2021年11月1日からスタートした第111回看護師国家試験対策「1問1答マラソン」にご参加いただきありがとうございます!
会員の方から「1問1答マラソン」で出題された問題をもう一度見直したいというお声をいただきました。
そこでこのページでは、過去1週間に出題した問題と解答・解説を、まとめて掲載していきます!
【週1回ずつの毎週更新です】
■2021年12月21日~12月23日出題分
問題51:この時のAちゃんへの看護で適切なのはどれか。
Aちゃん(8歳、女児)は、両親と妹(3歳)の4人家族である。2歳時に気管支喘息と診断された。5歳までは喘息発作のため救急外来を受診することも多く、年に1回は入院していた。6歳から発作を起こすこともなくなり、定期受信はしなくなっていた。アレルゲンは、ダニとハウスダストである。
Aちゃんは、学校から帰ってきた後から咳嗽がみられ、元気がなかった。夕食はあまり食べずに就寝した。夜間になり「苦しくて眠れない」と訴え、母親とともに救急外来を受診した。
救急外来で気管支拡張薬の吸入が行われたが、吸入後も呼吸数32/分、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉94%であったため入院することになった。入院後、鼻カニューレによる酸素投与と点滴静脈内注射が開始され、1日3回のステロイド薬の静脈内注射と1日4回の気管支拡張薬の吸入が開始された。翌日、酸素投与は中止された。バイタルサインは、体温36.8℃、呼吸数22/分、心拍数94/分、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉97%。聴診で喘鳴が聴取された。Aちゃんは「楽になった」と話し、笑顔が見られるようになった。
この時のAちゃんへの看護で適切なのはどれか。
1.排痰を促す。
2.胸式呼吸を促す。
3.水分摂取を控える。
4.ベッド上安静とする。
解答:1
1.(〇)
2.(×)腹式呼吸を促す。
3.(×)水分を控えると喀痰もしづらくなる。水分を控える必要はない。
4.(×)呼吸困難が改善されれば、安静の必要はない。
第108回(2019年)
問題52:下部尿路症状のうち蓄尿症状はどれか。2つ選べ。
1.尿失禁
2.残尿感
3.腹圧排尿
4.尿線途絶
5.尿意切迫感
解答:1、5
膀胱と尿道で構成される下部尿路に障害がある状態を下部尿路障害といい、蓄尿や排尿に関する種々の下部尿路症状を引き起こす。下部尿路症状には、蓄尿症状、排尿症状、排尿後症状がある。
1.(〇)尿失禁は、蓄尿症状である。
2.(×)残尿感は、排尿後症状である。
3.(×)腹圧排尿は、排尿症状である。
4.(×)尿線途絶は、排尿症状である。
5.(〇)尿意切迫感は、蓄尿症状である。
第107回(2018年)
■2021年12月23日~2022年1月5日出題分
問題53:高齢者が共同生活をする施設で、感染の拡大予防のために個室への転室などの対応を必要とするのはどれか。
1.白癬
2.帯状疱疹
3.蜂窩織炎
4.角化型疥癬
5.皮膚カンジダ症
解答:4
1.(×) 白癬は皮膚からの感染であり、接触や感染者が使用したタオルなどの共有を避けることで感染拡大は防げる。個室隔離の必要性は低い。
2.(×) 帯状疱疹の患者から水痘にかかったことのない乳幼児に水痘として感染する可能性はあるが、高齢者で初感染は考えにくいため、個室隔離の必要性は低い。
3.(×) 蜂窩織炎は虫刺されなどの皮膚障害部位から皮下組織に化膿レンサ球菌や黄色ブドウ球菌が侵入し炎症を起こした状態。他者への感染はしない。
4.(〇) 疥癬はヒゼンダニの感染により皮膚の異常と激しいかゆみを起こす。角化型疥癬は特に感染力が強く、個室隔離が必要である。
5.(×) 皮膚カンジダ症は真菌の一種による日和見感染であり、個室隔離の必要はない。 第109回(2020年)
問題54:筋骨格系の加齢に伴う変化が発症の一因となるのはどれか。
1.肺結核
2.骨盤臓器脱
3.前立腺肥大症
4.加齢黄斑変性
5.慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉
解答:2
1.(×)肺結核は、加齢に伴う変化と発症は関連しない。
