コラム
  • 公開日: 2022/2/5

【連載】知っておきたい お金のはなし

30代・40代は保険を考える年代! 理由とこの年代におすすめの保険はコレ

30代・40代は、結婚や出産を経て今後のライフプランが固まってくる年代です。 金銭的にも余裕が出てくるため、保険について考える看護師さんもいるでしょう。

 

 

そこで今回は、30代・40代で考えたい保険商品の種類について解説します。
「そろそろちゃんとした保険に入りたい」という30代・40代の看護師さんは、保険選びの参考にしてください。




 

30代・40代の看護師が保険を考えるべき理由

30代・40代は、保険の見直しを考えるちょうどいい年代です。

なぜならこの年代に今後のライフプランが決まったり、経済的に安定したりする人が多いからです。

日本は年々晩婚化が進んでいます。2020年度の平均初婚年齢は夫31.0歳、妻29.4歳1)。 第1子出産時の母親の平均年齢は30.7歳です。看護師の場合も例外ではなく、30歳前後で結婚し、30代~40代を子育て期として過ごす人が多いのではないでしょうか。家族が増えれば今後のライフプランも定まってくるため、保険の入り方も見直す必要が出てきます。

また30代・40代は、収入が上がってくる年代でもあります。中には役職がついて出世し、一家の大黒柱になっている看護師さんもいるでしょう。その分ご自身に万が一のことがあれば、収入を失ったときの反動が大きくなります。独身の方でも、長期的に働けなくなればダイレクトに家計に響くでしょう。だからこそ、独身者でも既婚者でも、30代・40代で今後の人生をふまえた保険を考える必要があるのです。

独身者の方は、ご自身が長期的に働けなくなったときの収入保障。家族がいる人は、収入保障に加えて家族のための遺族保障を得られる保険がいいでしょう。それぞれ次項で詳しく解説していきます。

 

30代・40代の独身におすすめの就業不能保険

30代・40代で独身の看護師さんには、働けなくなったときの生活費を保障する「就業不能保険」をおすすめします。

就業不能保険とは、病気やケガで一定期間入院したり、長期の自宅療養が必要になったりしたときの収入減少に備える民間の保険です。

もちろん、働けない状態によっては傷病手当金や障害年金といった公的な保障制度があります。勤続年数が長い看護師さんであれば有給があるため、ある程度仕事を休んでも収入を補てんできるでしょう。

とはいえ、医療費や薬代がかかったり、長期間働けない状態になるということは、仕事だけではなく家事もままならない状態になるということです。自炊をやめてお弁当にしたり、お惣菜中心の食事にすればそれなりに支出も増えるでしょう。

またサプリメントを飲み始めたり、栄養のある食材を買い、食費が上がる人もいます。公的保障や有給で最低限の仕事の収入分を確保できたとしても、細々とした生活費の支出まではカバーしきれないのではないでしょうか。

就業不能保険は、保険の使い道に制限はありません。所定の働けない状態に該当すれば一定の給付金を受け取れ、生活のあらゆる費用を補てんすることができます。「独身で万が一のときに頼れる家族がいない」という人ならなおさら、生活を支える就業不能保険で備えておくと安心です。

 

30代・40代の夫婦・子育て世帯におすすめの保険

30代・40代のご夫婦や子育て世帯の看護師さんには、家族のための遺族保障(死亡保障)となる生命保険をおすすめします。

生命保険にはさまざまな種類があります。ここでは家族のいる人が考えたい生命保険の種類について、以下の表に特徴をまとめました。


【生命保険の分類】

定期保険 一定期間の死亡保障を割安に備えられる保険。いわゆる掛け捨て型で貯蓄性はない
終身保険 一生涯の死亡保障を備えられる保険。解約返戻金があるため、貯蓄性がある
養老保険 あらかじめ自身で定めた期間(満期)までの死亡保障を備えられる保険。死亡保険金と満期保険金が同額であり、貯蓄性が高い分保険料も割高になる
収入保障保険 一定期間の死亡保障を年金または月額給付形式で受け取れる保険。保険期間の経過に応じて受取総額が減っていく合理的な設計のため、保険料が割安。いわゆる掛け捨て型で貯蓄性はない

