500円で健康診査が受けられる「ワンコイン健診」で注目を浴びるケアプロ。同社が、3.11の被災地支援の経験から必要性を痛感して立ち上げた、訪問看護ステーションの奮闘記です。今回からは、第5章に突入「利用者の横顔」5回連載の予定です。
デビュー直後の出会い
Y田様は10代で頸髄損傷となり、現在は車いすで生活をされている方である。Y田様との出会いは、開業して間もない頃に遡る。
まだ駆け出しも駆け出しのデビューしたての私たちの元へ、お世話になっている在宅看護研究センターの村松さんの訪問看護ステーションから連絡が入った。「うちにいる利用者様で、ケアプロさんにお願いしたい方が一人いるのだけどどうかしら」
まだご利用者様も少ないうえ、いつもお世話になっている村松さんの訪問看護ステーションさんからの頼みは是非受けたいと思った。しかし、なぜ訪問看護をケアプロに変えるのか、疑問に思い、尋ねてみた。
砂漠の中のオアシスのような存在に
Y田様は、企業にお勤めされており、フルタイムで働かれている。しかし、3日/週のケアのために、出勤日のうち2日は早退しないといけない状況が、就職当初からずっと続いていた。身体面はそのリズムが必要であるのに対し、責任のある仕事やポジションにより、なかなか仕事から早く帰ることが困難になってきていたのである。Y田様の要望はこうだ。「仕事が終わったあとに来てほしい」
仕事が終わるのは18時頃。その後となると夜の定時訪問となる。そこで、ケアプロへの依頼となったのだ。もちろん依頼を快諾し、早速Y田様の家にて、サービス担当者会議が開かれた。お仕事が終わる時間、ヘルパー様の入る時間、食事の時間などひとつずつY田様は組み立て、ケアプロは21時からの訪問を担うことに決まった。今でも、平日の2日間、21時から訪問を続けさせて頂いている。
「早退することがなくなり、また残業ができるようになったことで、仕事に集中することができるようになった。夜にきてもらうのは大変だと思うけど、それが可能なサービスがあって初めて、障害を持っている人の社会参加が本当の意味でできるようになるんだ。ケアプロはいわば、砂漠の中のオアシスだと思ったね」
サービスのニーズを肌で実感
もちろん、駆け出しの身である私たちは、いくつかの場面で至らぬこともあり、その度に勉強をさせて頂いている。それでも、ケアプロを重宝して頂けていることは感謝ばかり。24時間365日のサービス提供のニーズを、肌で実感することができているのだ。
仕事終わりのY田様と岩本がツーショットで
※次回は、利用者の横顔2、月曜配信です。