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患者から投書されました。強い口調で言われて、上から話すような感じが不快だったし、初産で何もわからない私は不安定な状態になったと。言われていることは反省すべきだし、自分ではそんなつもりは無かったけれど、そう取られる話し方をしてしまったことは今後気をつけていこうと思っています。
でも。産前に何も勉強せず、一から教えてください、私は何もできませんという人でした。少しくらい本を読んだり、準備すべきじゃないですか?今から出産する人に事前に学んできてほしい、など患者さんに求めてはいけないのでしょうか?
「患者も勉強して」は看護師のエゴ?
■さすがに厳しいのでは?
妊婦だからお産に関して勉強しているはず。って実は看護師?助産師のおごりだと思います。
妊婦なんだから母なんだから勉強するのは当然だ、勉強してなくて一から教えてくれってのは母親として自覚なし!産む資格も母になる自覚もなし!勉強してないものが悪いし文句いうのはおかしい!!と言っているように感じました。
母として勉強しなきゃと思っても、私たちの感覚では想像がつかないような事情などでできなかったのかもしれません。情報がありすぎて、振り回されるのが怖くて、病院で教えてもらったことだけを信じようと思ったのかもしれません。
自分の身に起きていることを積極的に調べようとする患者さんの方が少ないと感じます。必要な情報は医療者から必然的に与えてもらえるものだろう、という感覚を持っている人が多いと思いますよ。
育児書やネットの情報に振り回され、かえって不安になることだってあるのではないでしょうか?だったら看護師さんを頼ろう。プロなんだから、安心できる。そう考えたかもしれないですよね?
■いくら勉強したとしても…
いくら勉強しても、なかなかイメージって湧かないものですよ。マタニティブルーって言葉があるように、投書した方の心は不安でいっぱいだったと思います。
私は看護師になる前に、三人の子どもを産みました。一般人の私からしたら、お産の事前学習なんて考えつきもしませんでした。もちろん、お産関係の雑誌なんかは読みましたよ。でも、お産や産後の経過なんてイメージできませんでしたよ。
私も初産の時、一応お産の勉強しましたが、緊急帝王切開になったので、お勉強したこと役にたちませんでした。いろんな方が病院にこられますので、いつでもにこやかに対応してください。
妊婦は「不安定」の塊
■出産は「パニック!」体験談
私が初産の時、“看護婦のくせに…”って言われて、悲しい思いをしました。ある程度お産関係の本読みましたが、本の通りお産は進まず、実家ではなく婚家先に近い病院で一人で陣痛に耐えていて、寂しさもありちょっとパニックでした。
産後は自分でもコントロールつかないほど不安定になった。何にもないのにこどもの声聞いて大号泣とか。ホルモンの大変動って実感。他の方も大なり小なりホルモンの変動を実感してるんじゃないかな?
私は3人出産しましたが、すべて違う病院でした。病院によってやり方も違えば、教えられる事も違い毎回戸惑う事もありました。身体の回復も母乳育児も思うようにいかず不安定にもなりました。
■「知らなさすぎる」人だってザラです。
育児書どおりに授乳がうまくいかないと言って、怒っていた産婦さんがいたのを思い出しました。ある程度の知識は持っていたほうがいいとはおもいますが、アドバイスを受けながら育児をしていくほうが、赤ちゃんにとっても、お母さんにとっても成長を促すのではないでしょうか。
受診に来て1カ月の子つれて、ずっと熱が37℃なんです。って泣きそうにいうお母さんや、電話相談で2週間前に生まれたけど3日便が出ない。受診した方がいいのか。と相談があったり(T_T)え?って感じですよね(´・_・`)なので、失礼ですがお母さんの勉強とか正直期待しない方がいいと思ってますね。私は。
ナースだからこそ、妊婦さんに出来ること
■こんな時こそアセスメントとフォロー!!
周産期に自分でも学んでいこうという雰囲気がその妊婦さんに感じられなかったんですね。その時点で、そのアセスメントを生かして興味を持ってもらえるような働きかけが出来ていたらとても良い関係が築けたと思います。
外来の妊婦検診で何のアプローチも無かったのでしょうか?何も自己学習できていないまま出産まで至った、外来でのフォローの責任もあったように思います。妊婦さん自身の問題もあると思いますが、今回は外来と病棟で妊婦への関わりについて見つめなおす良い機会になると思います。
「一から教えてください。私は何もできません」は一つの情報です。「産婦人科の看護師や助産師はお産のプロだから、その人にいろいろ教わろう」と考えていたのかもしれないですよね。未体験の不安を受け止めるくらいにしておいたほうが無難です。
■フォローの仕方も「ナースの視点から」
お母さんに勉強をしてほしいと思うなら、参考になるツールを紹介するのも、医療者の役目だと思います。
ものは考えようで、妊婦さんが独自で、調べた結果間違っている知識を持たれるよりかは、此方が知識を提供した方が、安全の確保ができる事もありますし。
出産されて自宅に帰れば、慣れない育児に四苦八苦。 それが原因で、虐待に繋がるケースもありますよね。 我が子を可愛いと思えないというケースも…そういう事を妊産婦の言葉の端々から感じとり対策を講じるのも看護師や助産師の仕事だと思います。
私が妊婦なら、言葉のキャッチボールと供に、感情のキャッチボールもして欲しいな。妊婦さんも勉強する事は、間違いではなく望ましい事だけど、正論を振りかざされると耳に栓が入りますよ。
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」
イラスト・なしま