• 公開日: 2019/4/23
  • 更新日: 2019/7/16

病院の労働環境の「いじめ」を生み出す病理。社会学から考える病院でのいじめ【1】

こんにちは、看護師のsin.cos.tanと申します。

新人時代、怖い先輩や上司との関係に悩んだ経験のある方も多いのではないでしょうか?

職場の人間関係のストレスから、適応障害など体調を崩してしまう看護師は少なくありません。看護師に限らず、研修医いじめ、他職種の新人いじめなど、医療職間で様々なケースに遭遇します。

しかし、人々の命を救う良識をもった医療者の中で、なぜいじめが起きてしまうのでしょうか

今回は、社会学の文献をもとに職場での「いじめ」について考察した友人の記事を紹介します。

目次

  1. いじめ加害者の心理とは
  2. なぜ相手にイライラしているのか
  3. いじめることで自分を癒す

 

いじめ加害者の心理とは

加害者は「いじめられた経験」がある

いじめられた経験を「浄化するため」に、自分がいじめる側にまわってしまうことがある。

いじめを研究する社会学者、内藤朝雄氏はこのように述べています。

簡単に説明すると、

  1. いじめられた辛い経験は、通常の記憶とは切り離され(解離)記憶される
  2. この切り離された辛い記憶は、漠然とした不安やみじめな気分を持続させる
  3. このような者がいじめる側のチャンスを得ると浄化の儀式にとりつかれてしまう

これがいじめが起こるメカニズムのひとつです。これ読んで察した方も多いでしょうが「お局化」の始まりはここにあるのかもしれません。

 

加害者は「過去の自分」を演じさせている

  1. 誰かをいじめることでいじめられてた過去の自分を相手に演じさせる
  2. 同時に、過去に自分をいじめた相手を自分自身が演じる
  3. それによりいじめた確認をする
  4. その結果、過去のいじめられていた惨めな自分から少し離脱した気になれる(浄化)

これらが無意識のうちに行われてしまうと言われています。

 

「私が新人だった頃はもっと怖い人がたくさんいたよ」

職場の先輩から、そう言われたことはないでしょうか。仮に、その先輩がいじめを行っていた場合、「だから私たちのやっていることはいじめではない」と主張しているのかもしれません。

いじめを行う先輩は、自身が新人時代に受けたいじめを無意識に浄化しているのかもしれないのです。

 

なぜ相手にイライラしているのか

「あんたがミスしたからこっちは注意してんの。それでいてオドオドされると余計イラつくんだけど」

など、強い口調で注意をする先輩看護師もいるかと思います。でも、そのように注意をされたら、畏縮しオドオドしてしまうのが普通ですよね。

そんな時、先輩看護師がイライラする理由のひとつとして…

 

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