編集部セレクション
  • 公開日: 2021/6/9

SpO2の低下はないのに、酸素投与をアップ…?

「ラウンジ☆セレクト」は「ラウンジ」で盛り上がった話題と、そこに寄せられたみなさんのご意見を紹介しています。

 今回のトピック 
4Lリザーバーマスクで酸素投与中の患者さんが努力呼吸をしていました。Spo2の低下はなかったのですが、その後、先輩は10Lに酸素投与をアップしていました。
Spo2が下がっていないのに酸素投与量をあげる必要ってなんですか?

不明熱で連日40度程の発熱がある方です。病態ははっきりしていません。意識障害があり3-200くらいで経過してます。
体動や痙攣によりSPO2が80台まで下がることもありますが、96~98%で経過している方でした。4Lでも96%取れていました。

 

SpO2の低下はないのに、酸素投与をUP…?

■そもそも…

4Lでリザーバーマスクするんですか?普通の酸素マスクじゃだめなんですか?

4L/分で酸素を流量する前にベンチュリーという選択もあったのではないかと思います。

4Lでリザーバーって聞いた事も無いです。

まさかと思いますが、リザーバーのバックを膨らませるために10L/分に増やしたってことはありませんよね?

医師の指示もなく、看護師がそこまでやっていい行為でしょうか?

■努力呼吸しているなら…

努力呼吸をしていたのであれば、その後のSPO2の低下に備えて酸素をあげたのかとも思われるのですが、いきなり10Lは、私もよくわかりません。上げるのであればSPO2を見ながら徐々にと思うのですが。

努力呼吸の状態だとリザーバーバックに酸素が充填される前に吸気するので、結局呼気されたCO2がリザーバーバックに溜まり、それを吸気で吸い込むので、謂わばペーパーバッグの状態です。

■酸素量を増やしたら起こる危険性

努力呼吸をしている時点で換気が十分でない状態なので、二酸化炭素分圧が上昇しがちになって余計高濃度酸素あげちゃダメじゃないのかなって…ナルコーシスになるのでは?

リザーバーは6L以上でないと自身で排出した二酸化炭素を吸い、SATが下がらなくてもナルコる可能性があります。だからと言って、無闇に酸素量を上げればナルコります。

★投稿者からの追加情報

下顎呼吸になると少ない呼吸数と効率的でない呼吸法の下で酸素を維持しなくてはいけなくなるので高濃度の酸素が必要で、先輩は10Lに上げたんだよと教えてもらいました。

■下顎呼吸を考えるなら…

努力呼吸から下顎呼吸へ移行を考慮したならば、その患者さんがフルコースならば、挿管しての呼吸管理を考え、酸素いじるまえに先生へ報告します。そこまでの治療をしない患者さんであれば、SPO2保持できているなら酸素アップせず様子みます。

下がく呼吸へ以降しそうな努力呼吸とありますが、そこへの不必要な酸素量upは呼吸中枢を麻痺させる危険因子だと思うのですが。

下顎呼吸になりそうだからSPO2の低下がないが、酸素投与量を増やしたら、ナルコーシスになって呼吸抑制が起きるんじゃないかなぁ…。

■結局のところ…?

ナルコーシスの場合、SPO2が98%でよしよしと思っていたら、急に呼吸が停止しちゃうってことありますよ。でも、この場合、4Lから10L/分に上昇させているんでよく分かりません。

血ガス評価ができなければ、フィジカルアセスメントして、チアノーゼなどの組織酸素化不良の症状がなければ、無闇に酸素を上げるべきではないですね。

関連トピック:「 努力呼吸について
イラスト・なしま

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