2.(〇)骨盤臓器脱は、膀胱・子宮・直腸・腟などが腟口から脱出する状態をいう。出産・加齢などにより骨盤底筋が緩み、支持組織が損傷されるためにおこる。
3.(×)前立腺肥大症は、前立腺の老化によるものである。
4.(×)加齢により網膜の中心部である黄斑に障害が生じる病気である。
5.(×)慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、筋骨格系の加齢に伴う変化には、関連しない。
第107回(2018年)
問題55:胸腔ドレーン挿入中の患者の看護で適切なのはどれか。
1.ミルキングは禁忌である。
2.持続的に陽圧となっているか観察する。
3.ドレーンチューブに触れた後は手指衛生を行う。
4.ドレーンバッグは挿入部より高い位置に設置する。
解答:3
1.(×)胸腔ドレーン挿入中の患者にミルキングは禁忌ではない。
2.(×)持続的に陰圧になっている。
3.(〇)ドレーンチューブは、体液を排液しているものであり、触れた後は手指衛生を実施する。
4.(×)逆行性の感染を防ぐ目的でも、ドレーン挿入部より低い位置にする。
第108回(2019年)
問題56:複数の筋腹が腱で直列につながっている筋はどれか。
1.咬筋
2.上腕二頭筋
3.腹直筋
4.大腿四頭筋
解答:3
1.(×) 咬筋は咀嚼筋のひとつで、頬骨弓から起って下顎骨に付着する。
2.(×) 上腕二頭筋は、筋頭が複数に分かれた多頭筋である。
3.(〇) 筋腹が複数回、途中で腱に変わるものを多腹筋と呼び、腹直筋などが該当する。
4.(×) 大腿四頭筋は、筋頭が複数に分かれた多頭筋である。
第110回(2021年)
問題57:感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉において、重症急性呼吸器症候群〈SARS〉の分類はどれか。
1.一類感染症
2.二類感染症
3.三類感染症
4.四類感染症
解答:2
1.(×) 一類感染症は、エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、痘そう、南米出血熱などが含まれる。
2.(〇) 二類感染症は、急性灰白髄炎、ジフテリア、重症急性呼吸器症候群(SARS)、結核などが含まれる。
3.(×) 三類感染症は、腸管出血性大腸菌感染症、コレラ、細菌性赤痢、腸チフスなどが含まれる。
4.(×) 四類感染症は、E型肝炎、A型肝炎、黄熱、Q熱、狂犬病、炭疽などが含まれる。
第110回(2021年)
問題58:浣腸後に想定される反応便はどれか。
Aちゃん(生後10ヶ月)は、それまで機嫌よく過ごしていたが、夕方から突然不機嫌になり、15~20分ごとに激しく泣いては、泣き止むことを繰り返した。Aちゃんは夕食の離乳食を食べず哺乳もしなかったが、嘔吐したため21時に保護者と救急病院を受診した。担当医師は保護者に、腸重積症が疑われるためグリセリン浣腸を行って便性を確認する、と説明した。体温は37.1℃であった。
浣腸後に想定される反応便はどれか。
1.兎糞便
2.タール便
3.灰白色便
4.米のとぎ汁様便
5.イチゴゼリー様便
解答:5
1.(×)
2.(×)
3.(×)
4.(×)
5.(〇)腸重積は、腹痛・嘔吐・血便(イチゴゼリー様の血の混じった便)が特徴的な症状である
第108回(2019年)
問題59:ラテックス製手袋を着用した直後に口唇・手足のしびれと喉頭の違和感を自覚した。原因となる病態はどれか。
1.I型アレルギー
2.II型アレルギー
3.III型アレルギー
4.IV型アレルギー
解答:1
1.(〇) ラテックス製手袋の装用直後のアレルギー症状は、I型アレルギーである。I型アレルギーは即時型とも呼ばれ、症状の発現時間が短いのが特徴である。
2.(×)
3.(×)
4.(×)
第109回(2020年)
問題60:感染症の成立過程において、予防接種が影響を与える要素はどれか。
1.病原体
2.感染
3.感染経路
4.宿主の感受性
解答:4
予防接種とは、病気の予防のため、毒力を弱めた病原菌などを、体内に入れて抵抗力をつけることである。
1.(×)予防接種は、病原体に作用するものではない。
2.(×)予防接種は、感染源に作用するものではない。
