編集部セレクション
  • 公開日: 2023/12/20

人気がない訪問看護師!その理由は…?

「ラウンジ☆セレクト」は「ラウンジ」で盛り上がった話題と、そこに寄せられたみなさんのご意見を紹介しています。

 今回のトピック 
訪問看護ステーションの管理者をしています。
国の方針は病院から在宅重視へ変わりました。収益が増え、利用者の増加も見込まれます。……が、スタッフが集まりません。利用者を増やすどころか、ステーションの維持すら危うい状態になりそうです。
どうしたら人が集まるのでしょうか?

 

実は間違ってる!?訪問看護のイメージ

■訪問看護師、目指したいけどハードルが…

訪問看護は1人で利用者様のお宅へ訪問するため、ケアや処置などでどうすれば良いか迷った時、自分の経験で判断しなければなりません。その責任の重さと、今までどれだけ知識、技術、経験を積んできたかが問われるので、やはり敷居が高い印象を与えてしまうのではないでしょうか。

訪問看護師はあるていど経験がないとできないなと思っています。だから新人で在宅に行く人はあまりいないかなと思います。

訪問看護は一人で対応しなければならないって所が一番ネックになっているのでは?どれだけ臨床で経験してきたかが問われる仕事ではないかと思っています。短時間で観察、援助をしないといけないんですよね?新卒ではまず対応が出来ないかと…

学生ですが、将来訪問看護師になりたいと思ってます。学校の先生に相談したところ、やはり新卒ではきびしい、三年くらいは病棟で知識や経験をつまないとと話されました。

訪問看護の分野はいまいち職種として業務内容が把握しにくいのではないでしょうか?募集される側からすると一概には表しようがないというのもあるかもしれませんね。

いずれは在宅看護に進みたいと真剣に考えています。ただ、踏み切れない理由は、時間外勤務が多いのではないか?療養者だけでなく家族の健康や思いを受け止めるだけの人間としての器が自分にあるかなど考えると、二の足を踏んでしまいます。

新卒ですが、将来は訪問看護やりたいです。対象の幅が広すぎて、経験のない分野の方のとこに行くのが、不安になると思います。

■こういう点をマイナスに感じて…

私の地域では訪問看護は看護師自ら車を運転して利用者さんのお宅へ訪問します。私は車の運転に自信がないので無理だなと思っています。

診療報酬のことも知っておかなければならず、ケアマネ資格があったほうがよいと聞きました。

記録が多かったり、駐車で捕まったり、ケアするより他のリスクが高いからです。

実際働くとイメージ変わる?「訪問看護ってこんな仕事!」

■やっぱり病院とは違う!

いざ訪問看護を始めてみると、患者さんも、ご家族も、病院で見る姿とは、全く違っていました。訪問看護をやって経験した、素敵なエピソードもたくさんあります。一番のリアリティーショックは、病院に居た時は気付かなかったけど“病院が、その人を病人にしてる”んだな、と感じたことでした。

病院と違いその方の生き方も見えてきます。限られた時間でもナースコールに邪魔されずに患者さんと向き合う事ができる。一人でやってくる不安もありますが、そこは体制が出来ていれば何とかなるかと思いますよ。相談できる環境かな。

本当の意味で患者さん主体の医療ができる、その方の生活や生き方をサポートできるのは、訪問看護の良さだし、何より看護の原点だと思うので、大変なこともあるかとは思いますが、やりがいの大きい現場ではないかと考えています。

病院勤務では味わえなかった人と人のふれあい。患者さんや家族と対等に接することができ、そこに人間らしさを得られます。

■病棟経験が短くても大丈夫!

「訪問看護師」も同じ看護師です。最新の医療を受けて病院から退院して来られる様々な利用者さんに対応できるよう研鑽しています。皆さんは「臨床経験が…」とおっしゃいますが、では「訪問看護師」には臨床経験が何年必要だと思いますか?

自分一人の力量ではないですが、福祉の方や、ヘルパーの方とダッグを組んで、情報交換を密にすれば、そんなに心配しなくても良いのではないでしょうか?結構根気は要りますが、利用者様を、良い方向に導きやすい気がします。

経験値ですが、今の学生さんはカリ組まれてますからね。数年病院で点滴や処置のお勉強と手技をマスターすれば大丈夫でしょう。やる気ある若い力は有難いです。

■「人が集まらない」課題は…?

入職時の教育体制、その後の職場内外の研修体制を充実させて、「病院経験が短くても大丈夫」と思ってもらえることが一つの策ではないかと思っています。

あんまり募集とかみても訪問看護ステーションって目につかないんですよね。病院ばっかりで。訪問って人が足りないイメージもないですよ。

在宅での看護の魅力と、責任の重さと葛藤する部分はありますが、それをフォローできる体制があれば自然と人は集まるのではないでしょうか。実際新卒で訪問看護を頑張ってる方々をたくさん見てきました。

私が感じる一番の、訪問看護不人気の原因は、やはり“在宅の現場を知らないこと”に尽きると思います。

少しだけ訪問看護ステーションで働いた経験があります。周りのスタッフにいつも相談に乗ってもらい、なんとかやっていけました。相談できる環境を整えることは訪問看護を初めて行うスタッフにとっては大事と思います。

私の夢は訪問看護ステーションの開業でしたが、待遇面で雇用されている看護師に満足されるか自信がなく、諦めました。

事業として成り立たなくなるほどの人材不足の中で、やりがいや善意だけで人を集めるのは厳しいと思います。

関連トピック:「 なぜ就職希望者がいないの?訪問看護師さん。
イラスト・なしま

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