解説
保健師/看護師。年間300人以上の産業保健スタッフと関わり、さまざまな企業の従業員への健康管理をサポート。メンタル不調面談から産業看護職の採用・育成まで幅広く担当している。
一般の産業看護職とどこが違うの?
一般の産業看護職は、1社の企業に在籍し、毎日あるいは定期的に出社して業務を行います。従業員数が数千〜数万人と企業規模が大きい場合は、複数名の産業看護職が配置されていることが多く、概ね決められた仕事を担当します。
一方、SMSの産業看護職は比較的小さい規模の企業を複数社担当することになります。担当する企業に対しては、リモートで業務にあたります。なかには、産業保健の取り組みを始めたばかりの企業も少なくありません。そのため、産業保健のシステムづくりの手伝いをすることもあります。
どのような働き方なの?
担当する企業の業務は、パソコン等によるリモートにて行います。そのため、自宅に居ながらお仕事をしていただく在宅ワークになります。通勤時間が無いため、ちょっとした空き時間をお仕事に充てることも可能です。
実際に、子育てや家事と両立したり、ダブルワークとして働いていたりするケースも多くあります。病棟勤務をしながら夜勤明けに産業看護職の仕事をしたり、クリニックで働きながら休診日を活用している人は少なくありません。また、子育てなどでフルタイムの勤務は難しい人が、2〜3時間の空き時間に産業看護職として働いているケースもあります。
どのようなところがメリットなの?
SMSの産業看護職の業務は、企業の人事労務担当者や従業員の方と接する対人業務が多いことが特徴です。そのため、短時間であっても産業看護職という仕事の面白さややりがいを感じることができます。
業務は、自分の希望に合わせて受け持ち担当数を調整することができるため、産業看護職が自信のライフスタイルに合わせて短時間から始めることが可能です。また、リモートによる業務なので在宅勤務がメインとなり、自由度の高い働き方といえます。
産業看護職がどのような仕事なのか体験したい、少しでも産業看護職としての経験を積んでいきたいという人にとって、その第一歩として選びやすい働き方といえます。
経験やスキルは必要?
看護職であれば、産業看護職の経験がなくても始められます。現在SMSで産業看護職として働いている人たちも、その多くは未経験からスタートしました。
ただし、法律やビジネススキルなどの知識は、一般の産業看護職と同様に求められることになるので、学んでいくことは必要です。
教育システムはあるの?
SMSの産業看護職に応募し、選考を通過した場合には、実際にお仕事を始める前に研修を研修を受けることになります。10のプログラムがあり、法律や産業保健の基礎、産業看護職の仕事、面談の仕方などを学びます。研修プログラムを修了し、最終試験をクリアしたら産業看護職として仕事を始められるようになります。
また、研修時から一人ひとりにプリセプターがつき、指導・チェックを行います。これは業務が始まってからも継続され、業務の仕方について客観的なアドバイスをもらったり、困りごとが生じた場合は気軽に相談することができます。
キャリアアップの道はある?
複数社を担当することで、産業看護職として、さまざまな業種や社風、広い年代層の従業員への対応を経験できることになります。そのため、経験則の幅が広がります。また、自分に適しているのがどのような企業かを見極めることもでき、企業選びの参考にすることもできるでしょう。
産業看護職としての就業を目指している人にとっては、現状は狭き門といえます。ですが、SMSの産業看護職は、短時間から働くことができるので、「まず始めてみる」というスタンスでスタートさせることが可能です。
応募は難しいの?
一般の産業看護職の場合、募集人数に対する応募者が多くなってしまうので、資格を保健師に限定することが少なくありません。しかし、SMSの産業看護職は、正看護師免許があれば誰でも応募が可能です。
イラスト: イラストAC