3.(×)予防接種は感染経路に関与するものではない。
4.(〇)予防接種は、宿主の感受性をつけるものである。
第107回(2018年)
問題61:A君の状態から最も考えられる疾患はどれか。
A君(13歳、男子)。2週前から下腿の紫斑、腹痛、膝関節の疼痛が出現し、近くのクリニックを受診した。血尿および蛋白尿も認められたため、病院を紹介され受診した。既往歴および家族歴に特記すべきことはない。
身体所見 : 体温36.7度、血圧110/66mmHg。意識清明。腹痛、浮腫なし。両膝関節の軽度の疼痛があるが、腫脹および発赤なし。両下腿に紫斑が散在している。
検査所見 : 血液所見:赤血球 470万/マイクロリットル、白血球5600/マイクロリットル、血小板 21万/マイクロリットル。プロトロンビン活性〈PT活性〉105%(基準値80~120%)、活性化部分トロンボプラスチン時間〈APTT〉32.0秒(基準対照 31.2秒)。クレアチニン 0.56mg/dL、アルブミン3.7g/dL、CRP0.1mg/dL。補体価〈CH 50〉41IU/mL(基準値30~45IU/mL)、抗核抗体陰性。尿所見:蛋白3+、潜血2+、赤血球50~99/1視野。
A君の状態から最も考えられる疾患はどれか。
1.川崎病
2.血友病
3.急性リンパ性白血病
4.全身性エリテマトーデス
5.ヘノッホ・シェーンライン紫斑病〈IgA血管炎〉
解答:5
1.(×)川崎病の主症状は、5日以上続く熱、発疹などであり、A君の所見と一致しない。
2.(×)血友病Aでは、出血班や出血があるのが特徴であるが、A君の所見と一致しない。
3.(×)血液所見:赤血球 470万/μL、白血球5600/uL、血小板 21万/μLであり、急性リンパ性白血病ではない。
4.(×)全身性エリテマトーデス (SLE)の所見はみられない。
5.(〇)ヘノッホ・シェーンライン紫斑病〈IgA血管炎〉は、皮膚症状では、紫斑や点状出血を認めることが多い。下腿が多いが、臀部や上肢、体幹や顔面にも広がることがある。関節炎は下肢関節が多い。A君の所見と一致している。
第107回(2018年)
問題62:廃用症候群を予防する方法で正しいのはどれか。
1.関節固定後の等張性運動
2.ギプス固定後からの等尺性運動
3.下腿の中枢から末梢へのマッサージ
4.足底板の装着による下腿三頭筋の収縮
解答:2
1.(×)等張性運動は、関節固定後には実施できない。等尺性運動が推奨される。
2.(○)ギプス固定後は、積極的に等尺性運動を実施する。
3.(×)マッサージを実施するには、末梢から中枢に向かって実施する。
4.(×)足底板は姿勢制御や跛行の改善、疼痛の軽減などを目的に歩行時に使用する。下腿三頭筋の収縮と関連性は低い。
第107回(2018年)
問題63:急性期患者の生体反応で正しいのはどれか。
1.異化が亢進する。
2.症状の変化は緩やかである。
3.サイトカイン分泌が低下する。
4.副腎皮質ホルモンの分泌が低下する。
解答:1
1.(〇) 急性期には、酸素量の増大、糖新生亢進・耐糖能の低下、脂肪分解の促進などの異化亢進状態となる。
2.(×) 急性期の生体反応は急激である。
3.(×) 急性期生体反応として、サイトカインの過剰分泌がおこる。
4.(×) 急性期生体反応として、副腎皮質ホルモンの過剰分泌がおこる。
第109回(2020年)
問題64:充填された酸素ボンベの保管方法で正しいのはどれか。
1.横に倒して保管する。
2.保管場所は火気厳禁とする。
3.バルブを開放して保管する。
4.日当たりの良い場所で保管する。
解答:2
1.(×)ボンベは架台やチェーンを使用して転倒・転落等による衝撃を防止する。
2.(○)容器置場の周囲2m以内においては、火気の使用を禁止し、引火性、発火性のものは置かない。
3.(×)ボンベのバルブは完全に閉めて保管する。
4.(×)直射日光を避け通風の良い所に置き、温度40℃以下に保つ。
第107回(2018年)
問題65:Aさん(56歳、男性)は、化学療法後の血液検査にて好中球数300/mm3であった。Aさんの状態で正しいのはどれか。
1.入浴を控える必要がある。
2.日和見感染症のリスクが高い。
3.口腔ケアには歯間ブラシを用いる必要がある。
