退職や転職を決意したとき、「どんな退職理由を伝えよう?」と悩む方は多いのではないでしょうか。今回は、「円満退職するための退職理由」をテーマに、印象の良い退職理由や伝える際の注意点、引き留めにあったときの対応まで解説します!
退職までの流れ
まずは、看護師が退職するまでの流れを見てみましょう。
退職の申告期限は職場によって異なります。まずは退職に関する事項を就業規則で確認し、退職予定日から逆算して「いつまでに伝えるか」「いつ退職願(届)を出すか」などの計画を立てておきましょう。
退職の意志はいつ・誰に伝える?
退職を決意して、最初に退職の意志を伝えるのは「直属の上司」です。同僚に「退職しようと思っている」とうっかり伝えてしまい、それが上司の耳に入るようなことは絶対に避けましょう。退職の相談をするなら、職場とまったく関係のない友人や家族に限定したほうが無難です。
退職の意志を伝える時期は、申告期限ぎりぎりにならないように余裕を持たせましょう。受け持ち患者や委員会の引き継ぎのほか、上司にとっては人員調整(欠員の補充)も必要になるため、最低でも2か月前には伝えておくと安心です。
円満退職のための退職理由・伝えるときの注意点は?
次に、退職理由です。円満退職を握るカギは、ずばり「ポジティブな退職」と印象づけること。職場に対する不満があっても、退職理由として直接伝えるのは避けましょう。快く送り出してもらうためには、なるべくネガティブな印象を与えず、感謝の気持ちと前向きさを伝えることが大切です。
ポジティブな退職理由を考える
ポジティブな退職理由は、「前向きな未来志向の退職理由」と言い換えることもできます。今のあなたにとって退職がベストな選択であること・将来を見据えた前向きな退職であることを印象づけましょう。
ポジティブな退職理由として、次のようなものがあります。
●将来のキャリアプランを考えて、◯◯科で臨床経験を積みたい
●認定看護師取得を目指し、専門的に学べる病院で働きたい
●結婚・出産、それに伴う引越しなど
つまり、自己成長や人生設計のために必要な決断であること、「そのような事情ならやむを得ない」と納得してもらえるような退職理由を考えることがポイントです。「今の職場に不満はなく、感謝している」「自分にとっても大きな決断である」ということが伝われば、無理な引き留めにあうリスクも避けられます。
ネガティブ表現は避ける
もし、職場の雇用条件や人間関係に不満があっても、ネガティブ表現を使うのは得策ではありません。次のような理由で退職を考えている方は、それが事実であったとしても言うべきかどうか慎重に検討しましょう。
●職場の人間関係がうまくいかない
●勤務時間や給与などの雇用条件に不満がある
●教育体制が物足りないと感じる
このようなネガティブな退職理由は、言われた側(職場の上司)には単なる不平不満として受け取られ、退職まで気まずい思いをすることになります。職場の雰囲気が悪い・サービス残業が多すぎるなど、明らかにブラックな環境にいる場合も、「自分も努力したのですが…」とやんわり伝える程度に抑えておきましょう。
嘘をつくならリスクを考えて
「とにかく仕事を辞めたい」「なんとなく転職したい」など、明確な退職理由が見つからない場合にやってしまいがちなのが、「嘘の退職理由を伝える」ということ。ここでいう「嘘」とは、相手に不快感を与えないように建前使うことではなく、明らかに嘘だとわかるもの・いずれ明らかになってしまうような嘘です。
例えば、「親の介護」「夫の転勤」といった家庭の事情は、もっとも受理されやすい退職理由です。しかし、生活圏内に職場がある場合や、同僚と職場以外でも顔を合わせる可能性が高い場合は、いずれ見つかってしまうと考えたほうがいいでしょう。後々気まずい思いをするくらいなら、始めから嘘はつかないほうが安全です。
引き留めにあったらどうする?
多くの職場は常に人手不足で、退職の意志を伝えた途端に引き留めにあう人も少なくありません。「どうしても辞めるの?」「考え直さない?」「あなたがいなくなると困る」などあらゆる言葉で引き留められた場合、どのように対応すべきでしょうか。
引き留めにあうのは、単なる人手不足だけでなく、あなたという人材を失いたくないという気持ちの表れです。まずは、引き留めてくれる上司に感謝しましょう。その上で、「どうしても退職したい理由」を伝え、理解してもらうことが大切です。
もし、「職場の繁忙期と重ならないように退職時期をずらせないか」「新人が育つまであと2ヶ月残ってほしい」などの具体的な引き留め交渉があれば、上司と十分に話し合い、落とし所を探るのもひとつの方法です。
円満退職のためには「納得してもらえる退職理由」が必要!
円満退職を叶えるためには、退職までのプロセスが非常に重要です。とくに「どのような退職理由にするか」によって、円満退職できるか・気まずい思いで退職するかが決まると言っても過言ではありません。
これから退職や転職を予定している方は、まずは「ポジティブな退職理由」「上司も納得する退職理由」を考えてみてください。