編集部セレクション
  • 公開日: 2021/7/16

「KCLは単独ルート」の根拠って?

「ラウンジ☆セレクト」は「ラウンジ」で盛り上がった話題と、そこに寄せられたみなさんのご意見を紹介しています。

 今回のトピック 
ソルアセト500ml+KCL20meqをポンプで投与の指示が出ました。ルートは一つしかなく既に、ビーフリードと側管から抗生剤が繋がっていました。
先輩に「KCLは単独ルートです」と言われ、ルートをもう一つとってから投与したのですが、KCLが単独ルートの根拠がよく分かりません。側管から別のくすりを投与する事で濃度が変わってしまうのと、急速投与の危険性があるからでいいでしょうか?

 

「KCLは単独ルート」の根拠って?

■KCLは単独で行くべき?

薬剤投与の面で考えるならKCLは単独が原則ではありません。

単独投与するという考え方の方が恐ろしいです。KCl補正液は、希釈してゆっくり投与するのが常識。それを、希釈せずに投与する人が出てきかねないルールな気がします。

■気を付けるべきは「滴下速度」

もしビーフリードがポンプで投与されていないなら留置部位、患者の体位によってはルート内の薬液が急速投与されるリスクがあります。KCLを投与する上での危険性を理解していれば自然滴下で投与しているビーフリードの側菅から投与はしようとは思わないはずです。

ビーフリードがポンプで投与されているのなら側菅からKCLを投与してもよいと思います。単独投与としているのは一般病床ではポンプで投与していない場合が多く事故起こさないようにそう決めているのではないですか?

カリウムの急速投与が危険だから、その意識付けと、無条件にそうしていれば本当に危険な場合のみに行おうとする時に看護師の知識や判断力に頼らなくても良いから。
必要無くても行う理由は、こんなところじゃないでしょうか?

慎重投与薬だからです。落下速度が速いと電解質のバランスが崩れ、死にも至りかねない薬剤なので、原則別ルートでケーシーエル20mlを1000ccで希釈しポンプを使用していました。

■側管から投与は大丈夫?

十分に希釈されていたら薬液を側管からワンショットで流すのは大丈夫です。製品によって当然異なりますが、うちで使っている主なルートは1cmあたりの体積が0.2ml。これから、側管からフラッシュした時に同時にフラッシュされる量を計算してみると良いかと。

循環器の患者でもKCL(1cc=1mEq)を血中のK濃度や尿量によっては20mEq/Hr.*2でCVCやSGCから投与することは普通にあります。

外液のみ、高カロリー輸液のみなどそういったルートなら脂肪製剤、ネオフィリン、アレビアチン、オメプラゾールなどの配合変化が起きやすい薬剤も生食でフラッシュする、希釈するなどして側菅から投与するのが普通かと思います。

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イラスト・なしま

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