4.化学療法の開始前と比ベリンパ球数は増加している。
解答:2
好中球数1500/mm3 以下を好中球減少症といい、500/ mm3未満になると口腔または消化管に内在する常在細菌が感染症をひきおこす(日和見感染)など易感染状態となる。重度の感染症になる危険性がある。
1.(×)
2.(○)
3.(×)口腔内を清潔に保つ必要があるが口腔粘膜を傷つけないことも重要である。
4.(×)化学療法による骨髄抑制が考えられるため、リンパ球も減少していることが予測される。
第107回(2018年)
問題66:この時のAさんの状態のアセスメントで適切なのはどれか。
Aさん(30歳、初産婦)は、正常分娩で児を出産した。第2度会陰裂傷を認め、会陰縫合術を受けた。分娩3時間後に、分娩室から褥室へ帰室した。産褥1日のAさんのバイタルサインは、体温36.8℃、脈拍72/分、血圧118/70mmHgであった。子宮底は臍下1横指で、子宮は硬く触れ、血性悪露中等量、後陣痛がみられる。会陰縫合部の痛みはあるが発赤はない。乳房緊満(-)、乳管開口数は左右とも4、5本。「昨夜は興奮してなかなか眠れなかった」と言う。この時のAさんの状態のアセスメントで適切なのはどれか。
1.子宮収縮は良好である。
2.縫合部に感染徴候がみられる。
3.分娩の受け止めに問題がある。
4.産褥日数に比べて進行性変化が遅い。
解答:1
1.(〇) 産褥1日で子宮底は臍下1横指、子宮は硬く触れており、子宮収縮良好である。
2.(×) バイタルサインは正常であり、会陰縫合部も痛み以外に問題はなく、感染徴候は認められない。
3.(×) 分娩の受け止めに問題があるとする行動・言動は特にない。
4.(×) 乳房緊満(-)、乳管開口数は左右とも4、5本と、産褥日数相応の進行性変化である。
第109回(2020年)
■2022年1月6日~1月14日出題分
問題67:加齢によって高齢者に便秘が起こりやすくなる原因で適切なのはどれか。
1.経口摂取量の低下
2.味覚の閾値の低下
3.腸管での水分吸収の低下
4.直腸内圧感受性の閾値の低下
解答:1
1.(〇) 高齢者の便秘で多いのが弛緩性便秘であり、経口摂取量の低下や運動不足によっておこる。
2.(×) 加齢によって味覚の閾値は上昇する。
3.(×) 腸管での水分吸収が低下すると、下痢になる。
4.(×) 直腸内圧感受性の閾値が低下すると、少量の便でも直腸が過敏に反応するため、便秘にはならない。
第110回(2021年)
問題68:A看護師が最も優先すべきなのはどれか。
夜勤帯に、A看護師がスタッフステーションで抗菌薬の点滴静脈内注射を準備しているときに、発汗した患者から寝衣交換の依頼があり、別の患者から口渇で飲水したいという希望があった。直後に患者に装着されている人工呼吸器のアラームが鳴った。他の看護師は別の病室で重症者のケアをしている。A看護師が最も優先すべきなのはどれか。
1.点滴静脈内注射の準備
2.発汗した患者の寝衣交換
3.飲水を希望する患者への対応
4.人工呼吸器を装着している患者の観察
解答:4
1.(×) 最も優先度が高いのは、生命維持に関わる人工呼吸器装着中の患者の観察である。
2.(×)
3.(×)
4.(〇)
第110回(2021年)
問題69:看護管理者が行うマネジメントで最も優先するのはどれか。
病院では、育児中の時短通勤、夜勤専従、非常勤など多様な労働時間や雇用形態の看護師が働いている。看護管理者が行うマネジメントで最も優先するのはどれか。
1.夜勤専従の看護師の休暇を増やす。
2.育児中の看護師の院内研修を免除する。
3.非常勤看護師は患者の受け持ちを免除する。
4.特定の看護師に仕事が集中しないよう調整する。
解答:4
1.(×)優先度が高いと判断する情報がない。
2.(×)育児中であっても看護師として働くために必要な研修は受ける必要がある。
3.(×)
4.(○)働くことに制限のない看護師には業務が集中しやすくなるため、管理者はマネジメントするうえで注意が必要である。
第108回(2019年)
問題70:小児慢性特定疾病対策における医療費助成で正しいのはどれか。
1.対象は5疾患群である。
2.対象年齢は20歳未満である。
3.医療費の自己負担分の一部を助成する。
4.難病の患者に対する医療等に関する法律に定められている。
