実は「転職しない方がいい」?
「お給料が安すぎる!」「もっと勉強したい!」「激務すぎてもう無理・・・」
などなど、転職したい理由は十人十色。
しかし、本人の気持ちはもう新しい病院でのバラ色の毎日へと向かっていても、傍から見れば、「タイミングが悪い」「今の職場が合ってるのに」と、転職するべきではないことが明確な場合がしばしばあります。
ここでは、「結果として、転職をしない方が良かった」ある看護師さんのエピソードをご紹介。
「転職しようかな・・・」と考えているあなたが、後悔のない判断をするための一助となれば幸いです。
正職員になりたくて
長く施設勤務を続けてきたにも関わらず、いつまでたっても正職員として雇ってもらえないことにいらだちを感じていたAさん。
その職場は非常に人間関係が良く、通勤にも便利で、給料の低さ以外に不満はありませんでしたが、40代を迎え、「転職するのもこれがラストチャンス」と、別の病院への転職を決意します。
面接時の看護部長や病棟の印象、待遇面も申し分なく、「ここで働きたい」という気持ちはほぼ固まっていました。
そして、上司に「辞めます」と正直な気持ちを伝えたAさんでしたが、返ってきたのは意外な反応。
それまでは雇用形態にまったく配慮してくれなかった上司が、「正職員として働いてほしい」と説得してきたのです。
その上、長年一緒に働いてきた同僚からも「辞めないで」と、強く引き止められてしまいます。
Aさんは改めて、「正職員で働きたいという目的が達成された今、転職する理由はあるのか?」と自分の気持ちを振り返り、
そして最終的には、条件の良さよりも、慣れ親しんだ職場の居心地の良さを選ぶ結果となりました。
今では正職員として、ご自分の経験をフルに発揮し、毎日生き生きと働いていらっしゃるそうです。
転職に独断は禁物
Aさんのように一つの職場で長く働いている方は、「今より待遇の良い病院があるのでは?」など、将来に漠然とした不安を感じたり、他の病院へ目移りしやすい傾向があります。
しかし、「よし、転職しよう!」と焦る気持ちをふと冷ましてくれるのが、「自分が転職先に何を求めているかという優先順位」や、「今の職場の居心地の良さ」など、改めて気づいた自分自身の気持ち。
そして「周囲からの引き止め」といった、第三者の存在です。
また、人材紹介会社に登録している場合は、転職のプロである担当コンサルタントの客観的な意見が将来を左右することも少なくありません。
コンサルタントに相談をしたが、結果的には転職をしないほうが良いという結論になった方からも、
- 自分の生き方、働き方を見つめ直すきっかけになった
- 他病院と比較ができ今の病院の良さに気づいた
- 転職はしたいが今ではない、将来に向けて前向きになれた
等、転職相談・情報収集はプラスになったという声が多く寄せられています。
一人で悩まず、迷ったら家族や同僚、上司など信頼できる意見をくれる人に一度でも相談することが、悔いのない判断をする決め手になるのです。