それぞれ特徴が異なるため、各家庭の方針や予算にあわせて適した生命保険を選ぶといいでしょう。各家庭に適した保険の選び方については、以下で詳しく解説していきます。

 

割安な保険料で一定期間の保障に備えたいなら


「子どもが成人するまでの保障を割安に備えたい」
「保険と貯蓄機能は分けて考えたい」
このように考える方さんには、定期保険収入保障保険が向いています。

どちらの保険も、原則として掛け捨て型です。保険を解約しても解約返戻金はありません。その分保険料は割安になっており、家計の負担をできるだけ抑えることができます。

子どもが成人するまでの20年間や、定年になる60歳までなど、各家庭の事情にあわせた保険期間を自由に設定できるのが特徴です。

では定期保険と収入保障保険の違いは何かというと、保険金の受取総額が違います。定期保険は保険金額が一律になっており、保険の対象になる人がいつ亡くなっても同じ金額が保障されます。一方で収入保障保険は、保険期間の経過とともに受取る保険金の総額は減っていきます。子どもの成長にあわせて保障額が変化していくため、定期保険よりも保険料が割安に設定されていることが多いです。

いつでもまとまった保険金を受取りたい人は定期保険を、より割安な保険料を求める人は収入保障保険を検討するといいでしょう。

 

保障とあわせて貯蓄もしたいなら


「どうせなら貯蓄機能もほしい」
「教育費や老後資金にも使える保険がいい」
このような方には、まとまった保険金を手にできる終身保険養老保険が向いています。

人間の死亡率は100%。つまり終身保険は、続ければいつか絶対に保険金が手に入る保険です。一定年数経過すれば解約返戻金を受け取れるため、途中で解約して老後資金や教育費に充てて活用することも可能です。

また、養老保険は、満期まで続ければ死亡保険金と同額の満期保険金を手にできます。ありていに言えば、死んでも生きていてもいつかは同じ保険金を手にできるということです。

どちらの保険も貯蓄性があるため、掛け捨て型より保険料は割高になります。一方で、貯蓄性がある保険は、加入すると簡単にはやめられない強制力があります。貯蓄が苦手で浪費気味という方は、保険の強制力を使って貯蓄する方法も考えてみましょう。保険は、保険会社と保険契約者との契約によって成立する保障制度。一度契約すれば、簡単にやめたり気軽に資金を引き出したりするハードルが高くなります。だからこそ、強制的に保障を持ちつつ貯蓄できます。

「自分で銀行に預金しても、すぐに引き出してしまう」「自分で貯蓄するのが苦手」という人はなおさら、強制的に保障と貯蓄を持てる終身保険養老保険を検討してみてください。

 

見えてきた将来に備えて保険の選択を

30代・40代は、ライフスタイルと収入が安定してくる年代です。

看護師さんの場合は看護主任となり、バリバリ働いて家計を支えている人もいるでしょう。
今後の人生の方針が見えてくるだけではなく、家族や自分自身の生活を守る責任が出てくる30代・40代は保険を見直すのに最適の時期です。

独身の人であれば就業不能保険、家族がいる人であれば遺族保障として生命保険を検討し、それぞれの責任に適した備えを用意しましょう。

ただし民間の保険は選択肢が多く、一つの種類の保険でも各社から多様な商品が販売されています。「保険に入りたいけれど、どの会社の商品が自分にあうのかわからない」という人は少なくありません。

迷ったときは保険に詳しいファイナンシャル・プランナーや、複数の保険を取り扱う保険代理店の担当者に相談してみましょう。彼らは保険を使ったリスクマネジメントの専門家です。あなたが備えるべきリスクを洗い出したうえで、最適な保険商品をアドバイスしてくれるでしょう。

この機会に専門家に相談して、ご自身に適した保険を見つけてみてはいかがでしょうか。


 

 

出 典

1)厚生労働省:結果の概要.令和2年人口動態統計月報年計(概数)の概況.https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai20/dl/kekka.pdf(2022年1月14日閲覧)

 

 

この記事を書いたのは

服部 椿
金融代理店での勤務経験と自身の投資経験を活かしたマネーコラムを多数執筆中。
子育て中のママFPでもあり、子育て世帯向けの資産形成、ライフプラン記事の執筆が得意。
保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士



記事監修:株式会社ファーストプレイス



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