解答:3
1.(×)対象は16疾患群である。
2.(×)18歳未満(引き続き治療が必要であると認められる場合は、20歳未満)の児童。
3.(〇)小児慢性特定疾病医療費助成は児童福祉法に基づく、医療費の自己負担分の一部を助成する制度である
4.(×)
第108回(2019年)
問題71:診療情報の取り扱いで適切なのはどれか。
1.診療情報の開示請求は患者本人に限られる。2.医療者は患者が情報提供を受けることを拒んでも説明する。
3.2類感染症の届出は患者本人の同意を得なければならない。
4.他院へのセカンドオピニオンを希望する患者に診療情報を提供する。
解答:4
1.(×)診療記録の開示は、原則として患者本人であるが、診療契約に関する代理権が付与されている任意後見人等は患者に代わって開示を求めることができる。
2.(×)医療従事者は、患者が「知らないでいたい希望」を表明した場合には、これを尊重しなければならない。
3.(×)感染症法により届出が定められている。
4.(○)医療従事者等は、患者等が患者の診療記録の開示を求めた場合には、原則としてこれに応じなければならない。
第108回(2019年)
問題72:手術までの自宅でのAさんの過ごし方で、優先して指導すべき内容はどれか。
Aさん(43歳、女性)は夫と2人暮らし。身長150cm、体重98kg。既往歴はない。先日、庭で転倒し右腓骨を骨折し、膝関節から足関節までのギプス固定をしている。来週、プレート固定術を受けることになっており、本日は夫と一緒に術前オリエンテーションに来院した。来院時のAさんのバイタルサインは、体温36.8℃、呼吸数16/分、脈拍80/分、血圧138/80mmHgであった。夫によると「妻は、寝ているときはいつも大きないびきと、時々無呼吸があるので、慌てて起こしている」と言う。手術までの自宅でのAさんの過ごし方で、優先して指導すべき内容はどれか。
1.食事制限
2.足趾の運動
3.ベッド上安静
4.体位変換の方法
解答:2
1.(×) Aさんは身長150cm、体重98kgと肥満であるが、手術までの短期間で食事療法を行う必要性は低い。
2.(〇) ギプス固定されている患肢の筋肉は急速に萎縮するので、足趾の運動は優先度が高い。
3.(×) ADL低下につながるため、ベッド上安静は避ける。
4.(×) 右足の膝関節から足関節までのギプス固定のため、自身での体位変換が可能と考えられる。
第110回(2021年)
問題73:新生児聴覚スクリーニング検査で正しいのはどれか。
,p> 1.空腹時に行う。2.泣いていない時に行う。
3.タンデムマス法で行う。
4.生後24時間以内に行う。
解答:2
1.(×)授乳後の入眠中が望ましい。
2.(○)入眠中が望ましいが、自動耳音響放射検査は静かにしている状態でも検査は可能である。
3.(×)タンデムマス法は先天性代謝異常の検査法である。
4.(×)出生直後は中耳に羊水が残っていることがあるためさける。
第108回(2019年)
問題74:更年期の女性で増加するのはどれか。
1.卵胞刺激ホルモン〈FSH〉
2.テストステロン
3.プロラクチン
4.エストロゲン
解答:1
エストロゲンの分泌低下により、下垂体へのフィードバック機能が働かなくなり、下垂体から分泌される、卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモンの分泌は高まる。
1.(○)卵胞刺激ホルモン〈FSH〉の分泌は高まる。
2.(×)テストステロンは、精巣のホルモンで、男性の第二次性徴に関与する。
3.(×)プロラクチンは、乳汁分泌に関するホルモンで、妊娠後期に最高となる。
4.(×)エストロゲンは分泌が低下する。
第107回(2018年)
問題75:成人患者への薬剤の投与方法で正しいのはどれか。
1.筋肉内注射は大殿筋に行う。
2.点眼薬は結膜嚢に滴下する。
3.皮下注射は前腕内側に行う。
4.食間の指示の経口薬は食事中に服用させる。
解答:2
1.(×)筋肉内注射の場合は中殿筋を選択したほうが安全。
2.(〇)
3.(×)腕では、上腕伸側(上腕後側正中線下1/3の部位)または三角筋前半部が選択される。
4.(×)食間は食事と食事の間になる。
第108回(2019年)