年:36巻:12~15頁(2023年12月14日閲覧)
呼吸筋の運動学・生理学とその臨床応用 第5分科会(呼吸)「呼吸と臨床運動学」.理学療法学 1994年:第21巻第8号553〜558頁(2023年12月14日閲覧)
独立行政法人環境再生保全機構:上手に付き合う(2023年12月14日閲覧)
厚生労働省:今の気持ちを書いてみる(2023年12月14日閲覧)
咀嚼によるストレス軽減効果 国際生命情報科学会誌 2013年:31巻1号:40~44頁(2023年12月14日閲覧)
農林水産省:よい生活リズムと生活習慣を身につけよう(2023年12月14日閲覧)
金子隆昌、村上周三、伊藤一秀、深尾仁:温熱・空気環境の質が学習効率に及ぼす影響に関する現地実測.学習環境におけるプロダクティビティ向上に関する研究(2023年12月14日閲覧)