コラム
  • 公開日: 2018/11/5

【連載】ナースの転職知恵袋

【看護師のリアル転職体験談 38】総合病院の一般病棟から、資格取得支援制度のある病院へ

1.自分のキャリアアップのために、転職を決意

私は看護師になってからずっと、地元の総合病院に勤務していました。お給料もそれなりでしたし、毎日の仕事にやりがいを感じていましたが、看護師としての経験を積むごとに、「看護師としてもっと成長したい」と思うようになりました。最終的には「さらに大学院で看護を学び、専門看護師の資格を取得したい」という希望を持ちました。

師長との面談において「専門看護師になりたい」という気持ちを伝えたところ、「それならば、一度退職して、資格取得後に再び就職してちょうだい」と言われ、とてもショックを受けました。

なぜキャリアアップのために、一度退職しなくてはいけないのでしょうか。納得できなかった私は看護師として働きながら専門看護師の資格を取得できる病院への転職を、決意しました。

2.前の病院を退職してから、新しい病院に転職するまでの流れ

私の転職先への希望。それはたった一つ、「働きながら専門看護師の資格を取得できること」でした。早速私は、この希望を叶えてくれる職場探しを始めました。

STEP1:転職サイトへ相談したら、その結果は・・・

転職を決意したものの、初めてのことでもあったので、何からして良いかわかりません。そこで、インターネット検索で出てきた「看護師の転職支援」サービスへ登録しました。

登録後、すぐに折り返しの連絡をいただくことができ、専門看護師の資格取得支援制度のある病院を紹介してもらえることになりました。

STEP2:2件の規模の大きな病院を紹介してもらう

転職支援サービスから紹介してもらったのは、どちらも地元では知らない人がいないというくらい、規模の大きな病院でした。私では力不足でとても採用してもらえないと思い、新卒の就職活動時には除外した病院でしたが、私の簡単なプロフィールを確認した上で面接をしてくださるとのことだったので、とても驚きました。

転職支援サービスの方に勧められるまま採用試験を受け、2件とも内定をいただきました。そしてそのうち、転職支援サービスの方がより勧められていた病院へ転職することを決めました。

STEP3:師長へ伝えたら、衝撃の一言が

転職先が決まったことで、私はこれまでの職場の退職日を決めるために、再度師長と面談をしました。師長からは「あの病院へ転職できるの!?よく転職できたわね」と驚かれるとともに、「実はうちの病院にも、認定看護師だったら支援制度があったのよ」と教えてもらいました。

何でも専門看護師は最低でも2年は大学院への通学が必要となるため、とてもじゃないがそれまで待つことはできないとのこと。認定と専門の違いを痛感しましたが、自分は大学院で勉強したいという思いを強くもっていたので、「私は専門看護師になりたいんです」と伝え、正式に退職が決まりました。

STEP4:最終出勤日、同僚全員が応援してくれた

最後の出勤日。これまでお世話になった先輩を含め、たくさんの同僚が集まってくれました。皆さん口々に「頑張ってね!」「応援してるよ」と声をかけてくださり、私がこれまでいかに恵まれた環境で仕事をしていたかを思い知らされました。涙で花束を受け取り、私は新たな一歩を踏み出しました。

3.転職してみて感じたこと

私は今回、「専門看護師になりたい」という希望の元、生まれて始めての転職をしました。

初めてということで何からスタートしていいかわからず、とりあえずインターネットで出てきた転職支援サービスを使い、言われるがままに転職活動を行いました。

しかし今こうして振り返ってみると、もう少し自発的に動いても良かったかなと反省しています。というのも、後からお話しますがこの転職によって悪かったことがいろいろと出てきており、転職を後悔している点も多々あるからです。

私のような後悔をしていただきたくないという意味を込めて、「転職は転職支援サービスの方に言われる通りにするだけでなく、自分が決めるという強い意志をもってしていただきたい」とお伝えしたいです。

4.転職してみて「良かったこと・悪かったこと」まとめ

今回の転職を通じて良かったこと、悪かったことは以下のようなことだと思います。

◎良かったこと:専門看護師の資格取得支援がある

今回の転職理由であり、この転職において一番良かったこと、それがこの「専門看護師の資格取得支援がある」ということです。実際には最低でも5年以上この病院に勤務すること、そして資格取得後もさらに5年以上勤務することが条件となっていますが、この目標のために日々仕事を頑張っています。

専門看護師の資格をすでに取得している先輩も3名いらっしゃり、その方々から直接専門看護師についてお話を伺えるということも、私のモチベーション維持につながっていると思います。

以前の病院でも認定看護師は何名かいらっしゃいましたが、専門看護師が複数人在籍している病院へ転職できたことは、とても良かったことだと感じています。

△悪かったこと(1):面接時とは違う部署へ配属された

私は専門看護師の中でも、特に小児を取得したいと考えていました。そのことは面接時に伝えていましたし、当然小児関係の部署へ配属されると思っていたのですが、転職して配属された部署は、まさかの一般内科でした。

当然小児はいるはずもなく、日々経験したことのない認知症患者さんに振り回される日々を送っています。

師長へは小児の専門看護師についてお話はしているのですが、「小児は人気があるので、すぐに配属が難しい。その都度希望を出していれば、いつか配属されるはず」という回答で、実際にいつ配属されるのかは不透明です。

小児看護を極めたくて今の病院へ転職したのに、この点はとても私にとって悪かった点といえます。

△悪かったこと(2):残業がとても多い

これまでの病院とは違い、今の病院は病床数がとても多く、お給料も格段にあがりました。

一方で、とても残業が多く、自己学習の時間が大幅に減ってしまっています。人間関係はとても良いので、みんなで声をかけあって仕事をしていますが、一方で小さいなお子さんのいる職員も多く、その方々に早く帰ってもらおうと気を遣うと、私のような独身の看護師の帰宅時間はどんどん遅くなります。

それが嫌だ、というわけではないのですが、結果として連日3時間以上の残業が続いているので、心身ともに疲労を感じる日が多くなっています。その分残業代がしっかり支給されているので、お給料の金額も格段にあがってはいるのですが、これから先のことを考えると、私はいつまでこの病院に勤務し続けられるだろうか、と不安にも感じています。

5.自分でしっかり細部まで確認した上で、転職した方が良い

転職して感じたことでもお伝えしましたが、私は転職時、自分で決めるということがほとんどありませんでした。勧められるままに2つの病院を面接して、そのうちの1病院へ転職しました。

しかし実際に勤務してみると、希望の部署に配属されず、しかも残業もとても多いという悪い面が次々と明らかになりました。もし私が転職時にここまで調べられていたのならば、きっとこの病院にはせず、もう一つの病院へ転職していたはずだな、と思ってしまっています。

確かに転職支援サービスはとても便利なサービスですし、精神的な負担も軽減した状態で転職活動を行うことができます。しかし、私のようにただ流された状態で転職先を決めてしまうと、後悔につながってしまいます。ぜひ皆さんは、転職支援サービスを使う中でも自分でしっかりと求人情報を調べていただきたいです。

転職するのは、サービスの方ではなく、自分自身であることを、ぜひ自覚していただけたらと思います。

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