コラム
  • 公開日: 2016/7/28
  • 更新日: 2018/12/13

【連載】世界の医療の話

10枚のヴィンテージ写真がものがたるナース達の姿とは。

「白衣の天使」「奉仕の精神」「しっかりもの」etc…ナースへの世間的なイメージの代表格ではないでしょうか。

ナースの歴史が、ナイチンゲールから始まったことはあまりにも有名ですが、彼女は高貴な生まれにも関わらず家族の反対を押し切って、当時忌み嫌われた病人の世話を、「看護」という一つのジャンルに確率した偉人です。そんな彼女の高潔な精神が脈々と受け継がれているせいもあってか、昔も今もナースへのイメージは変わらないのかもしれません。

しかし、いつでも白衣の天使でいられる程ナースの仕事は甘くないはず。ナースだって人間だもの。怒りたい時、悲しい時、やさぐれる時だってあるはずです。ここに写っている、約50年から100年前のナースたちにも、そんな瞬間があったのでしょうか。ファインダー越しに写る彼女たちの自然な姿から、当時のナースの姿を垣間見ることができます。


1800年代のナース服は以外にもドレッシーだった。

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1898年のナース集合写真です。詰襟に肩の膨らんだ長袖のユニフォーム。現在とはだいぶ違います。当時のナース達はナイチンゲールの教えを元に10の信条を大切にしたと言われています。その一部を簡単にご紹介します。

  1. 教育を大切にする
  2. 宗教的信仰を大切にする
  3. 調査(アセスメント)をする
  4. 環境整備をする
  5. 清潔を保持する
  6. 白を意識する
  7. プロフェッショナルな友情を維持する
  8. 敬意をもって接する
  9. 思いやりをもつ
  10. 唱道者でありつづける

といったものです。どれもナースの皆さんなら、ピンとくる内容かもしれませんね。

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こちらは、1900年代のナース達。ナイチンゲールが当時の写真の中で着用していたような白い長袖の上着にロングスカート、白のエプロンを組み合わせたナース服が多く、手首から足首まで肌を覆い隠すスタイルでした。このスタイルは戦前まで主流だったようです。

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こちらは、近代の写真です。戦後になると、ナースのユニフォームは徐々に現在のナース服に近づきます。女性の権利や社会活動の回復とともに、動きやすさや機能性がさらに求められ、袖やスカートの丈が短くなりました。大きかったナース帽は少しずつ小さくなっていきます。

戦時中のナース達はたくましかった。

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第二次世界大戦中の1シーン。シェルターに避難してきた傷病者を手当しています。

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戦時中、軍に属し負傷者の看護にあたったのが”従軍看護婦”。地上にあって戦線後部で勤務するだけでなく、救護用の航空機に搭乗して最前線に出るナースも多数いたそうです。ガスマスクを着用しながら救護にあたっています。緊迫したシーンに息をのみます。

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1945年の写真。3年間サント・トマス島で抑留されていたナースたちの大歓迎を受ける米国陸軍のナースたち。抱き合う彼女達を優しく見守る仲間の表情が印象的です。

どんな時でもユーモアを。ナース達が息を抜いた瞬間は・・・(次ページへ)

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